ペパボのCS室は2020年4月発足以降、顧客体験のさらなる向上のためさまざまな施策を行っています。
CS(カスタマーサービス)職に興味のある方、現在他社でCS業務をされている方に「より深くペパボのCSについて知っていただきたい!」との思いから、
『ペパボCS大解剖』 と題して、CS室のパートナーによるコラム連載を開始します。
この連載を読んでくださった方に、ペパボのカスタマーサービスの業務やメンバーの様子が伝われば幸いです!
自己紹介
阿部 瑠里佳(あべ るりか)
あだな:べる
2017年新卒入社
CS室
最近頑張っていることは、週1は必ずホットヨガに通うこと。リモートワークで動かなくなってしまったので継続することを目標にしています。しかし、実践できているかは怪しい。
こんにちは、CS室所属の阿部と申します。
私は、QCチームで、ペパボが運営する複数のサービスの顧客対応の品質管理や、チームの体制づくりをしています。
今回は、そのQCチームの進化についてお話したいと思います。
ペパボのCS組織が大きく変わった話
少し前まで、ペパボCSのパートナーは各担当サービスの部署に所属し活動していましたが、CSのノウハウをサービスの垣根なく活用し広げていくために、CSパートナー全員が1つのチームとなった、CS室という組織へ変化しました。
(参考:「より良い顧客体験を実現するためのCS室とは。第10回マネージャーコラム」)
担当サービスごとにチームが分かれていた体制から、現在のCS室の体制へ移行し、CSとして1つの組織になったことで、さまざまな気付きを得ることができました。
そこで始めた、新たな活動やチームづくりについてお話します。
合体したCSチームを1つのチームにまとめていく話
CS室には役割ごとに3つのチームが存在しており、その中でも特に、顧客対応やその品質管理を主とする「QCチーム」は所属人数の多い大きなチームとなりました。
私はチーム発足と同時に、QCチームの活動をリードする役割を担うことになりました。
まずは、目標設定から着手しました。
品質改善が行われていることを示すため、しっかりと数値で目標管理できる体制を整える必要があります。
ここで、大きく2つの難関ポイントが現れました。
1つ目は、今までサービスごとにバラバラだったCSは、各サービス内での業務の取り組み方の違いやルールの違いなど、顧客対応や品質管理における背景がバラバラであったこと。
2つ目は、「数値で管理する」という活動がチームメンバーに浸透していなかったことです。
まず1つ目の、サービス間での背景の違いをまとめるために、現状を把握するところから始めました。
各サービス間での状況を確認してみると、品質管理活動にかなり差があることが分かりました。
できていない部分があるチームは良い状態のチームに近づけるよう、その差をできる限り埋めていかなければなりません。
これは、ノウハウ共有がしやすくなったCS室のメリットを活かすチャンスだと思いました。
そして2つ目は、数値をもとに、品質管理やチームの進捗管理を行うという活動自体に不慣れなパートナーが多いことが分かりました。
以前から、ロジックを組み立てて数値での管理をしていたパートナーもいましたが、
サービスをよく把握しているからこそわかる傾向や、問い合わせの印象で業務の改善活動を行っていることも多く、
業務の中で数値に触れてきた量に、パートナー間でかなりの差があるように感じました。
私自身、活動の成果を数値で表し目標を設定することが、とても難しく感じていたので、QCチーム全体で「数値」に対する抵抗感がなくなるのには時間がかかるなと思った記憶があります。
この2つのポイントを解決すべく、チームを1つにまとめ、機能させていく方法を検討してきました。
QCチームとしての意識浸透と仕組みづくりに尽力した一年
まずは、CS室、QCチームとしての活動の方向性の浸透と、CSのノウハウをしっかり横展開できるチームづくりのため、コミュニケーションがとれる機会を増やそうと考え、以下の2つを実践しました。
- 各サービスの責任者が集まる定例ミーティングの実施
- QCチーム所属の全パートナー向け共有会の実施
各サービスの責任者が集まる定例ミーティングの実施
各サービスの責任者とは、主に施策を検討したりチーム全体の管理を行うメンバーのことを指します。
責任者が、躊躇することなく意見交換や協力依頼ができるように、定期的なコミュニケーション機会として定例ミーティングを設けました。
この定例ミーティングによって、今までの活動差を埋めるための対策や、困っていることへの対処法など、多くのノウハウ共有が行われるようになりました。
QCチーム所属の全パートナー向け共有会の実施
また、四半期に一度、QCチームの全パートナーが集合する共有会を開催し、活動方針やチーム全体、各サービスからの活動報告、今後の目標を示し、脳内同期する機会を設けました。
ここでは、できる限り数値による報告を行い、自然と数値に触れられるよう工夫をしてきました。
共有会を継続してきた結果、開催後のアンケートでも「数値で成果を確認できることで達成感が出る」や「各サービスの状態を数値で比較できてよりやる気が出た」などのコメントを多くもらえるようになってきました。
また、直近で開催した共有会後に取ったアンケートでは、ミッション・ビジョンを把握しているという回答が、前回より32%増加するという変化が見られ、CS室、QCチームの意識の浸透につながっていることを実感しています。
QCチームの目標管理「OKRとKPI」
意識の浸透が進めば、あとは仕組みを作り、その仕組みを機能させていく活動になります。
CS室の結成と同時期に、目標設定のフレームワークである「OKR」の導入が行われたため、OKR・KPIそれぞれの目標を設定し、活動を可視化する仕組みを作ってきました。
OKRでは、対応品質やチームの状態に係る指標を各サービス共通で設定し、週ごとに成果を報告してもらう体制を作りました。
目標達成のために、毎週の報告を受け、進捗がないところや未達部分のフィードバックをするというサイクルを継続しています。
また、段階を踏んでOKRに設定する目標の内容も進化させていき、理想とする状態に近づけるよう取り組んできました。
KPIについても月に1回、進捗管理を行っています。
CS室では、Custemer Opsチーム(※)で、さまざまな数値を確認できるダッシュボードを作成しています。
このダッシュボードを用いて、全サービスのデータを横並びで確認し、フィードバックを行うようにしています。
(※)Custemer Opsチーム:データ基盤構築を目的としたチーム
QCチームとして活動し始め、OKRやKPIの目標を追うようになったことによって、徐々にサービス全体の底上げができていると感じています。
また、実際に、問い合わせ対応の顧客満足度に係る目標をおいて活動してきたことで、だんだんと満足度のばらつきがなくなってきました。
このように、QCチームでは数字に基づいた活動が行えるよう改善され続けています。
今後も、サービス責任者のみが数値を把握し、意識するのではなく、
チームメンバーひとりひとりが数値を意識して、自身の仕事が、チームまたは会社への貢献につながっていることを実感してもらえるような体制を作っていきたいです。
今後のQCチームについて
QCチームは、顧客体験をより良いものにするため、さまざまな活動を行っていきたいと考えています。
安定したサポートサービスの提供のみならず、サービスを利用するうえでなにかプラスアルファの価値を感じていただける、そんなCSでありたいと思っています。
それらを実現するためには、そういったサポートを提供するための仕組みをつくっていく必要があるし、仕組みを運用していくためには、業務の効率化を行い、時間を生み出さなければなりません。
既存の活動も見直し、テクノロジーによる自動化なども行いながら、ペパボCSの活動をサービス貢献につながるものにしていきたいと思います。
私自身、QCチームの体制づくりに取り組んできて、徐々にチームとして機能してきているのを見て、とてもやりがいを感じています。
うまく進まないことも多々ありましたが、たくさんのQCチームのパートナーの力を借りて乗り越えてきました。
今後のQCチームの未来を作っていくために、QCチームだけでなく、CS室の他チームのパートナーやサービスを作っているパートナーとも連携して改善していける、そんなCSになると良いなと思います。
さいごに
ペパボのCSの活動は、どんどん進化しています。
サービスを検討している方や既存のユーザーが、ペパボのサービスを選ぶまたは使い続ける理由のひとつとして「CS」を挙げていただけるような、そんなサポートを提供できるCS組織になることを目指しています。
そのために、もっともっとチームを進化させていく必要があります。
この記事を通して、一人でも多くの方に、ペパボCSの活動を知ってもらい、興味を持っていただけたら嬉しいです。
そして、私たちと一緒にペパボCSの未来を作っていきたいと思ってくださる方がいたら、なお嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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