SRE組織を共に作る仲間を大募集!キャリアやペパボの強みについて、マネージャーに聞いてみた

現在ペパボでは、ソフトウェアエンジニア(Site Reliability)の採用に力を入れています。今回は技術部プラットフォームグループでマネージャーを務めるトラさんに、SREの組織とキャリアパスについてインタビューをしてみました。

自己紹介

清水 亮(しみず りょう)
あだ名:トラ
Twitter:@ginbear
技術部プラットフォームグループマネージャー。10年以上ロッククライミングを趣味にしていて、最近ようやく登山も始めた。

SIerからの転職。7年たった今でも勉強する事が次々に生まれ成長できる

ーまずは簡単に自己紹介をおねがいします。

トラ:
技術部プラットフォームグループという部署でマネージャーをしている清水です。社内ではトラというあだ名で活動しています。よろしくお願いします!

ーあだ名の「トラ」の由来は何なのですか。

トラ:
このあだ名は映画「男はつらいよ」のフーテンの寅から来ていて、学生時代に呼ばれていたものです。

ペパボでは、仲間のことをあだ名で呼び合う文化があったので、僕は「トラ」を選びましたが、まさか社会人になってこの名前が戻ってくるとは思いませんでした。

入社後、仲間から「トラ」とか「トラさん」とあだ名で呼ばれると、本当にペパボに入社したんだなと思えました。

ちなみにあだ名の理由については、入社後の1on1でお話しします!笑

ートラさんがペパボに入社されたのは、いつ頃だったのでしょうか。

トラ:
2013年10月です。

ー入社時はマネージャーではなく、「インフラエンジニア」の職種でしたよね。この時の業務内容を教えてください。

トラ:
EC事業部のインフラチームで、オンプレミスサーバーを中心としたインフラの構築・運用・保守を担当していました。

担当していたサービスは、ネットショップ作成サービスである「カラーミーショップ」や、今はクローズしてしまいましたがオンラインショッピングモールの「カラメル」です。

今でこそVM(Virtual Machine)やコンテナでインフラを管理していますが、当時からカラーミーショップのインフラはIaC(Infrastructure as Code)が意識されていて、一歩技術が進んでいる印象がありました。

ーちなみに、前職ではどのような仕事をされていたのですか。

トラ:
前職は現場出向をメインとした SIerでした。複数の現場を経験する中で、インフラエンジニアという仕事に出会い、その面白さからもっとインフラエンジニアとして経験や実績を積んで成長したいという気持ちで入社しました。

ーSIerからの転職、なにか苦労されたことなどありますか。

トラ:
入社直後は新たに覚える技術が多くて、何がわからないかわからない状態だったのが記憶に残っています。当時はインフラエンジニアとしての経験も浅く、また自社サービスの運用にはインフラの知識だけでなく、様々な知識が必要だったため、「その分野を広く浅く自己学習すること」と「チームメンバーに聞いて理解や方向性があっているか」のサイクルを必死に回していました。

自社運用となるとCDN、DNS、DB、Mail、FTP、LDAPなど、基本は知っているが実際に多くのユーザで使われる環境で運用したことはなかったので、ソフトウェア自体の使い方やパラメータの理解を厚くする必要があったのです。

想像以上に大変でしたがインフラエンジニアとして経験や実績を積んで成長したいという希望が叶いました(笑)。幸運な事に、7年たった今でも勉強する事が次々に生まれていて、成長機会に恵まれています!

もう一つ、技術以外にも印象に残ったこととして、チームで仕事をすることが挙げられます。ペパボはチームでバリューをだす事に工夫や挑戦を繰り返していて、一緒に楽しむことができました。これも成長機会の一つであったとふりかえります。

「マネージメントとは能力ではなく役割」という言葉で新しいキャリアを築けた

ー自己学習に励んで成長できた実感もあったと思うのですが、エンジニア職から、マネジメント職に移るきっかけはあったのですか。

トラ:
入社から1年後、当時のチームリーダーからバトンタッチする形でリーダーを任されたところから始まります。(※)正直リーダーを含めマネジメントの道は考えていなかったのですが、話をもらって何事もやってみようという気持ちで快諾しました。少なくとも、この業界で成長していく上でプラスに働くことはあってもマイナスの経験にはならないと思いました。

2年後、リーダーとしての働きをさらにエンハンスする形でサブマネージャーを担いました。そして、次のステップとしてマネージャーを選択するかどうかは、キャリアプランを考える上で大きな分かれ道となりました。

サブマネージャーは現在の評価制度だとマネジメントラインになるのですが、当時はまだ現場エンジニアとしての実務も多くありました。マネージャーは管理職という役割が大きく異なるため悩みましたが、このギャップについては、当時のマネージャーと毎週1on1(面談)を行って少しずつ埋めることができ、意思を固める事ができました。

(※)現在リーダー職は廃止しています。

トラ:
また、決め手の一つに社長のケンタロさんがブログに書かれていた「マネージメントとは能力ではなく役割なんだ」というメッセージでした。マネージャーとしてやっていけるかという不安はもちろん、上長という立場に違和感があったのですが、役割として全力でやっていくという気持ちにフォーカスすることができました。心理面で大変助けになりました。ケンタロさん、ありがとうございます!

結果として、マネージャーというポジションまで経験できていることは運が良かった面も多く、周囲の助けや成長支援のおかげで今の自分がいると思って、感謝しかありません。

SREへの体制移行。チームメンバーと読書会やディスカッションを重ね、取り組みを増やしていく

ー2018年頃から、インフラエンジニアという業務から、SRE(Site Reliability Engineer)として体制の移行もされてきました。これもなにかきっかけなどがあったのですか。

トラ:
ペパボのインフラがオンプレミスからプライベートクラウドを利用したVM、そしてコンテナへと進化していく中、インフラエンジニアの働き方・あり方も合わせて進化していく必要がありました。つまり、技術面と組織面の両輪で、自分たちの働き方を適応していく必要があったのです。その中で当時考え方が広まってきたSREが適していると考え、取り入れてきました。

SREを導入するプロセスにおいてインフラの提供が手段(How)となり、SREをとり入れることでより目的(Why)にフォーカスできるようになったのが大きいと考えています。もちろんインフラを担っている時からサービスを支えていく意識や目標はありましたが、SREという考え方をとり入れてそれが明確になり、かつプラクティスも充実している今、導入しない道はありません。

ーなるほど、移行にあたりなにか課題はありましたか。

トラ:
まずSREとはどういったものかを自分たちが理解する必要がありました。

当時SREを知るのに代表的な本であった、O’Reillyから出版されている「SREサイトリライアビリティエンジニアリング」を用いてチームメンバーと読書会を開き、その中でディスカッションを重ねSREとしての取り組みを増やしていきました。この本は、考え方からケーススタディ、具体的なプラクティスまで多分に紹介されており、参考になっています。

今年に入ってワークブック版も出版されており、より実践的な内容も紹介されており、こちらも読書会を開いています。

今も自分たちが完全に体制移行をした!とは思っておらず、継続してSREに求められるスキルセットへの適応を進めています。

ーペパボSREならではの強みや、ペパボだから経験できることなどはありますか。

トラ:
自社で運用するデータセンターがあり、更にパブリッククラウドも活用しています。このように事業に適した手段を取捨選択できる事はペパボの強みのひとつと考えます。全てを自作前提にするでもなく、事業成果の最大化のためには枠を設けず、提案・検討できる風土があります。

また、プライベートクラウドについては、予算を見始めてから、コストパフォーマンスの大きさを実感しています。このコストパフォーマンスは結果としてサービスの成長にも繋がっていますので、まさに自分たちの技術の強みを事業成果につなげることができている要素の一つであり、取り組みがいがあります。

ほかにも、チームとして成果を出すために、リーダーシップやフォロワーシップを評価していく評価制度もあります。組織力を上げていくという風土はSREにも通じるところがあり、ペパボの文化の一つである「みんなと仲良くすること」にもマッチしているなと感じることが多くあります。

2019年12月にハイブリッドクラウドの第一歩としてAWS Direct Connectをリリースした際にチームメンバーと

ーペパボの評価制度について、SREはどのように評価されるのでしょうか

トラ:
評価というと何か新たな取り組みや成果物に目が行きますが、信頼性を高める働きを意識してロジカルに実績に結び付けられる事でSREとしての働きを評価に反映させることができると思います。例えば、複雑なシステムをよりシンプルにすること、インシデント発生時の対応やポストモーテム(事後分析)を経てより効果的なアクションアイテムを施し再発防止に勤めること、サービスとコミュニケーションをとり適切なSLO(サービスレベル目標)/SLI(サービスレベル指標)を設定して運用すること、ここでは可観測性の向上も重要になってきます。

ロリポップではSREとしての取り組みが成功事例として紹介されています。

SREを学んでいきたい方・既に経験を持っている方の両方が、力を発揮できる土台がある

ー現状の課題などはありますか。

トラ:
ペパボの中でもSRE活動が広まってきておりますが、まだこれからというサービスや分野も多くあるのも事実です。SREの考え方や価値をゼロから企業に取り入れる事を考えるとその労力は相当なものになると思いますが、そのフェーズは一旦終えて実践フェーズに入っているのが現状と言えます。今までご説明した通り技術部プラットフォームグループは SREを通じてサービスの価値を最大化していく部署ですので、周囲の理解や助けもあります。

そのため、これからSREを学んでいきたい方から、既に経験を持っている方も存分にその力を発揮できる土台があると言えるでしょう。まさにこれからが一番面白いところかもしれません。

ペパボではより上位等級に上がるほどチームや部署を超えた課題解決が求められます。SREはまだできている部分も限られているため、未解決な課題領域も多く、成果をだすチャンスがたくさんあると考えます。

ー最後に組織のPRとこんな方にきて欲しい、というメッセージがあれば教えてください

トラ:
巣篭もり需要により伸びているEC業界のプラットフォームにおいて、アーキテクチャ・オペレーションの面で活躍できるポジションです。関連する技術分野も多く学び要素も多いです。サービスの成長に伴い提供できる価値も増えていく事でしょう。

ペパボのSREとはこういうものだ!というのを共に作っていく仲間を募集しています。わいわいやっていきましょう!

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