「ニッポンの商いをなめらかにする」EC事業部長が語る2020年のEC動向とその未来とは?

2020年下期がスタートしました。上期は誰しもが予想をし得なかったコロナウィルス感染拡大の影響を受け、私たちを取り巻く環境は大きく変化しました。
外出自粛における消費者の購買行動の変化、営業時間短縮による小売業者、卸業者といった販売者の販路変化。その解決策として注目が集まったのが事業のEC化です。
今まではネットショップで扱うことが難しいと思われていた商材や事業において、さまざまな工夫を凝らしネットショップで販売(EC化)する事業者が増えました。

そこでこの度のHRブログでは、EC事業部 部長テリーさんに、現場から見るEC化の実状とEC事業部が目指す事業展開についてお話しをうかがいました。

寺井 秀明(てらい ひであき)
Twitter:@hideack
あだ名:テリーさん
EC事業部部長。ハマっていることは、日曜日にTBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」を聴くことと野菜多めの餃子を作ってビールを飲むこと。ストレス解消方法は皿洗い。

EC化の加速とサービスの実情

2020年上期、ECではさまざまな変化がおきましたね。

テリー :
そうですねぇ。販売形態や消費行動において変化をせざるを得なかったというのもあって、事業のEC化というのに、注目があつまった印象があります。

具体的な、ユーザーさまの変化はありましたか?

テリー :
例えば、 対面の小売だけをされていた方がネットショップを作られて販売を始められたり、小売だけではなくて、ヨガ教室を運営されていた方が、対面でのレッスンを実施することができなくなり、ホームページを開設し、予約を受け付けて ZoomやGoogle Meetといったビデオ会議システムを利用した オンラインレッスンを開始したり、集客ができず営業継続が難しいライブハウスが未来チケットを販売したり、今までにはなかった商品やサービスの販売がEC上でおこなわれるようになりました。

なるほど。サービスを提供している私たちが驚くような販売方法でご利用いただけるケースもふえましたね。

テリー :
事業をされている方も「おうち時間」を楽しんでいただくための工夫を凝らした販売の方法を始められたかな。あと、それに対して消費者も応援の意味も込めて購入するといったことがおこりました。

今までにはない形で、ショップオーナーさまと購入者さまがつながることもおきましたね。

テリー :
そうなんですよね。コロナによって、今までのように“ちょっとでかけた先で寄ってみよう”という出会いが、インターネット上でおこなわれるようになっていますよね。
土産物屋さんや道の駅もネットショップをはじめられたり、いままで運営されていたショップをリニューアルされているケースも見受けられます。あとは、コロナの状況下で大学へ登校ができない学生向けに、教科書を販売する大学生協のショップもたくさん開設されています。

一度変化した販売形態や消費行動は、もとどおりになるわけではなく、これからはデジタルと実店舗をニューノーマル(新常識)で組み合わせた形態にどんどん変化していくとかんがえています。

ふむふむ。教科書は持ち帰るのが重いから、ネットショップで買えるのは凄く便利ですね…..さまざまな事業者さまが創意工夫をされEC化されていますね。EC化が加速と言われていますが、実績はいかがですか?

テリー :
加速していますね。
経済産業省の市場調査(※1)で、2019年の小売販売のEC化率は6.76%と推計されているのに対して、2020年10%を超えると予想されます。

実際「カラーミーショップ」の新規お申込者数も昨年の同じ月と比べると2倍(※2)になりました。流通額も4月、5月ともに、昨年同月1.7倍とのびています。さらに、物販系の分野でEC化率が2.89%と低い「食品、飲料、酒類」において、カラーミーショップの2020年4月の流通額上位5,000ショップの主要カテゴリ対前年同月の伸び率では303.5%(表1)と大きく伸びています。これまでEC化に積極的でなかった分野ほど、急激にデジタル化が進んだといえます。

(※1) 経済産業省電子商取引に関する市場調
(※2) カラーミーショッププレスリリース(2020年05月20日)

届いていないひとに、届けたい

ネットショップやホームページは、どういった役割を担っているものだとおもいますか?

テリー :
ネットショップ、とくにモールではない独自ショップやホームページは、生産者の思いや、生産背景、利用者の声や利用シーンを伝えやすいので、お店に行って接客をうけてものを買うのと、同じくらいの価値を提供できるんですよね。

例えば動画を配置して、オーナーさんのメッセージを流す、使用する写真にこだわる、景色の写真を配置もできます。購入者は自分のタイミングや都合で、PCやスマホからいつでもそのお店に訪れることができます。東京にお住まいの方が、秋田、北海島、沖縄、九州の店舗にクリック一つで行くこともできます。コロナ渦におけるデジタル化の加速を受け、そういったことが改めて認識されましたね。

ほんとうですね、ZoomやMeetも浸透してきたことによって、わたしたちも遠方のユーザーさんにインタビューをさせていただける機会がふえました。

テリー :
カラーミーショップ 公式Webメディア 「よむよむカラーミーでも、オンラインでインタビューを実施させていただいています。オンラインでインタビューをさせていただくことによって、多くのユーザーさまの声を紹介させていただくことができるようになりましたよね。カラーミーショップのユーザーさまの約7割が実店舗を運営されています。両方を運営するのは人でもたりないし大変なのでは、とネットショップを始めることに一歩踏み出せないでいる方や、集客、デザインなど、同じ悩みを抱えているショップさまに先輩オーナーさまの声を届けることで、励みになったり、問題解決のきっかけになったら嬉しいですね。

現在サービスで、課題だなと感じていることはなんですか?

テリー :
サービスをより多くの方に知っていただきたいということですね。
インターネットで、物や価値を販売する方法はたくさんあります。その手段としてまず、カラーミーショップの魅力を知っていただきたいと思っています。

その結果を受けて不確定な手段であっても時代の変化にあわせていち早く新しい商流を取り入れることが重要だと認識しました。いち早く未来を予測し行動を起こしチャレンジすることが求められます。ペパボEC事業部は、そのチャレンジのお手伝いをしたいと考えています。そのためにも、まだ届いていない人に、カラーミーショップを届けたいと思っています。

実はこの記事が公開される2020年9月11日はちょうど、鹿児島でカラーミーショップのCMを放送しているんです!

カラーミーショップ初のTVCMですね!ちょっと詳しくお伺いしてもいいですか??

テリー :
いままでお話ししてきたことをふまえ、販路や商圏を広げたいと思っている方に、まずカラーミーショップを知っていただきたいという思いからPRを強化することにしました。

そこで、まずはペパボとゆかりのある鹿児島からはじめようということになり、9月5日から約2週間TVCMを放送することになりました。

TVCMは全部で3種類あって、鹿児島で実店舗を運営されているユーザーさまに出演いただきました。 鹿児島CM特設サイトで全種類ご覧いただけます。
あわせて、地域に密着した販売方法を続けつつも全国へ商品をお届けしているショップ運営方法や、自社ECへのこだわりなどをお伺いしたインタビューも掲載しています。ぜひご覧ください。

ニッポンの商いをなめらかに

すてきなCMをたくさんの方にご覧いただきたいですね!
ところで、ペパボのEC事業部といえば!?2カ月に1度、EC事業部全員があつまる「ECどうでしょう」が開催されていますが、この会はどういう会なのでしょう…..

テリー :
笑。「ECどうでしょう」は、EC事業部の現状と少し先の未来を、事業部に所属する全パートナーで脳内同期する会です。僕たちのめざしているのは「グーペ」や「カラーミーショップ」を使ってニッポンの商いをなめらかにすることなんですよね。

ニッポンの商いをなめらかに!!??いったいどういうことですか??

テリー :
ECにおける障壁をなくすということです。
例えばネットショップ販売において欠くことのできない在庫管理や発送手配など、実際にご商売をされている方が、手をうごかすのではなく、サービスに委託するとか。その委託先を調べて契約してというのも、なめらかに導入できるしくみをカラーミーショップがつくり提供するといったイメージです。

カラーミーショップアプリストア」がまさにその1つの取組で、ショップオーナーさまのほしい機能を、使いたいタイミングで、アプリとして利用し始めることができます。また、EC事業部のもうひとつのサービスであるグーペについても、より一層取り組まれているお商売の運営がスムーズになる機能をいま開発していますのでこちらも、ぜひご期待ください。

さらにネットショップやホームページだけではなく、実店舗運営や商品の企画・製造といった、ご商売の周辺、すべてをなめらかにシームレスにすることをペパボEC事業部は目標としています。

ネットショップに事業を展開しようと思っている方も安心して利用し始められますね。最後に、グーペやカラーミーショップにおいて今年新たに提供しようと思っている機能などがあったら教えてください。

テリー :
そうですね、デザインテンプレートやアプリの提供は引き続きおこなっていきます。あとはECカンファレンス、『ポストコロナに向けて今こそ取り組むべきデジタル化 〜実例から学ぶ ネットショップ活用のヒント〜』でもお話しした「卸販売アプリ」の提供を予定しています。
機能とは少しちがいますが『カラーミーショップ大賞2020』の開催も決定しています。
多くの方にカラーミーショップやグーペを知っていただき、みなさまの商いをなめらかにするお手伝いをしていきたいと考えています。

ペパボEC事業部の今後の展開がいっそう楽しみになりました。今日はありがとうございました!

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