サブマネージャーになって1年、SREチームのマネジメントで実践していること

自己紹介

梅谷 敦(うめたに あつし)
note:ボブマネ
あだな: ボブ
技術部プラットフォームグループ サブマネージャー。2009年サーバーエンジニアとして入社。社内プロダクトの立ち上げによく関わる。火消しのボブとも呼ばれる。2020年末からサブマネージャーとしてキャリアチェンジをして早一年。

こんにちは!GMOペパボのしゃべるインフラ担当のボブです。現在は、技術部プラットフォームグループのサブマネージャーとしてチームマネジメント・採用・労務管理を担当しながらソフトウェアエンジニアリング活動をしています。

サブマネージャーになったのは最近のことです。入社当時は朝から晩までエンジニアリングでアウトプットする楽しい日々でした。途中からは、一人では実現不可能なことをチームで実現するにはどうすればよいかをテーマに日々勉強と実践を繰り返してきました。DevOpsやスクラムの潮流をきっかけに社外アウトプットしながらチームリーダーも経験。必然的にマネジメント関連の書籍を読み、実践を通じて経験を積み重ねてきました。

ただ、最近まではマネジメントの役割としての職種は向いてないと思っており、エンジニアリング活動をする中でチームマネジメントができていればと考えていました。しかし、ある日ドラッカー風エクササイズ(参考:「ドラッカー風エクササイズ」で期待をすりあわせて安全なチームに)をチーム内で行ったことをきっかけに意識が変わりました。チームが私に期待していることは、リーダーシップを伴うチームビルディングやチーム・事業部の垣根を超えた成長支援だったのです。

この話に耳を傾けて、マネジメントに進む道へ覚悟を決めてサブマネージャーとして活動することになりました。そんな私のこの一年で経験したマネジメントの支援結果を部署紹介を通じてお話していければと思います。

入社したてのメンバーの働く気持ちを支援する

私が所属する部署は技術部プラットフォームグループ(以下、PFG)です。PFGは今年、採用を積極的に進めており、新卒を含めて新しいメンバーが3名増えたところです。そのメンバーそれぞれが配属後に活動しやすいように、OJTやオンボーディングを実施しました。

OJTやオンボーディングに必要な内容はあらかじめ社内のドキュメントを参考に、今回入社した人が初日・二日目と約一週間、次は一ヶ月までやることを想像しやすいチェックシートを用意。例えば、参加必須ミーティングや参加推奨Slackチャンネルを紹介。パソコンのセットアップ環境に必要な情報等、OJTではできるだけ業務に直結する支援を。オンボーディングではわからないことをすぐに聞ける体制をチームで相談しながら決めていきました。配属したメンバーは遠方にお住まいでリモートワーク前提でしたが、オンボーディングではコロナ禍の隙間をぬぐって出社の機会を作りました。短期間ではありますがオフィスで顔合わせすることで入社の実感が湧いたとのコメントも頂いています。

PFGは大きく二つのチームに分れます。仮にAチームとBチームとここでは定義します。このとき、Aチームに2名同時入社。OJTはAチームで行いましたが、オンボーディング支援はBチームやPFG以外の技術部メンバーから選出(オンボーディング・バディと呼びます)。また、私やマネージャーは1on1を設けることで会話の接点を作る機会も定期的に取りました。節目で支援メンバーがランチ会を私はリモート歓迎会を実施。この流れで後に配属した新卒メンバーも、先に入社したメンバーと合わせて同様の支援で仕事がしやすい環境が整いました。その学びが次の人に活かされた形です。

このようなバランスの取り方は元々、HRが1ヶ月前入社から手続きの支援や入社後もペパボカクテルと呼ばれる支援により3ヶ月を目安に徐々に会社に慣れてもらうことを目的とした結果です。入社まもない不安やギャップを取り除く助けになればとの思いでペパボではこのような支援活動を取り入れています。

私はPFGの採用も担当しているため、いっしょに働きたいと感じる方にメールで声をかける際や面談のときに、弊社の入社後のイメージを具体的に伝えることができると感じています。なお、いっしょに働きたいと感じる方は、技術スキルはもちろんのことですが、技術部で特に大切にしているGoogleのTeam GeakにあるHRT(謙虚/尊敬/信頼)に賛同できるかたを求めています。心理的安全性の確保のもと、健全な衝突で共に成長および発達していきたいです。

技術部プラットフォームグループのメンバー

メンバーのセルフマネジメントの習慣化を支援する

マネジメント視点ではピープルマネジメントを主に担当しています。社会心理学のクルト・レヴィンの法則を借りると、場の環境を整えることに注力しながら、人の行動にフォーカスします。もちろん、これに労務管理を含めてもよいでしょう。ここでは私なりのピープルマネジメントをこのように定義してみます。特にリモートワーク化が前提の弊社では、セルフマネジメントが大事であり、それを実現するためにマネジメントする役割がサブマネージャーには求められます。

例えば、私はコミュニケーションの意識的な回数を増やすことを大事にしています。1on1に代表される定期的な顔合わせ。私はこれを月に一度一時間ではなく、一週間に一回15分のチャレンジを継続中です。回数が増えることで、日々の細かい変化に気づくことができますし、気軽に会う機会をつくることは気軽にキャンセルしやすい環境を作ることでもあります。このような場を提供することは、マネジメントの役割の一つと言えます。

1on1では具体的に何をするのか。私のやり方ですと15分と短いので、質問フレームワークを使ってスタート・ストップ・コンティニューを聞くことにしています。これは、仕事に限らず新しくはじめたことや、やめたいことに続けたいことを聞くことで、新たな気づきを得ることを目的としています。そこで初めて困ったことが出てくる時はいっしょに考えます。ただし、問題解決を優先しません。これはセルフマネジメントを支援することが目的だからです。質問側が鏡のように立ち、相手の言葉を受けることで問題を外在化および可視化することで問題を認識することができます。この問題の認識を経て実際に何をすればよいのか具体的な行動が浮かぶことを狙います。その案をフォローするために、簡単な約束を毎週することで習慣化の手助けをします。もちろん、日々の運動不足といった日常的な問題も支援します。具体的に毎日10分散歩する、とかですね。これをした上で、問題解決の提案が必要となればコーチングだけではなく、ティーチングすることもあります。

これらは、あくまで1on1でのやりとり。チーム全体で話し合ったほうがよいタイミングだと思えば積極的にファシリテーターをつとめて、皆が会話しやすい場の提供は必要でその都度用意します。チームマネジメントにも関わり、ふりかえりが必要なタイミングやKPTを見極めています。スクラムも取り入れているため、ふりかえりがしやすい環境に思います。

なお、これらの支援は学術的な視座が必要です。社会心理学の法則を例に出したように、場を形作る人間の行動について事前に勉強する必要があります。アウトプットしながら日々読書で勉強しつつ実践することで、これらの支援をスムーズに行えるように計らいます。いきなりですと難しく感じますが、例えば、Google re:Workの「チーム」とは何かを定義するを読むことあたりから始めるとよいでしょう。知識を広げるために、社内勉強会にも参加しています。最近は「心理的安全性のつくりかた」や「リモートマネジメントの教科書」を課題書にして実践に当てはめてみんなでわいわいとお話しています。また、これらの本の参考文献に注目すると勉強の幅も広がります。

最後に

ソフトウェアエンジニアに片足突っ込みながら、マネジメントに進んだ時に考えていたことや、実践していることを紹介してきました。エンジニア視点の強みを活かせるよう学術視点を勉強しつつ、実践に落とし込む機会を仮説検証しています。ただし、チームを相手に仮説検証するには機械を相手にするのとは違ってメンバーの負担が大きすぎる点には注意が必要です。突然の変化を受け入れられるよう、丁寧に背景の説明や納得感を得るために日々奔走しています。

それでもまだまだ未熟なため、いっしょに悩んだり考えたりするメンバーをまだまだ募集しております。一人で成し遂げることができないことをチームの大きな力で解決できるよう、場の支援をこれからも続けていきたいです。そのためには今回紹介したように、新しいメンバーと出会いたいです。採用担当もしているので、どんどん声をかけていきます。そのときはよろしくお願いします。

現在募集中の求人