100分の1の出会いを求めて、仲間づくりに奮闘!経営戦略部投資戦略グループのインタビュー

現在ペパボでは、新しい仲間をつくりペパボの成長を加速させるため、投資戦略の事業に積極的に取り組んでいます。今回はペパボの仲間づくりを担当する、経営戦略部の部長のなわさんにインタビューしました。


名和 俊輔(なわ しゅんすけ)
Facebook:Shunsuke Nawa
あだ名:なわっち
執行役員、経営戦略部長。趣味はカラオケ、おはこは「WAになって踊ろう」改め「NAWAになって踊ろう」。顔と声が大きい。

未経験だけれど、自分に合った仕事を任せてもらえた

ーペパボでは投資戦略のことを仲間づくり”と呼んでいますが、なぜですか。

なわ:“思いやりと優しさ・親しみと尊敬”をもって、M&Aという言葉は使わずに “ 仲間づくり”と呼んでいます。

名刺にも「仲間づくり担当」と入れていて、名刺交換した際にも皆さんからすごく興味を持ってもらえます。「飲み仲間を積極的に作っているんですか?」とか言われることもありますが。笑

ー投資戦略室が設立されたのはいつ頃ですか。

なわ:2018年7月です。

ーどんなきっかけで設立されたんですか。

なわ:開示資料には、”当期は事業譲受及び資本提携を積極的に展開しており、今後も戦略的な投資が事業拡大において重要であると判断しております。そのため、中長期における継続的な成長と事業戦略の迅速な展開を図るため、投資戦略に特化した「投資戦略室」を新設いたします。”って書いてありますね。

ちょっと固いですね。笑

ーそうですね。笑 もう少しわかりやすくお願いします。

なわ:ペパボは今までレンタルサーバー「ロリポップ!」を起点として、さまざまなサービスを提供して成長してきました。サービスの展開の仕方は2種類あって、1つ目は「ロリポップ!」と「ヘテムル」のように同じ市場でターゲットや価格帯を変える「シェア拡大型」です。

もう1つは、「ロリポップ!」と「ムームードメイン」のように、今あるサービスとのシナジーで新しい市場に進出する「シナジー創出型」です。

なわ:自社だけで新しいサービスを作っていくのは、スタートアップ企業が急成長している現状を踏まえると少しミスマッチなんですよね。だったらたくさんのユーザーを抱えるペパボがサービスの基盤となって、いろいろな会社と一緒に組む方がスピードがでますし、新たな価値を創出できたり、展開を広げていくことができます。

自分たちで内製して作っていくという時代から、いろんな会社と組んでいくことによって、自分たちのサービスをさらにもっとよくしていきたいねという流れがペパボの中でありました。

そのような中で、2018年には「Canvath」の事業譲渡「ニューワールド」との資本提携、といった案件が続き、本格的に組織を作ってやっていった方がいいなと考え「投資戦略室」(※)を作りました。

※現在は投資戦略グループに組織を変更

ーどんな経緯でなわさんが投資戦略を担当されることになったんですか。

なわ:2018年6月の幹部合宿の冒頭で、ケンタロさんから「仲間づくりは、なわくんに担当してもらいたい」と言われて、僕が担当することになりました。

今までは専任で担当している人はいなくて、バックオフィスのメンバーを中心に投資案件を進めていました。ただ組織を作ってほしいとはケンタロさんからは言われてはいませんでした。

けれど、2018年の上期に「Canvath」と「ニューワールド」のどちらの案件も決まり、実績も作れていたので、さらに、ペパボが仲間づくりに力を入れているということをきちんと社外にもアピールしたいと思ったんですよね。そこで、組織を作って、自分が投資戦略室の室長であるということを出したほうが、今後につながると考えました。

なわ:それで「組織を作ってこんなことをしていきたいです!」というのをまとめて、ケンタロさんにプレゼンしにいったら、「そういうテンションじゃなくって、なわくんが責任者として進めてほしいというメッセージだったんだけど…」と言われてしまって。笑

「そうっすよね、どうしましょう」って話をしていたら、ケンタロさんから「なわくんがやりたいんでしょ、そしたら作ればいいんじゃない」って言ってもらえて、投資戦略室という組織を新たに作りました。

ー仲間づくりを任された時はどんな気持ちでしたか。

なわ:どうだろう・・・。不安もあったけど、自分に向いてるかな!って思いました。人と話したり、いろいろな人たちとリレーションを作っていくのは結構好きなんです。あと、初めましての人と仲良くなるのも前向きに行動できていると思います。

今まで僕が担当してきた、バックオフィスの仕事は、経理は社内向けの要素が強くて、IRは社外向けの要素が強い仕事なんです。ただ投資戦略はIRよりも、もっと前に出る仕事だと感じています。例えばイベントの審査員をやったり、いろいろなところに行って、初めてお会いする人に話しかけたりするので、今まで経験はないけれど、自分に合った仕事を任せてもらえたなって思います。

一蓮托生する仲間探し、成功確率は100分の1

ー具体的に投資戦略室はどんな仕事をされているんですか。

なわ:ベースの仕事はリサーチです。

企業の見つけ方はいくつか種類があって、1つ目は経営陣からの紹介、2つ目は自分たちで探す、3つ目は仲介会社からの紹介です。件数でいうと、仲介会社からの紹介が1番多く、経営陣からの紹介が1番少ないのですが、成功率でいうと反対で経営陣からの紹介が1番高く、仲介会社からの紹介の方が成功率は低いです。

たくさんの案件の中で、それぞれの会社の事業内容や経営状況、役員構成、企業価値(バリュエーション)など、多角的な視点でどういう会社なのかを調べていきます。

そこで気になる会社があれば、お問い合わせをします。これが新規開拓の仕事です。

もう1つはすでに投資をしている会社があるので、その会社の支援やモニタリングをしています。具体的には、投資先の企業と月に1回の定例を実施したり、ファンドから決算の報告書が届くのでそれを見たりとか…、そもそも投資って一口にいってもいろいろなやり方があるんです!

ーそうなんですね。

なわ:そうなんです!よい機会なので、いろいろな話をしてもいいですか。

ーぜひ、お願いします!笑

なわ:まずはペパボが直接投資しているパターンと、間接的に投資しているパターンがあります。直接投資の中にも、「ニューワールド」のように少数株主として支援しているパターンや、「クリエイターズネットワーク」のようにグループの仲間として一緒にやっているパターンがあります。

間接投資は、ファンド経由で支援をしています。ファンドはいろいろな会社からお金を集めて、そのまとまったお金をさまざまな企業に投資し、資金支援を行っています。なので、ファンド経由でいろいろな企業に支援をしているということもあり、当該ファンドを通じて支援先の企業ともリレーションを作るためにコンタクトを取ったりしています。

ーちなみに今投資の割合は直接投資と間接投資、どちらが多いんですか。

なわ:今は間接投資でファンドに投資している割合の方が多いです。自分たちでやるよりも、ファンド経由の方が、いろいろな会社と組むことができます。あと優秀な方たちが運営しているのでいい会社を選んで投資してくれることが多いです。

ー直接投資をする企業が決まる確率は具体的にどのくらいなのでしょうか。

なわ:投資戦略室ができてから今までで、リサーチした企業は200社弱。それで決まった企業が2社。約100分の1の確率なので、僕たちが一生懸命調べても身にならないものがほとんどです。笑

ー仲間になるかもしれない会社を探すうえで大事にしている基準はありますか。

なわ:まず僕たちがやりたい「表現活動を支援したい」というところとマッチしているかどうかというペパボの事業との親和性です。

あと経営者の方とお会いするときに僕が大事にしているポイントはいくつかあります。

その中で1番大切にしているものは、経営者の方のバックグラウンドと今やっていることの親和性です。それが一貫していないと、うまくいかないことが多いかなと思います。

ー採用面接で大事にしている点と似ていますね。

なわ:そうだと思います。一蓮托生ですからね、仲間になるっていうことは。あと採用も投資戦略もどっちも仲間をつくる仕事ですからね。

仲間を増やす仕事だからこそ、“いいやつ”と一緒に働きたい

ーこれからどんな組織にしていきたいですか。

なわ:将来的には、コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)を作りたいなと思っています。今はペパボの中でやっていますが、別の会社を立ち上げて投資を専門にやる会社を作れたらいいなと思います。

その中でもっとペパボの業績に貢献できるようになっていきたいし、やはり大きな会社はCVCを持っている企業が多いので、それぐらい大きな会社にペパボもしていきたいです。

ーでは最後にそんな大きな目標を達成するためにどんな仲間と一緒に働きたいですか。

なわ:なによりも”いいやつ”ですね。だって仲間を増やす人ですからね。いいやつじゃなきゃ仲間も増えないですよね。

ー前回の星さんのインタビューで「友達になれそうな人」とおっしゃっていたのに似てますね。

なわ:あ!でもそうですね。仲間づくりですからね。仲間をつくるのに、友達になれないなって思う人とは絶対に無理じゃないですか。

けれど、こうやって言うとほっしゃんに喚起されたって思われそうで嫌だなあ。笑

でもね、そうなんですよね。僕たちがやっていることは仲間づくりだから。輪をひろげていくのに、僕たちが友達になれなかったら、ほかの会社の人と絶対仲間になれないから、そういう人と一緒に働きたいです。