「自己相対化」を通して自分の現在地と伸びしろに気づく3日間。GMOペパボのデザイナーサマーインターン2025開催レポート

こんにちは。コーポレートデザイン室のmewmoです。
GMOペパボでは、今年9/24-26の3日間で5年ぶりにデザイナーサマーインターンを開催しました。
当日は全国から10名の学生が参加!今回の記事では、その内容と様子についてお届けしていきます。

5年ぶりのデザイナーインターン、テーマは「自己相対化」

5年ぶりのデザイナー新卒採用再開に伴って開催された今回のデザイナーサマーインターン。
「自己相対化」をテーマに、3日間のワークショップでのインプットとアウトプットを通して学生のみなさんが自身の「現在地」と「伸びしろ」に気づき、今後の学びや進路のヒントを得る、という趣旨のもと、プログラムを設計・実施しました。

ワークショップのベースとなっているのは、GMOペパボのデザイナー間で共通言語となっている「スキルエリアシステム」です。

スライド資料より、インターンの趣旨・目的
GMOペパボのスキルエリアシステムの図

今回のインターンの中で、特に学生のみなさんに重視していただくようお願いしたことは、次の3つ。

  1. 短期間でのアウトプットを作るよりもプロセスを設計すること
  2. 「なぜ」それをつくるのか説明できること
  3. メンターや運営、インターン生同士でたくさん話をすること

3日間という限られた時間の中で、この3つの行動を通して能動的に内省することを意識したプログラム設計になっています。

みなさんへの期待値について話すインターン運営デザイナー・オジー
3日間のインターンのタイムテーブル

それでは実際のインターンの様子を振り返りながらご紹介していきたいと思います。

当日は10名の学生が参加!まずは自己分析からスタート

当日は10名の学生をメンター4名+運営でお迎えしての実施となりました。みなさん最初は少し緊張しながらも、各々が進んでコミュニケーションを取ることで、あっという間にインターン生同士打ち解けていきました。

オリエンテーション中のインターン生とメンターの様子
あっという間にインターン生同士で打ち解けてなにやら話している様子

こちらはささやかながらGMOペパボからインターン生のみなさんへのノベルティのプレゼント。

GMOペパボのサービスロゴがあしらわれた
チロルチョコやペパポンのクリップ、モバイルバッテリーなどなど

一通りのオリエンテーションを終えて、まずみなさんには3日間通して作業していくワークシートに、現時点での自身のエキスパートスキル・メタスキルの自己評価を入力してレーダーチャートを作成してもらいました。

各スキルエリアの軸ごとに点数を入れてレーダーチャートを作成できるWebアプリケーション。
Figma Makeでつくりました!

初日にまずは感覚でこのレーダーチャートを作成してもらい、最終日にまた3日間のインプット・アウトプットを経た状態で同じようにレーダーチャートを作成してもらうことで、視点の変化や気づきを得てもらうことが目的です。

Day1: 講義やセッションを通したインプット

ワークシート記入後、1日目ではまず講義やセッションを通して、スキルエリアシステムの全体像や各専門領域、そしてGMOペパボにおけるデザインの現場についてインプットしてもらいます。

講義は「メタスキル総合」と「エキスパートスキル総合」の2本立て、セッションは6人の現場デザイナーに入れ替わり立ち替わりで普段の業務について話してもらいました。

メタスキル総合

まずは1本目の講義、「メタスキル総合」から。こちらはコーポレートデザイン室プリンシパルデザイナーのshoが講師として登壇。

講義「メタスキル総合」の資料より、講師・shoの自己紹介

「メタスキルは専門性を発揮するための、強固な土台である」という前提のもと、次の6つの項目についてレクチャーしていきました。

  • 目的志向
  • 論理的思考
  • 事実基盤力
  • 問題発見志向
  • 伝達スキル
  • 推進スキル
講義資料から、メタスキルの全体像の図
講義資料から、インハウスデザイナーに期待される4つの動き

この6つのスキルは、インハウスデザイナーに期待される4つの動き「問題定義」「意味づけ」「仮説と対話の原案」「共通理解の形成」を実践するうえで不可欠なメタスキルです。このメタスキルの「行動」と「思考」両輪をバランス良く回していくことが大事、という考えを、インターン生各々にインプットしてもらいました。

次の講座に行く前に…ランチと軽いミニゲーム

次の講座に行く前にランチ休憩!今回のインターンでは3日間通して、GMOインターネットグループが福利厚生として無償提供している、GMO Yours・フクラスのランチをインターン生と現場のデザイナーでわいわい一緒に食べました。

ランチ休憩終了後は、口と身体を動かして満腹モードから集中モードに脳をシフトすべく、「今日食べた朝ごはんはなに?」をお題に、口を使わずジェスチャーで左隣にいる人に伝えて当ててもらう、というミニゲームを実施。みなさんジェスチャーで伝えたり察知する能力が高く、和気あいあいと盛り上がりました。

ミニゲームでジェスチャーしている様子

エキスパートスキル総合

満腹モードから切り替わったところで、次に2本目の講義、「エキスパートスキル総合」。こちらはコーポレートデザイン室マネージャー兼EC事業部シニアデザインリードのりんが講師を担当。

講義「エキスパートスキル総合」の資料より、講師・りんの自己紹介

GMOペパボで普段デザイナー間で共通言語となっている次の6つのデザインの専門性、通称エキスパートスキルエリアについてレクチャーしました。

  • Communication Design
  • Visual Design
  • Information Architecture
  • UI Design
  • UX Engineering
  • Research

エキスパートスキルについてはPepabo Designでも公開しているので気になる人はチェックしてみてください。
https://design.pepabo.com/foundation/skill-area

講義資料から、コミュニケーションデザインについてのレクチャー
専門性を持ちながらも総合的なエキスパートスキルの組み合わせで
デザインに取り組んでいくことが大事

この6つのスキルエリアは、GMOペパボの事業を前進させるうえで、個人の強みを活かし、チームのパフォーマンスを最大化するための指針となっています。

これらのスキルを総合的に意識しながら、自身が得意とする専門性を見つけ磨いていくことが大切、という締めくくりでインターン生に講義してもらいました。

セッション

「エキスパートスキル総合」が終わったところで、休憩を挟んで次は「セッション」の時間。

各専門領域で活躍する6人の現場デザイナーにそれぞれ自身の業務についてどんなことに取り組んでいるか話してもらいました。

今回セッションスピーカーとして登壇してもらった現場デザイナー6名
IAに関連してペースレイヤリングの話をしているシニアデザイナー・4126
講義中のインターン生の様子

質疑応答の時間も設け、インターン生からもデザイナーにあれこれ質問してもらったりと、実際の取り組みの話が刺激になっている様子でした。

セッションを聞きながら、インターン生は印象に残った点や気づき、質問を
FigJamのワークシートにメモしていきます
休憩中にデザイナーに質問しに来てくれるインターン生もいました

Day2: 講義の学びを活かし、実際のプロダクトを題材にした演習で実践

Day1でのインプットを踏まえ、Day2ではインターン生のみなさんそれぞれに個人ワークとしてSUZURIを題材にした演習課題に取り組んでもらいました。演習課題を設計したのはコーポレートデザイン室シニアデザインリード・オジーです。

インターンオリエンテーション資料より、オジーの自己紹介

演習課題の内容

演習課題のテーマは「ペパボの実際のプロダクトを題材とした改善提案」。今回はSUZURIを題材にしたA・B・Cの3つのお題から、好きなものを選んで残り2日間で取り組んでもらうことに。

  • A: 新しいSUZURIクリエイターを増やすTシャツプロジェクト
  • B: もっと作りたくなる!スマホケースプロジェクト
  • C: SUZURIアルバム認知を向上させるアクスタプロジェクト
演習課題のオリエンテーションのスライドより、演習課題のテーマ発表
A・B・Cそれぞれのお題はこのようにアイテム、課題、目的を設定して提示したうえで、
なにを課題として捉えてどのような切り口やスコープで施策を検討するかは
インターン生に考えてもらいました

ここで重要なポイントは、表面的な完成度が高いアウトプットではなく「どのように問いを立て、どのような切り口から解決策を思考したか」というプロセス自体を言語化して成果として発表する、という形式にしたこと。

GMOペパボでは「デザイン行為」について以下のように定義しています。

デザインとは、前提に問いを立て、理想を描き、それを実現するために物事を形作る行為

3日間という短い時間の中で、GMOペパボが大切にしている価値観を体験してもらうという意味でも、今回はプロトタイプをつくるといったプロセスを固定することはせず、プロセス自体をつくってもらうことを重視してプログラムを設計しました。

問いを立て価値を提示するうえでの思考の道筋、「考え方」=「デザインプロセス」を今回は重視

…とは言っても、いきなりプロセスを言語化しろと言われても難しいので、今回は「Frame(定義)」「Ideat(発散)」「Synthesis(統合)」「Reflection(省察)」の4ステップに分けて思考・言語化していけるようなワークシートを用意して、それをもとに演習課題を進めてもらいました。

  • Frame(定義):問いを立て、背景と制約を明確化し、調査で当たりをつける
  • Ideate(発散):切り口を定め、理由を言語化し、発散して、選ぶ
  • Synthesis(統合):物語として統合し、伝わる形にまとめて発表する
  • Reflection(省察):経験を客観視し、立ち位置を相対化して次への糧とする
「Frame(定義)」「Ideat(発散)」「Synthesis(統合)」「Reflection(省察)」の4ステップの考え方
ステップごとに切り分けた演習ワークシート

他社のインターンでは手を動かして目に見えるものを作ることが多かったようで、最初はインターン生たちの悩む場面が少し見受けられましたが、演習課題を咀嚼しながらみなさん自分なりの視点で問いを立てていけました。

作業中のワークシートの様子

SUZURIデザイナーに質問タイム

Day1のメタスキル総合でも「事実基盤力」についてレクチャーがありましたが、問いを立てて切り口を設定するうえで、「なぜそう考えたのか?」の背景事情を明らかにするためにも、助っ人インタビュイーとしてやってきたSUZURIデザイナー・IPIにインターン生から自由に質問できる時間を設けました。

質問によって明らかになった事実により、なかには一度立てた問いが覆される場面があるなど、ファクトベースで情報を収集・精査してインサイトを掘り下げていくことの重要性をインターン生が体感できる時間となったのではないでしょうか。

中間レビュー

午後には2〜3名ごとのグループに分かれて、一旦現状の作業状況や考え方をシェアしてメンターのデザイナーからフィードバックを受ける、中間レビューの時間を1時間とりました。

Day1から、各メンターがインターン生の様子をグループごとに手厚くフィードバックしていたようなので、中間レビューでは一時的にメンターをシャッフル。新鮮なフィードバックが提供できるように工夫してみました。

メンター側が若干慌てつつも、インターン生にとっては現場で活躍するデザイナーにより多くの視点から意見をもらえる機会になったかと思います。

中間レビュー時点でのプロセスをインターン生から聞いて
現場のデザイナーがフィードバックしている様子

デザイナーお茶会

中間レビューの後はリフレッシュタイムとしてデザイナーお茶会を実施。

中堅からベテランまで、さまざまなキャリアのデザイナーにインターン生から気になることをわいわいと質問してもらいました。

入社した経緯など実はデザイナー同士でも知らなかった話が聞けたりして、よりGMOペパボで働くデザイナーの人柄を伺い知れる、充実した時間となりました。

右から新卒入社5年目のちゃんまる、新卒入社4年目のねもつ、
そしてデザイナー歴25年のベテランのまるさん
中間レビューの緊張感もほぐれて和やかに話しているインターン生の様子

Day3: 成果とフィードバック、内省を通して自己相対化

Day3では、演習課題の成果発表を行い、学生は講評デザイナーやメンター、インターン生からフィードバックを受けました。またそのフィードバックや3日間の自身の活動を通して改めて内省し、自己を相対化することで今後の成長のヒントを得てもらえるようなリフレクションの時間を設けました。

ラストスパート!最後の作業時間

ランチ前の時間は最後の追い込み作業時間。

今回発表にあたって、自身の提案するアイデアやその思考プロセスを言語化する一過程として、自分の提案の中から以下4つの最小の要素で「なぜそうしたのか(=こだわり)」を取り出して、デザインの背景にあるプロセス・判断の理由を語ってもらうことを必須要件としました。

  1. Core|提案。だれの/なにを/どうする、を一文で
  2. Because|根拠。背景・制約・インサイトからひとつ示す
  3. Therefore|理由。なぜそうしたのか
  4. Choice|選択。代案と、その可能性を採用しなかった理由
改めてプロセスを伝えるためにどこを要点としてまとめて話してほしいかの最終確認をしている様子

成果発表会・講評

ランチ後はいよいよ成果発表…!

各自5分で発表後、10分の講評はシニアデザインリードのりん・オジーの2名が担当しました。

3日間という短い時間の中で、各々見つけた切り口で考えをまとめ上げていて、どの発表も聴き応えのある内容でした。デザインプロセスも、リサーチを得意とする学生さん、構造化・ビジュアル化が得意な学生さんなど、それぞれの得意とする専門領域を活かしたものになっていて、興味深く聞かせていただきました。

講評はシニアデザインリードのりん・オジーの2名が担当
最終的な演習ワークシートの様子。みなさんたくさん言語化してくれました

リフレクション

成果発表後は、リフレクションを通して3日間の活動を振り返りながら、以下の3つの観点で自身を内省してもらいました。

  • 得意・関心領域の発見
  • 思考のクセ・武器の言語化
  • 今後の成長課題
リフレクションのワークシートの内容

また質問に回答する形で内省をしながら、初日にも入力してもらったレーダーチャートを改めて入力してもらいました。

初日と最終日でかなりレーダーチャートの形が変わっているインターン生もいて、「意外とこの専門領域/メタスキル、自分得意かも…?」という気づきがあったのかなと思います。その逆も然り。

あるインターン生の初日と最終日のレーダーチャートの比較

加えて、グループごとのリフレクションのシェアタイムでは、インターン生へのお土産になるようにメンターが3日間通して手元でこっそり用意していた、光ってたスキル・伸びしろスキル・コメントをギフトとして共有してもらいました。

あるインターン生へのメンターからのギフトの一例

3日間のまとめ

少し他社とは異なる趣のプログラム設計に、最初は問いの立て方やプロセスの言語化に苦戦する場面も見られましたが、3日間を通じて、インターン生のみなさんは「なぜそう考えたのか」という問いにしっかり向き合い、プロセスを大切に自分自身のものさしを広げてくれたように感じています。

最後にインターン生のみなさんからもアンケートで熱量の高いご感想をいただけました。

以下感想の一部抜粋です。

今回のインターンシップを通じて、自分の強みや弱みを言語化する力が大きく成長したと実感しています。特に3日間での集中した取り組みと、メンバーやメンターの方からのフィードバックにより、言語化した内容に納得感を持つことができました。その中でも「内発的動機が自分を動かし、状況を動かす」という言葉が印象に残り、デザイナーとして今後どうありたいかを明確に描けるようになった感覚があります。まさに内発的動機の大切さを体感できた時間でした。 また、「ひとことで言う」ことの難しさも強く感じましたが、同時に言語化する力の必要性を理解し、さらに伸ばしていきたいという意欲につながりました。 制作自体は個人ワークでしたが、グループでの対話やデザイナーの方へのインタビューを通じて、一人ではなく仲間と共に進めている感覚があり、非常に刺激的で学びの多い環境でした。今回の経験を糧に、デザイナーとしてより成長できると確信しています。

GMOペパボのスキルエリアシステムや、今回の課題を通じて、自分への解像度がさらに上がった。
また、どうしたらいいというよりかは、どういう考え方でどういう視点で物事を見た方がいいというヒントの出し方をメンターの方やデザイナーさんからしていただけて、今後の自分のものづくりをする上での考え方を見直すきっかけになった。

今までの中でいちばん濃厚なインターンでした。学ぶことがとにかく多くて、自分でも気が付かなかった自分に気づくきっかけになったし、自己理解に太く繋がりました。
様々なバックボーンを持ってる人がいるからこそ刺激が多くて、現状の自分に足りてないことや知識を知ることが出来ました。制作課題のサポート以外にもお茶会の時間など、聞くチャンスを設けてくれたことすごく感謝してます。

GMOペパボのデザイナーサマーインターンでのこの経験が、インターン生のみなさんにとって今後のキャリア形成や学びの一助となれば嬉しいです。

(そしてGMOペパボに入社してほしいGMOペパボに入社してほしいGMOペパボに入社してほしいGMOペパボに入社してほしい…お待ちしてます!!)

GMOペパボ、デザイナー新卒採用を再開します!

GMOペパボでは、5年ぶりに27卒からデザイナー新卒採用を再開します!
熱量の高い学生さんの応募をぜひともお待ちしております。

https://open.talentio.com/r/1/c/pepabo/pages/115198

GMOペパボのデザイナー新卒採用の最新情報はこちらをチェックしてみてくださいね!

https://recruit.pepabo.com/graduate