2019年4月でスタートから5回目の春を迎える「SUZURI」。在庫を持たずオリジナル商品を販売できるサービスとして、さまざまな分野のクリエイターさんから支持を集め続けています。今回は、サービスの成長と共に、チームや仕事がどう変化したのか、SUZURI事業部の5人にお話を伺います。
・安宅 啓(あたか)@atakaP :
事業部長。マイブームはGW北海道旅行の計画を練ること。
・鈴木 翔太(すっしー)@sushi_shari:
マネージャー。マイブームはキングダム(漫画)。
・長峰 健太(ながみ):@pecolozy
ディレクター。マイブームはポケモンパンのシール集め。
・下重 博資(しもじゅー):@shimoju_
エンジニア。マイブームはスマブラ。
・川合 悠太(ゆうた):@yuta25
エンジニア。マイブームは森下仁丹。
※記事に掲載している数字は2019年2月末時点のものです
数字で振り返る5年間
ー いろいろ変化がありますが、まずは会員数から教えてください。
すっしー:2014年2万5000超だった会員数が、現在は25万超で、2014年から約10倍成長していることになります。
ー アイテムの種類もどんどん増えていますよね。
あたか:サービスが始まったときは5種類(Tシャツ、トートバッグ、スマホケース、マグカップ、ノート)、今は22種類(※)になりました。
※2019年4月5日現在、22種の他に2019SSの数量限定グッズ4種類が作成・購入可能
ー 過去、一番売れたアイテムは?
あたか:Tシャツです。2018年6月のセール(https://suzuri.jp/surisurikun/journals/2018-06-08 )のとき1週間で1万8千枚が売れました。
ー 新アイテム(※)は毎回どんな基準で選んでいるんですか?
ながみ:アイテムを選ぶときは、売れるか流行っているかの前に、ユーザーが「SUZURIのこれイケてない?」って思ってもらえるモノを基準にしています。それから、なるべく他のサービスでは作れないモノを優先的に集めます。
ー 例えば吸着ターポリンとアクリルブロックの特設ページにはカッコいいアイテムがずらりと並んでいますが、クリエイターさんのコーディネートはどうやっているんですか?
ながみ:人気クリエイターさんだけにアイテムをつくってもらうというよりも、SUZURIやSNS、Tumblrなどで活動している方を中心に「この人の作品がこのアイテムになったらうれしいな」という人をみつけて、毎回おねがいして制作してもらっているんです。
あとは個人的に行った展示会や展覧会で気になったクリエイターさんをTwitterでリストアップしているんですが、その中から、SUZURIでリリース予定のアイテムの相性がいいと感じる人へお声かけさせていただくこともあります。
※アイテム追加の裏側をもう少しのぞいてみたい人は、ながみのこちらのブログ記事を読むとわかります。
今年いちばん話したことば、アクリルブロックかもしれない。
あたか:イラストに限らずさまざまな表現の世界からクリエイターさんが集まっているのは、類似サービスにないSUZURIの個性につながっています。4月2日には5周年を迎えたことを記念して、2019年春夏アイテムプロジェクト「SUZURI X」を公開しました。
HANDSUM inc.さんなど外部のクリエイターさんにもご協力いただき、今までのSUZURIとは違った世界観になっています。この企画に合わせてアイテムの着画をシェアするキャンペーンも開催しているのですが、TwitterやInstagramでシェアされた作品が、どれもカッコよくて。見るのが楽しみなあまり1日に何度もエゴサーチをしています(笑)。今回に限らず、これからも外部のクリエイターさんたちと一緒に楽しいコンテンツを作っていきたいです。
成長のひみつは?
ー SUZURIはどうして大きくなったと思いますか。
すっしー:一番大きく寄与しているのは、Twitterですね。人気クリエイターさんがSUZURIでつくったアイテムをTwitterで告知してくれることで、その方のフォロワーへ、SUZURIがどんどん広まっていきました。SUZURIでは、アイテムを増やしたりキャンペーンを企画することで、クリエイターさんの発信を継続的に後押していったこと、あとはTwitterの運用をほぼ全てスリスリくんにおまかせすることで、クリエイターさんと常に近い距離でコミュニケーションできていることも大きいです。
あたか:過去に開催したキャンペーンでは、Twitterの国内トレンド最高2位まで盛り上がったこともありますし、ハッシュタグ「#SUZURIほしいもの会議」はキャンペーンではないんですけど、クリエイターさんたちが盛り上げてくれたおかげでTwitterのトレンド入りを果たしました。
ー たくさんの方に支持されていますが、現在のクリエイターさんの総数は?
すっしー:14万人超が活躍しています。
ー どんな方が増えましたか?
あたか:もともとはイラストレーターが多かったけど、最近はファッションデザイナーやYoutuber、高校生から企業まで…ジャンルも年齢層もどんどん広がっています。
例えば、SUZURIを使ってくれているKEIくん(@youth_loser_1997)は、Instagramでフォロワー数8万人以上の人気クリエイターさんですが「KEIくんのInstagramでアイテムを見てSUZURIを使い始めた」っていう人もいるくらい影響力があります。
ー Twitterに限らずさまざまなメディアが入り口になってきているんですね。成長の一方で、今課題に感じていること・改善していることも教えてください。
あたか:急成長にともなって、注文に製造が追いつかず、過去に何度か配送遅延を起こしてしまったことがありました。提携先の工場を増やすなど少しずつですがECサービスとしてあたりまえに早く届くように改善しているところです。
すっしー:僕は、売れる感動を味わったことのないクリエイターさんがたくさんいる現状を課題に感じています。街で自分のつくったものを身につけている人をみつけてテンションがあがる…そういう嬉しい体験を増やすために、SUZURI自身の集客力を強化しています。最近はSUZURI内で商品を検索しやすくしたり、iOSアプリをリニューアルしたり、Androidアプリの開発も始めたり…いくつか改善を進めています。
チームはどう変わった?
ー SUZURIチームの人数は?
あたか:スタート時の5人から、今は約30人になりました。 チームも大きく変化して、もともとEC事業部の中にある1つのチームだったのが2018年には「SUZURI事業部」に変わり、現在は事業部内に4つのチーム(アイテムチーム、グロースチーム、iOSチーム、リレーションチーム)がある状態です。
ー 組織が大きくなるにあたり、コミュニケーションの方法など何か変えましたか?
ゆーた:昔はオンライン上での議論にGithubを使っていたんですが、今はScrapbox(※)を使っています。キャンペーンの企画とか新アイテムの名前を決めるときとか…今までなら限定された人たちで議論されていたことも全てオープンになって、誰でも意見しやすくなったと思います。
しもじゅー:Githubだとコメントするとき、いちいちテキストの体裁をきちんと整えてからsubmitボタンを押さなくちゃいけなかったのが、scrapboxのUIだと、もっとカジュアルに発言できるようになっているので、意見するときの心的ハードルは、ぐっと下がりました。
すっしー:Scrapboxは雑談もしやすくて、たとえば「渋谷のおいしいごはん」とか「カレー」とか「バイト遍歴」とか…ゆるいテーマのもと、みんな自由に発言できるんです。結果として、人数が多くなってもチームのコミュニケーションがうまくまわっていますね。
※scrapboxを使ったコミュニケーションはゆーたさんの書いたこちらの記事を読むとより具体的にわかります
SUZURIのScrapbox遍歴_(yuta25)
SUZURIのこれから
ー これから一緒に働きたい人は?
ながみ:人柄とノリがいい人。
ゆーた:自分の意見を持ってる人。
あたか:チームワークを大切にする人。
すっしー:気持ちのいいあいさつができる人。
しもじゅー:クリエイティブな人。例えば、サービス上でのアイテムの表現をもっとおもしろくするために細かいところまでアクションを追求したり。クリエイターさんに負けないくらいアイデアの具現化と表現に貪欲な人と一緒に働きたいです。
ながみ:100点の回答だ……!
ー SUZURIチーム(事業部)の良いところは?
しもじゅー:いろいろなことに関わりたい人が多いです。僕もエンジニアだけど企画から関わりたいし「自分の仕事はここからここまで」みたいな人が少ないですね。
ながみ:SUZURIの仲間がまだ5人くらいだったときは、みんなでランチタイムに公園行ったり、ちょっとした「ゆるい時間」がありました。今は人数が増えたけど、工夫してそういう時間をつくっています。例えば、毎週金曜日Slackでランチ行きたい人を集めると、ランダムに数人ずつに振り分けられるようなしくみを、ゆーたさんが作ってくれました。そういうふうにカタチを変えてゆるい時間を共有できているところが、SUZURIチームの良いところじゃないでしょうか。
あたか:SUZURIには小さなアイデアもみんなで議論したり、サービスをもっとおもしろくできる可能性がたくさんあります。アイデアが実現したら、そこから得られる反響も大きいし、やりがいを感じられるのが良いところじゃないかと。
ー最後に、SUZURIの5年後の目標は?
あたか:僕がここ数年で一番衝撃を受けたサービスが『Pokémon GO』なんですけど、みんなが1つのサービスに夢中になっているところを目の当たりにして「いつかSUZURIが同じような存在になれたら…」と夢見ています。なので5年後にはSUZURIがクリエイターさんにとって、あたりまえに使うプラットフォームになれるよう、これからどんどん成長を加速させていきたいです。