GMOペパボはインターネット企業のなかでも、長く働く人の多い会社です。
そこで長年働いている人に、なぜペパボでずっと働いているのか聞いてみることにしました。
今回取材したのは、SH事業部のコミュニティディレクター・ヤングさん。
仕事終わりに、ヤングさんの愛する大衆立呑酒場「富士屋本店」でお話を伺いました。
高橋 理(たかはしおさむ)
@osamyoung
あだ名:ヤング
1972年生まれ。『カラーミーショップ』のカスタマーサポートを経て、現在は『グーペ』のコミュニティディレクターを担当。最近ハマっていることは、とくになし。
どうしてペパボに入社したんですか?
ー ヤングさんの入社は何年ですか?
2008年の1月ですね。
ー もう10年経つんですね。入社されたとき社員数は、どれくらいでした?
150人くらいかなー。自分の社員番号が120番台なんだよね。
ー 今は400人近くいますよね。
ずいぶん増えたよね。
ー ヤングさんは前職でもカスタマーサポートをされていたんですか。
いや。あたくし、35歳でペパボに入ったんですけど、それまで社会人やったことなくて……。
ー へっ?! それまでは?
何もしてない。
ー 何も……。
ニートだね。
ー ニート……。
まあ、東京に実家があるのって、すごいよね!(笑)
親には迷惑かけたけど、働かなくても死なないし。
ー じゃあ、どうしてペパボに入ったんですか。
たまたまハローワークでみつけたんだよね。
ー ハローワークで募集してたんですか。
そう。「ペパボのことを全く知らない人を採用してみる実験」として募集していたらしい。それで当時業界では話題だった『ロリポップ!』さえ知らないあたくしが入社できたのよ。
ー それでいきなりネットショップ作成サービス『カラーミーショップ』のカスタマーサポート担当なんて、大変だったんじゃないですか。
うん。35歳で新卒入社みたいなもんだから、むちゃくちゃ大変だった。名刺の渡し方も分からなかったからね。でも「あのとき雇ってくれてありがとう!」と言いたい。今すごく楽しいし。
なんでペパボを辞めないんですか?
ー ヤングさんは、なんでペパボを辞めないんですか?
なんで? うーん。それは……渋谷に富士屋本店があるからかな。でもこの秋に、ここ(富士屋本店)がなくなるわけですよ、渋谷の再開発で。
ー 富士屋本店のおかげですか。
富士屋本店のない渋谷に、毎日通う意味なんてないよ……。
ー じゃあ、渋谷にある他の会社でも働き続けられる?
いやー。ペパボにこだわる理由はないと思ってるけど、辞めるのもエネルギーがいるからね。そのエネルギーを使ってまでペパボを辞めたいかと聞かれると、会社のみんなと一緒にいるのは、すごく楽しいし、辞めないよ。
ー みんなと一緒にいるのは、楽しいですか。
うん。僕、今までで一番楽しかった思い出って、みんなと行ったクリトリック・リスのワンマンライブでさ。3、4年前かな。まさか一緒に行く人はいないだろうな~と思って社内で声かけたら、7人くらい手を挙げてくれたのよ。ヒルティ、すっしー、まるさん、トビー、デミさん、しべちょう…(※全てあだ名)。みんなと一緒に行けるのが、あたくし…めちゃくちゃうれしくて。思わず「今までで一番楽しい!」ってみんなに言っちゃったんだよね。そしたらヒルティに「もっとおもしろいこと、今まであったでしょ!」って叱られた。(笑)
ー ああ、でもわかります。会社の人たちと仕事以外のことを共有できるのは、すごく楽しい。
そうそう。会社の人なのに、しょうもない話ができちゃうのよ。
ー 普通はどこかで線を引いちゃいますもんね。仕事とプライベート、みたいな。
最近も、富士屋飲み仲間がどんどんできてさ。せんちゃんとか、かぐやとか(※これもあだ名)。ニューカマーが増えた。やっぱり富士屋は最高だよ。
ー 富士屋も最高ですけど、最近入社した人ともすぐに仲良くなれるヤングさんも最高です。
「もっとおもしろくできる」ってなんだと思いますか?
ー 最後に、会社の企業理念である「もっとおもしろくできる」ってなんだと思いますか?
おもしろいってなんだろうね。意識したことない。
ふたりとも、もっとおもしろくできる世代じゃない? あたくし、違うし……。
ー もっとおもしろくできる世代? 我々が?
うん。家入さんとか知ってたでしょ? ペパボといえば、Twitterでバズる企画つくったり、変わった人がわんさかいる会社。そういうイメージをもって入社してるじゃない。
ー たしかに。そんなイメージあったかも。
昔と今じゃ環境も変わってきているから、昔と全く同じような「もっとおもしろく」にこだわらなくていいんじゃないかなと思うよ。そもそも「もっとおもしろく」を変えちゃうとか。
ー その発想はなかったな。もっとおもしろくするために、理念も変えちゃう。
ー 変える、といえば、9年『カラーミーショップ』のカスタマーサポートをされてきて、最近『グーペ』のコミュニティディレクターに異動されましたね。
うん。異動してみると「大変だけど楽しい!」って感覚が、割と近くにあるのに気づくよ。なんせあたくし、もう45歳だよ? 45歳で、セミナーやったりインタビューしたり、これまでと全く違う仕事やってる。それがまあ、おもしろいのよ。
ー 「大変だけど楽しい」ですか。
そうそう。ラクで楽しいときは、だいたい予想がつくからおもしろくないのよ。ほぼ問題なくゴールにたどりつけちゃう。でも無理やり追い込むと、ドキドキするじゃないですか。
ー たしかに。
働くことって海外旅行と同じで、全く違う文化に放り込まれたら、不便だし、ルールもわからないし、とにかく全てが上手くいかない。でもそういう環境だからこそ、謙虚になれる。何も知らないから、周りに教えを乞うしかないじゃない?
ー 自分が先輩の立場になるにつれ、教えてもらう機会も減っていきますもんね。
そうそう。人間、同じことをずっとやっているとさ、周りへの感謝を忘れちゃうの。だから、働くことをもっとおもしろくするために、自分から不便な環境に飛び込むっていうのも手だと思う。
ー なるほど。これも「もっとおもしろくできる」のひとつのかたちかもしれないです。今日はおもしろい話を、ありがとうございました。
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