GMOペパボでは、企業理念「もっとおもしろくできる」の価値を共有することでパートナー同士のつながりを生むことを目的に、年間を通してさまざまな社内イベントを開催しています。
オフラインで集まることが制限された2020年、社内イベントを担当する総務のメンバーたちは、どのような思いで、どのようにして社内イベントを中止することなく開催してきたのか、お話を伺いました。
和島 史典(わじま ふみのり)
Twitter:@wajimaf
あだ名:わじさん
経営管理部 総務グループ マネージャー
麺類全般とお酒が好き。麺はのどごし重視。
社内イベントを「やらない」という選択肢はなかった
− まず、ペパボの社内イベントについて教えてください。
わじさん:
主なイベントに、社内プレゼン大会「P-1グランプリ」、開発合宿「お産合宿」、来年の方針を全社で共有「年末総会」の3つがあります。今年はこれらすべてをオンラインで開催しました。
P-1グランプリ
新しいアイディアやサービスをアウトプットするプレゼン大会です。『P-1(=P-1グランプリ)』は、プレゼンの「P」、ペパボの「P」の頭文字から名付けられています。過去には「P-1グランプリ」をきっかけにサービス化したものもあります。
お産合宿
新しいものを作りたい人、今あるものをもっとよくしたい人が、勤務地・サービス・部署・役職・性別・人種の枠を越えて同じ屋根の下に集い、同じ釜の飯を食い、限られた時間の中で開発を行う1泊2日の開発合宿です。「もっとおもしろくできる」を産み出し、アウトプットできる機会として開催しています。
年末総会
年に一度、東京、福岡、鹿児島のパートナーが一堂に会し、会社の業績や来年のミッションなどの共有を行い、一年の労をねぎらう一大イベント。
− 時期も内容も異なる社内イベントですが、今回その全てをオンライン開催とする決断をした経緯を教えてください。
わじさん:
ペパボは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため2020年1月末からリモートワークを実施し、6月にはペパボ独自の取り組みとして、リモートワークを基本とする働き方に移行しました。
定期的に全社で行っているリモートワークに関するアンケート調査では、パートナーの安全を守り、生産性を向上させることには非常に有効という結果が出ています。その一方で、パートナー同士のコミュニケーションやペパボの企業文化を感じる機会が減ったという声が上がっているのも事実で、社内コミュニケーションを活性化させる取り組みは、全社的にも急務となっています。
このような前提があったからこそ、「一堂に会する」オフラインでの開催にこだわりたかったし、特に年末総会に関しては、準備期間中に若干状況が落ち着いていたこともあり、実際にオンラインとオフライン、どちらでも開催できるよう同時進行で調整もしていました。結果的には、パートナーの安全を最優先とした上で、年末総会を含む全てのイベントをオンラインで開催しました。
その際、オフラインと変わりなく、むしろそれ以上におもしろくすることを目指しました。
社内イベントって楽しいじゃないですか。パートナーも楽しみにしてくれているし。だから、どのイベントも、オフラインで開催できないなら「やらない」という選択肢は総務メンバーにはなかったですね。「やる」か「やらない」ではなく「どうやるか」。そんなふうに考えていました。
オフラインでもオンラインでも心がけることは同じ
− オンライン開催にあたり心がけたことはありましたか?
わじさん:
社内イベントを企画する時には、まず、パートナーの心身の安全を担保しつつイベントを成立させるためにどうするかを考えます。これはオフラインでもオンラインでも同じです。
どんなに斬新でおもしろいアイディアだったとしても、それを実現するために複雑な会員登録が必要なアプリを入れないといけないとか、会社から支給されているよりも高スペックなPCがないと参加できないとか、パートナーに負担になるようなアクションや環境整備が発生することはできる限り避けています。
リモートワーク下の今だったら、会社支給のPCと通信環境があれば参加できる、という条件になりますね。
それと同じくらい今回強く意識したのが「オンラインでも内容を劣化させない」ということです。全く同じものは難しいかもしれないけど、「これはこれでおもしろい」と思ってもらえるように、総務メンバーでアイディアを出し合いました。
参加者も運営もみんなでチャレンジした1年間
− オンラインで開催してみてよかった点を教えてください。
わじさん:
例えば、「お産合宿」は、通常一泊二日の合宿形式で、「同じ屋根の下で同じ釜の飯を食い、アウトプットを生み出す」という主旨ですが、今回はパートナーの安全を考えて合宿はできない。だけど「同じ場所に集う」ことはオンラインでも叶えられるのでは、と考えました。そこで目をつけたのが、エンジニアのいっちーが有志で作っていたバーチャルオフィスです。
通常、開催場所とリアルタイムでの中継限定で行っている「品評会」を、「お産合宿」仕様に手を加えてもらったバーチャルオフィスで開催したのが今年の「お産合宿」です。
今回はエントリーさえすれば誰でもなんでもアウトプットして良い、という条件にしたことや、宿泊が参加条件ということでこれまで様々な事情で参加できなかったパートナーもアウトプットできたり、バーチャルオフィスということでいつでも気軽に覗きに来られるという気軽さもあって、通常30名程度だった参加者が、約200名となりました。参加者の数で言うと、今回開催したオンラインイベント全てにおいて大きく増加しました。
オンラインで開催したことでハードルが下がり、多くのパートナーに参加してもらえたことはよかったですね。
− オンライン開催で苦労したことはありますか?
わじさん:
苦労というか、とにかく初めてのチャレンジだったので、正解がわからず常に不安がつきまとっていたというのが正直なところです(苦笑)。
特に「P-1グランプリ」は、参加者に自宅から登壇してもらう必要があり、通信・接続の面で負担をかけてしまうのではと思い、開催の踏ん切りがつかずにいました。そんな中、社長のけんたろさんから「登壇者も含めてみんなでチャレンジしてみたら?」という後押しをいただいたことで、開催に踏み切ることができました。
開催前には参加者のみなさんにオンラインでツールのレクチャーに参加していただいたこともあり、当日はトラブルなく進行できました。
オーディエンスで参加してくれたパートナーもオフラインと同じくらい盛り上がってくれて、自信に繋がりましたね。他のイベントも含め、本当にいろんなチャレンジをさせてもらいました。
あと、苦労した言えば、告知ですね。
これまでだったら、Slackでの全社告知に加えて、オフィスにチラシや登壇者情報を掲出したり、直接会ったパートナーに「参加してね!」って声を掛けたりすることもできたり、「やるぞ〜」という事前の雰囲気作りができていたのですが、今回はSlackしか使えるものがなくて…スタンプなどでの反応は見られるけど、全員に情報が行き渡っているかわからず、不安でした。リモートワークが基本となった今、社内イベントのみならず様々な情報の告知に関しては改善の必要を感じています。
「全方位楽しい」を目指す
− 2020年を振り返って、考えたことなどがあれば教えてください。
わじさん:
以前、このHRブログで、なぜペパボの社内イベントが長く続けることができているのかというインタビューを受けた際に、「伝統や文化、土台を大切にしつつ、時代や状況にあわせて、柔軟に変化させることも重要です」と言ったんですが、2020年はまさにそれを実践した1年になりましたね。
社内イベントは登壇者も観覧者も僕ら運営も「全員が味方同士である」という事実を意識することが大切です。社内イベントなので当然ですが、発表したい人、聞きたい人、運営したい人、みんな仲間でみんな味方です。そのすべての参加者に楽しんでもらうために、僕たちも本気で運営するし、なんなら「運営が一番楽しむぞ!」ぐらいの気持ちで挑んでいます。
この軸がブレなければ、オンラインであっても、同じ時間を共有し、ペパボの文化を体感する場の提供が可能とわかりました。
あと、社内イベントに関してはオフラインでの開催が基本ですが、パートナーの多様な働き方に対応するためにも、今後はオンラインを活用することも考えていきたいなと思いました。
− 社内イベントについての今後の展望を教えてください。
わじさん:
今後はリモートワーク下での社内コミュニケーションの場の創出という観点からも、新しいイベントを考えていきたいなと思っています。
今企画しているのは、新しく仲間に加わったパートナーを対象に、僕らがガイドとなって実際のオフィスを案内する「オフィスツアー」です。実施に向けて、バスガイドさんが持つような旗と世界地図を模したオフィスマップを準備しています。
これは、ペパボのことを知ってもらうことはもちろんですが、困った時には僕たち総務もいるよ、という安心感を新しい仲間たちに伝えられたらと思って企画したものです。福岡オフィスの管理チームと共に計画中です。
これからも僕たち総務メンバーは、参加者もオーディエンスも運営も「全方位楽しい」社内イベントの開催を目指して、本気で取り組んでいきます!