「立て直す」技術を高める

こんにちは!GMOペパボ人事の船橋です。
皆さま夏をいかがお過ごしでしょうか?私は充実した夏休みが明け、社会復帰できるか不安でいっぱいでしたが、何とかタイピングはできたので安心しています!

夏休み前に、研修設計などで(書籍とブログ拝読を通して)お世話になっている中原淳先生のワークショップに参加してきました。
今回はそのワークショップについて綴ります。

フィードバック入門
−部下と職場をたてなおす部下育成法−

中原先生の著書「フィードバック入門」はマネジメント経験者や自社内の人材育成に関わられている方などは、読まれている方も多くいらっしゃるかと思います。中原先生とPHP研究所の共同の取り組みであるフィードバック体験セッションは、この本をワークショップ化したような内容でした。

すでに社員研修用としてパッケージ化されているようで、中原先生監修のマネジャー向けプログラムでは通常1日半の時間をかけるところを、この日は凝縮して半日で学んできました!

この研修の目標

  1. フィードバックの体系的理解
  2. フィードバックの実践
    …フィードバックは「すること/されること」を通してでしかうまくならない!

まずはフィードバックとは?を自分なりに説明できるうようになること(=フィードバックの理解)
そしてその上で、フィードバックを体験し、実践することでヒントをつかむこと(=フィードバックの実践)

これを目標として抽選で参加権を得た99名の皆さまと私めが学んできました。

部下育成が難しくなっている要因

最近、マネジャー自体の職位や役割を見直す企業も傾向として増えているように感じます。あらゆる経営資源の管理責任をマネジャーの肩に乗せすぎて、三角筋がモリモリになってるマネジャーがいる一方で、撫で肩化が止まらないマネジャーもいるとかいないとか。

自分でも何を言ってるのかよくわかりませんが、とにかく、マネジメントに苦悩してないマネジャーはいないのではないでしょうか。中でも人材育成についてマネジメントが大変な理由としては下記のような社会的背景が要因しており、だからこそ企業としてもマネジメントのバックアップ、サポートが必要とのことでした。

社会的背景

  1. 職場の人材育成機能の低下
    (年功序列、終身雇用)
  2. 管理職の仕事が難しくなってきた
    (マネージャーの若年化、プレイングマネージャー)
  3. メンバーの多様化
    (雇用形態、国籍、働き方の多様化、育児・介護、年上部下…)

メンバーの多様化もさることながら、ワーキングマザーの女性リーダーもどんどん増えています

上記の背景以外にも、昨今活況な「働き方改革」が影響していることも。
ペパボでもご多分に漏れず働き方改革に取り組んでいますが、多数の企業が長時間労働への是正に注力しています。多くのメリットがある一方で、「人材開発」にあてられる時間は減少しています。
私たちも新卒研修を始め、育成については内製での取り組みが多く、HRとしては「育て合う組織風土の醸成」「自律的な人材育成の仕組みづくり」をキーワードに企画や運営をしていますが、やはり現場では目の前の経営資源(人、時間)を日々の業務(事業運営)と人材育成とで天秤にかけるように考えてしまうシーンも、以前に比べて出てきているように感じます。

日常業務も人材育成も、どちらも見ている先は同じ“事業”と“個人”の成長ですが、人材開発については転移(学習したことが現場で活かされる)が見えづらかったり、効果測定が難しいため、短期的な成果を求めるとプライオリティの判断は下がってしまいがちです。ココらへんは各社人事の方も現場との調整でご苦労なさっているのではないでしょうか。

遠心力と求心力

中原先生のお話の中で印象的だったのが「遠心力」と「求心力」の関係。

多様性のある組織では、自ずと遠心力が働きます。そして多様性のあるものをしっかりと引きつけるためには求心力が求められます。そこで問われるのはやはり現場マネジャーの力量です。人材開発に意欲的に取り組みをされているヤフーさんでもこの2つのキーワードを重視されていると中原先生からお話があり、1on1強化などの取り組みも頷ける〜〜〜と思いました。

こうした背景から、管理職の育成・スキル形成がいかに重要かが前段でお話されました。

人だけではなく、在宅勤務やフレックスなど、働く場所や時間に柔軟性を持たせる潮流も多様化の一部といえるかと思います。こうした流れの中で、逆に会社に行きたくなるような、自分がその組織で仕事をしているロイヤリティを感じられるような動機づけや魅力ある組織づくりを推進するのも、マネジメントや経営のミッションでもあると強く感じました。

ペパボでも若手マネージャーが増えており、30代半ばが中心です。

 

フィードバックの5STEP

耳の痛いことでもしっかりと伝えて、相手の納得を得ること、そして振り返りを促し行動を促進させ、成長の立て直しを行うことがフィードバックと定義されます。下記の5つのステップが基本の「型」としてあり、この通りに進行することを2つのケーススタディを用いて実践しました。

  1. 信頼感確保
    場の設定 信頼感/心理的安全の確保
  2. 事実通知
    成長のための鏡になる
  3. 腹落とし対話
    相手の言い分を聞く、理解のすり合わせ
  4. 振り返り支援
    相手に言わせる
  5. 期待通知
    自己効力感、再発防止策、フォローアップ計画

この5つのステップ通りに・・・なんか出来そう!と思ったのも束の間!!言うとやるとは大違い〜〜〜ヒィ〜〜〜!でした!!

フィードバックはフィードバックすることでしか学べない

5つのステップを基本に、隣の参加者とペアになり、演習を行いました。

上司役用と部下役用のシナリオが用意され、それぞれの役の設定も具体的で、詳細なシチュエーションの中でのフィードバックを行うという演習でした。上司と部下役を入れ替えたり、全部で4パターンのシナリオで実践しました。

1回目の用意されたシナリオでは、部下役が…“2才の子供を育てるワーキングマザーで旦那は子育てに協力的だが夫婦間でのスケジュール調整が面倒で結局自分で家事や育児をやってしまう” 営業職の高橋さんでして、何か自分と共通するところもあり、役作りには苦労しませんでした。

「腕を組んでしまいがち」
「顔が下を向きがち」
「相手の目を見て話すように」

フィードバック面談のルールとして上記のような事前情報がありまして「うんうんやりがち〜でも全然だいじょうぶだわ」と余裕ぶっこいてたらおったまげ!いざやってみると…見事に腕組んでたし、ネガティブ情報は回りくどい言い方してたし、それを補うようにポジティブな情報を付け加えようとするしでヒィ〜〜〜。自分でも喋りながらてんやわんやでした。

ペアを組んだ方は、海外にも工場を持つ従業員数が数百名規模の会社の社長さんで、この日はわざわざ北陸地方からお越しになっていました。

実際やってみて、難しいと感じたところはこんなところでした↓

  • 厳しく伝える
  • 具体的に伝える
  • 端的に述べる
  • 相手の鏡となる情報を提供する
  • 腕組んじゃう!

心がけたいと思ったところはこんなところでした↓

  • ストレートにお伝えする
  • リスペクトは忘れない
  • クッション言葉を活用(多用は☓)ex.「立場上言わざるを得ない」話法

幸いにも私はチームメンバーに恵まれ、マネジメントのポジションについてまだ日も浅いので、フィードバックに頭を悩ませるシーンはそこまでありません。ただ、より個々の成長につながるため、前進するためのフィードバックができているかと言うとまだまだ弱いので、そこは今回の学びを実践に落とし込んでいきたいと思います!

諸々引用元:https://www.php.co.jp/seminar/feedback/

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