前例のない機能開発の裏側を直撃取材!
「カラーミーショップ対面決済機能」リリース秘話とEC事業部の新たな挑戦

ネットショップ運営を支えるための新機能「 カラーミーショップ対面決済機能 」のリリースは、オンラインとオフラインの垣根を超えた課題解決へのチャレンジとなりました。
EC事業部の新たな可能性を切り開いた2人にお話を聞くと、開発中のエピソードやわくわくするような今後の展望を話してくれました。

自己紹介

山林 茜(やまりん あかね)
あだ名:りん
Twitter:@getsukikyu
EC事業部ECグループのデザインリード。ビールが好きです。最近は息子たちと苺を育てていて、ついに花が咲きました!

一瀬 卓也(いちせ たくや)
あだ名:いっちー
Twitter:@tichise
EC事業部事業領域拡大チームのシニアエンジニア。趣味は世界各国のカレーの食べ歩きとロボットの開発。最近は時間を見つけてUnityを使ったソフトウェア開発をしています。

EC事業部の新たな一歩へ「ネットショップ作成サービスからECプラットフォームに」

ー今回リリースした「Square対面決済」とはどういった機能ですか?

りん:
カラーミーショップのiOSアプリとiPadOSアプリ上で、対面販売ができる機能です。

カラーミーショップに登録されている商品データを使って、アプリの画面上で商品を選んで決済までできるので、ネットショップと実店舗の受注・在庫を一元管理することができます。

カラーミーショップのiOS/iPadOSアプリと、Squareの決済アプリを連携させる仕組みになっていて、iPhoneやiPadなど、対象のアプリをダウンロードできる端末があればカラーミーショップのユーザーは誰でも利用することができます。

実店舗を持っていなくても、イベントに出店する時や、移動式店舗での販売の際にも使っていただける機能です。

対面決済で利用するアプリの画面

ーこのプロジェクトでの、お二人の役割を教えてください。

いっちー:
iOSアプリとiPadOSアプリの開発全般です。

今回はAPI開発を外部委託していたので、委託先の企業さんと開発要件を調整したり、Square側の担当者の方との要件調整も行っていました。

りん:
私はデザインリードですが、今回は半分プロダクトマネージャーのような役割を担っていて、この機能を使ってもらえるプロダクトにするためのリサーチ、課題設定などを担当しました。

ーなぜこの機能の開発を進めることになったのでしょうか?

りん:
カラーミーショップをご利用いただいているショップオーナーさんには、ネットショップだけ運営されている方もいれば、実店舗とネットショップを両方運営して商いをされている方もいます。

実店舗とネットショップで同じ商品を取り扱っているのに、それぞれで在庫の管理をしないといけない状況が、多くのユーザーの中で課題として持たれているということがわかりました。

在庫連携の課題を解決する1つの方法として、在庫管理を一元化する機能を提供しようということで、この機能の開発に着手することになったんです。

いっちー:
今回は、社内にもノウハウがほとんどない状態だったので、開発に取り掛かる前の調査から始めました。

必要なSDK(Software Development Kit/ソフトウェア開発キット)を調べて、都度Squareの担当者さんに確認しながら、カラーミーショップでどうやって実装するかを考えていきました。

連携しているSquare側にとっても、こういった形式の取り組みは初めてでした。

Squareの日本法人経由で本国にも確認するというケースもあり、解決できていない点を調べて各所に確認してを繰り返していたので、仕様を詰めるのには時間がかかりましたね。

ーEC事業部としても大きな挑戦だったのですね!

りん:
そうですね、カラーミーショップはこれまでネットショップ作成サービスとしてやってきたけど、ついにその枠を超えて、実店舗運営の領域まで入っていけた!という気持ちです。

カラーミーショップのミッションである「ニッポンの商いをなめらかにする」を実現するプラットフォームになるための、ひとつのきっかけになったと思います

社内で前例のない機能の開発の裏側

ーリリースまでの道のりで、大変だったことや印象に残っているエピソードはありますか?

いっちー:
通常の開発の段取りとは違う点がいくつかありました。

最近のプロダクト開発では、ユーザーヒアリングや課題の仮説検証など、体験設計を先に行ってから、実装する機能の要件設計に着手する流れになっているのですが、今回は前例がないので、そもそも技術的に実現可能かどうかの調査を先行して動いていました。

結果、実装可能であることがわかり、モックも作れていたので、エンジニア先行で要件を固めていました。

「あとはつくるだけだ!」とリリース日を決めて進め始めたところで、プロダクトの見直しとスケジュールの調整をすることになったんです。

りん:
本格的に開発が進み出すタイミングで、デザイン面の考慮が必要になり、私がこのプロジェクトに入ったんですよね。

このプロダクトをより多くのショップに使ってもらうためにも、UIのブラッシュアップや課題の仮説検証を、今からでもやる必要があると考えて、スケジュール調整してでも、体験設計を見直すことにしました。

構想時点から関わっていたメンバーの頭の中には、「誰のどういう課題を解決したいのか」など目的の共通認識がありましたが、それらが可視化されていなかったので、まずは、誰が見てもわかるように明確にすることに着手しました。

さらに、最初に立てた仮説が正しいのかを検証をするために、ショップオーナーに対してリサーチを行いました。

ーリサーチは、ユーザーにインタビューなどをされたのでしょうか?

りん:
そうですね。
私たちはネットショップのことはわかるけど、実店舗を運営している方が何をしているかについて具体的な知識、ノウハウがまったくなかったので、カラーミーショップのユーザーの中で実店舗を経営されている方にオンラインでインタビューをしました。

いっちー:
実際の声を聞いてみてわかったのは、在庫の連携の仕方がショップごとに違っていることでした。自前でAPIを叩いて連動していることもあれば、手動で管理しているパターンもあって。

ショップオーナー間でのノウハウの共有をする機会も少ないので、事例や成功例のイメージがないという状態ですね。

りん:
それぞれのショップで在庫管理の課題は抱えているけど、どう管理すればうまくいくか、方法がわからない。解決策をぜひ教えてほしいという声が多数ありました。

ー課題の解決方法が見えない中で、自力で運営されているショップは多いのですね。

りん:
このリサーチを通して、当初の構想時に立てていた「在庫連携に課題を持っているのではないか」の仮説は、正しかったということも確認できました。

インタビューを踏まえて、多数のショップにも共通していそうな課題については、他のショップオーナーにもWebアンケートを取りました。結果、在庫連携の課題は共通していることがわかったので、ここは解決しないといけないと感じましたね。

いっちー:
初期設定のフローなどは大きく変えたので、当初の要件を変更して作り直しが発生した部分はありますが、結果的に、エンジニア先行で決めていたことに大きなズレがなかったことが確認できたのはよかったです。

りん:
遠回りにはなったけど、ユーザーのことも考慮した設計ができていたことがわかって、これでよかったんだという自信を持てたよね

リリース前はさすがに疲弊してたけど(笑)

いっちー:
追い込み時期は・・・あったね(笑)

チームを超えてポジティブに取り組むEC事業部の仲間たち

りん:
開発とは違う話なんですが、リリース時に実際の利用シーンの動画制作をしたことは、今回初の試みだったんじゃないかな。

このSquare対面決済機能は、ネットショップ上で完結するものではなくて、店頭やイベントなどの、オフラインの場でお客さんとのやりとりで使うものなので、実際にどうやって使うかをイメージしづらいだろうなと思って、実地テストと合わせて、利用しているシーンの動画制作を社内のメンバーで行ったんです。

リリース時のプロモーションで動画を公開することで、何ができる機能なのかのイメージを持ってもらって、導入につなげたいという意図がありました。

その動画の撮影、リリース予定日が近づいている中でねじ込む感じで着手したんです。

いっちー:
動くものができていないと、テストも操作動画も撮れなかったからね。

りん:
そうそう。時間がない中で進めないといけなかったので、EC事業部の各チームのメンバーの力を借りました。

でも、結果的にとてもスムーズに進めることができて!その動画の撮影までの段取りが素晴らしかったです。

たぶん一般的に考えたら、「こういうものが撮りたい」というのを綿密に打ち合わせて練るところから始めて、結構な時間がかかることだと思うんですが、少ない打ち合わせと制作期間で、ここまでのクオリティのものができたというのは、すごいことだなあと。

撮影にご協力いただけるショップオーナーさんのマッチングもアポ取りも、とても速くて。

各々の得意が活かされたことで実現できたと思います。

そもそも、専門的なことにも対応できるメンバーが、同じ事業部内にいることがすごいなと実感したし、イレギュラーが多い中でも、ポジティブにアクションしてくれるメンバーがいて「EC事業部最高だなあ」とあらためて思いましたね。

アップデートを続ける新機能、カラーミーショップのこれからの挑戦

ー今後やっていきたいこと、挑戦したいことはありますか?

いっちー:
Square対面決済機能のアップデートとして、商品検索をスムーズにできるようにしたいですね。

ネットショップ用の商品と、実店舗用の商品がある場合、表示上分けることができず一緒に表示されるようになっているので、商品のグループやカテゴリーごとにフィルタリングできるのが理想かなと思っています。

レジ作業ってスピードが求められると思うので、UIを整えて、素早く作業できるようにしたいです。

りん:
バーコードリーダーの機能も今回のリリースまでに実装したかったのですが、使っている人の割合を調べた結果で開発の優先度を下げることにしたので、これは近いうちにリリースしたいですね。

リリース後、ショップオーナーさんから要望をいただいていたり、実地テストも継続して行っていくので、みなさんのご意見も反映しながら、優先事項を決めていきたいと思います。

今はまだ、ネットショップ優先のつくりになっているので、マルチチャネル対応をして、最終的には、カラーミーショップで一元管理できる形にしたいです!

事業領域のさらなる拡大という視点では、いっちーがIoTに強いので、実店舗での商品の読み取りをもっと簡単にできないかな~という話はよくしていますね。レジ対応を爆速にしたい!

他がやっていないことをやりたい!という夢はあります。

ーショップの方にとって新しい働き方にもつながりますね!

りん:
カラーミーショップは、サービスを通してショップオーナーさんが商いの価値創造に集中できる環境を提供したいと考えているので、これからどんどん実現していきたいと思っています!

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