レガシーを尊重しつつ新しい価値を作る、エンジニアたちの働き方とは?
~ホスティング事業部 職種別座談会・エンジニア編~

今年でリリースから20年を迎える「ロリポップ!レンタルサーバー」(以下、ロリポップ)。
ご利用実績200万サイト以上。長年多くの方にご愛顧いただき「老舗」と呼ばれるサービスへと成長してきたサービスを運営する弊社『ホスティング事業部』では、「進化するレンタルサーバー」を提供するため、日夜サービスの改善に励んでいます。

そこで、今回から全3回にわたってホスティング事業部のパートナーによる職種別座談会の様子をお送りいたします。

第1回はエンジニア編として3人の若手のパートナーによるペパボのホスティングの「今とこれから」について語っていただきました。

自己紹介

中村 光佑(なかむら こうすけ)
あだ名:なかむー
Twitter:@litencatt
ホスティング事業部 ホスティンググループ CXチームエンジニア。
趣味は動画・漫画・ゲームなど各種エンタメを消化すること

森田 亘(もりたわたる)
あだ名:たすくん
Twitter:tascript
ホスティング事業部 ホスティンググループ 顧客獲得チームエンジニア
趣味は米を食べること

田中 諒介(たなか りょうすけ)
あだ名:りょっぴ
Twitter:ry_023
ホスティング事業部 ホスティンググループ SREチームエンジニア
趣味はゲーム(PS5当たったのでスパイダーマンやってます)、MARVEL映画

- 簡単に自己紹介をお願いします。

なかむー:
ホスティング事業部CX(顧客体験)チーム所属のWebアプリケーションエンジニアです。
主に「ロリポップ」、「ヘテムル」、「ムームードメイン」のバックエンドやインフラの部分を見ていて、開発や運用のエンジニアとして働いています。

具体的に「ロリポップ」では、申し込みサイトやユーザー専用ページの機能の開発、インフラ側では、新しいサーバーを移設したり、そのサーバーに対して改善を加えていったりと幅広く担当しています。

たすくん:
ホスティング事業部 顧客獲得チーム(Service Salability)のフロントエンドエンジニアです。
メインで最近やってる業務は、新規ウェブメーラーのリプレイスです。2019年1月入社で、当時は「ロリポップ!マネージドクラウド」のチームに所属していましたが、去年の中ごろから顧客獲得チームにジョインしました。

Webアプリケーションの開発を担当していて、専門的にはフロントエンド領域における改善や新規開発に携わっています。

りょっぴ:
ホスティング事業部SRE(SiteReliabilityEngineer)チームのインフラエンジニアです。
今年からSREチームに配属になったのですが、去年の夏ごろまでたすくんさんと同じマネージドクラウドチームに所属していました。
それもあって今は主に「ロリポップ!マネージドクラウド」のサービス分野におけるSRE活動をしています。

インフラレイヤー、ミドルウェアレイヤー、どちらも対応します。最近では、SLI/SLAを測るためのメトリックの計測基盤や画面の整備や、マネージドクラウドのサービス運用、改善等の業務をおこなっています。

- みなさんひとつのサービスを担当するというよりは、ホスティング事業部全体を見るようなお仕事をされていらっしゃるのですね。
 ホスティング事業部での業務のやりがいはどのようなところにありますか。

なかむー:
僕はペパボに入る前は別の業界、発電所のシステム開発をやってたんで、全然業界が違ったんです。
インターネットが大好きで中学生くらいからずっと触っていたのですが、仕組みを知るようなことは全然やっていなくて、インターネットと関わりのない技術で仕事をしていました。

Web業界で働きたい、という気持ちが強くなった時にタイミングよく「ペパボカレッジ(未経験者向け研修付き採用)※」という取り組みがオープンして、その1期生として業界未経験で入社しました。

※注釈:気になる方向けのFAQページもあわせてご覧ください!

ホスティング事業部ではドメインとかレンタルサーバーとか……あとはメールとか、インターネット上で使われている技術や仕組みを提供してるので、そういった分野にすごく詳しくなりました!
ここが一番ホスティングサービスのエンジニアをやってて良かったなと思っているところです。

たすくん:
私も転職組で前職でもWebアプリケーションエンジニアでした。

ホスティングの資産はインフラだと思うんですけど、ペパボの採用募集ページにフロントエンドエンジニアの募集があって「ホスティングサービスでフロントエンドって何するんだろうな?」と気になったことがきっかけで入社しました(笑)
入社時にジョインしたサービスが「ロリポップ!マネージドクラウド」というリリースされてまだ日の浅いサービスで、改善の余地がたくさんあるフェーズのプロダクトでした。

改善の余地というのは、ホスティングサービスだからこそ抱える課題だったりしますが、ホスティングサービスを提供している会社自体が国内では少ないので、他社だったらこのような課題に直面することが少ないと思うんですね。

「ユーザーにできるだけ簡単にインフラの設定ができる環境を提供したい」、「ユーザーにはインフラをできる限り意識せず、プロダクトの開発に注力してもらいたい」などの課題が例として挙げられます。

このような課題に対して、フロントエンドであれば「どのようなユーザーにどのようなインターフェースでこのインフラを届けようか」といった課題を技術的な視点をもって考えることが結構特殊だと思っていて、そういった環境で仕事ができるのはすごくおもしろいなと思います。

結果的にそのような課題が解決した時はすごく達成感があるし、私はそこにホスティングサービスに携わることのやりがいを感じます。

りょっぴ:
僕は2016年に新卒として入社しました。

インフラサイドのエンジニアは、同じ会社で商材として扱っているアプリケーションを載せる基盤となるインフラを整備するというような仕事が多いと思うのですが、ホスティングのエンジニアは、インフラそのものを商材としてユーザーに提供するので、自分のやってる仕事を直接ユーザーに提供できるという点でやりがいがあると思っています。

ユーザーがどのようなアプリケーションを動かすか前もって知らされるわけでもないので、私たちが考えてなかったような使い方をされるユーザーもいらっしゃいます。そのような場合でもできるだけ正しく動作させる必要があるので、チャレンジングな課題が多いところがおもしろいですね。

たとえば、サーバー全体で負荷が発生した場合、インフラに載っているのが同じ社内のECサービスのアプリケーションであれば、ECのアプリケーションのエンジニアに連絡して「アプリケーションのこの処理がインフラへの負荷になっているようなので、変更することはできますか?」という風にお願いができる場合もあると思います。

ところが、ホスティングの場合、インフラに載っているのはユーザーのアプリケーションなので、ユーザーのアプリケーションをこちらで書き換えることもできないし、ユーザーに直接「このような処理をしないでください」とお願いするのも難しいです。

なので、インフラの上でどのような処理をされてもできるだけうまく動くような、汎用的な仕組みを考えていく必要があります。もちろん、サービスの仕様として「このような処理はできません」と言ってしまえば、ある程度制限を課すこともできるとは思うのですけど、できるだけアプリケーションに制限をせずにインフラ側で解決できた方がユーザーにとっては良いですよね。そういった取り組みができることにやりがいを感じています。

「ナイストライ」で励まし合う文化

- 働く上で気をつけていることや大切にしていることはありますか。

たすくん:
ペパボの行動指針である「わたしたちが大切にしている3つのこと」のひとつでもある「みんなと仲良くする」ということを大切にしています。

たすくん:
ホスティング事業部におけるフロントエンドの領域はステークホルダーが多いなと感じます。

例えば、ディレクターが考えた施策に対して発生しうる課題があったとして「それが技術的に解決できそうか」をエンジニアが判断してパートナーに説明したり、ユーザーからの技術的なお問い合わせに対し、エンジニアが解決した上でユーザーへの返答内容を考えるなど、エンジニアが社内外の技術的なパイプ役になるシーンが多いです。

社内外問わず、「みんなと仲良くする」ことで、我々が実現したいこととユーザーが実現したいことの両方をエンジニア起点で実現できると思っているため、「みんなと仲良くすること」を大切にしています。

りょっぴ:
常に「コードで解決できることはコードで解決しよう」という風に考え、「人間が気をつける」というのを、解決策にしないよう心がけています。

 たとえば、毎回エンジニアがデータベースに直接ログインして手動でSQLを書いてクエリ発行するような運用が続いているのであれば、それは自動化した方が良いですよね。GitHub Enterpriseでクエリをレビューし、マージされたら自動でクエリ発行されるようにするなどの対応を行います。

人間はどこかで必ずミスする生き物なので、コンピュータにやらせる仕組みを作った方がミスも減るし、人間も手が空いてもっと別の有意義なことをやる時間が増えると思うんです。

この考え方は僕個人だけではなく、全社的にあるように感じています。僕が新卒で配属された当時は、よく細かいミスを連発してしまっていて、ミスするたびに「なんで俺はダメなんだ」と思っていたこともありました。ですが、社内に僕自身を責めるみたいな方はいなくて、ここの仕組みをこうすればもっと自動化してミスを減らせる、みたいな解決志向で話してくださるエンジニアが多かったんです。

そのような体験を経て、僕も人間がオペレーションをしないといけないようなところをできるだけ減らして、コンピューターにやらせることを心がけるようになりました。

- 確かにペパボはミスを責めるというよりは、より良くするためにどうしたらいいかを考えていくことが文化として根付いていますよね。

りょっぴ:
僕のすごく好きな言葉で「ナイストライ」って言葉があるんですけど。なにかミスしてしまった時もここはダメだった、と否定的な言葉ではなくて、「ナイストライ」って挑戦したことを称えてくれることで救われてるところもありますね。

Slackでの様子

活発な議論の中でホスティング事業部の「将来」を考えていきたい

- ホスティング事業部に合う方、こんな方と一緒に働きたい、という人物像などはありますか。

りょっぴ:
スキル的な話でいうと、Linuxの知識、ネットワークの知識、プログラミングのスキルなど何でも幅広く取り組める方が良いと思います。また、最近ではkubernetesのクラスターを組んで、ホスティングの基盤の一部をコンテナ化して載せ替えるなどの活動が増えてきていて、クラウドネイティブな取り組みが徐々に増えてきているので、そういったところに興味を持たれている方にもジョインしていただきたいですね。

仕事の進め方だと活発な議論が出来る方がいいですね。
ペパボはかなり議論が活発だと思っていて、こちらが意見を出すと、あえて違う視点で言ってくれるエンジニアもいて学びになることもあるので、アイデアを一緒にブラッシュアップしていける方がいると嬉しいです。

たすくん:
りょっぴさんのおっしゃる通り、ペパボでは議論が活発だと思います。

たとえば、とある技術を使ってみよう、となった時に、必ずその技術を使用すべき理由をエンジニア間で持ち寄ります。とりあえずでやってみるんじゃなくて、どのような利点があるとか、逆にこういうデメリットもあるとか、そういった議論をエンジニア間で自発的かつ活発に実施していくので、周囲が納得した上で意思決定がしやすいと思います。これは、ペパボのすごく良いところだと思っています。

なので、議論をするのが好きな人はもちろんですが、知見に基づいて、将来的なリスクや課題を見つられる人、技術的な視点でホスティング事業部の「将来」を考えることが出来る人と一緒に働けたらもっとおもしろくなるかなと思います。

なかむー:
ペパボのホスティングサービスはどれもだいたい10年以上の歴史があるんですよね。そういったレガシーと呼ばれているものを今後新しくしていくようなプロジェクトがもし始まったときに、既存の仕様を把握したり、新しい仕組みに置き換えていくような動きを積極的に発揮してくれる人が一緒にメンバーにいるとすごく頼もしいと自分は思っています。

- 今後ホスティング事業部の中でどんなエンジニアになっていきたいと考えていますか?

りょっぴ:
影響力を広げていけるようなエンジニアになっていきたいです。

これまではサービスの課題を解決してきてはいるんですけど、これから先、サービスのことだけではなく、より汎用的でより広範囲でより長期的な、もっと遠く、広くみていくことが必要なのかなと思ってきています。なのでサービスの課題だけではなく、もっと業界のトレンド、たとえば業界的でどういう課題があって、社内的にはどういう課題があってみたいなことを広い視点をもって解決できるエンジニアになっていけたらいいなと思っています。

たすくん:
フロントエンドエンジニアとして「ホスティング事業部におけるフロントエンドの文化の熟成」を通じて、技術的な文化を形成できるエンジニアになっていきたいと思っています。

ホスティング事業部におけるフロントエンド領域はどんどんモダンなものになっていますが、同時にホスティング事業部ならではのフロントエンドの文化を形成することで「ペパボらしさ」、「ホスティングサービスらしさ」をもっと多くのユーザーに届けられるのではないかと思っています。

なかむー:
事業部全体の課題を解決していけるようなエンジニアになりたいです。中でも、サービスの運用や開発をしているエンジニアたちが開発スピードをあげていかに楽に運用できるか、にフォーカスしています。エンジニアがもっとバリューを出せる、生産性が上がるようなことをやれる、そのサポートができるようなエンジニアを目指しています。

レガシーを尊重しつつ新しい価値を作る

- ズバリ、今のホスティング事業のエンジニアを一言で表すと?

たすくん:
「課題解決のプロ集団」だと思います。
エンジニアたちみんな課題解決のプロなんですけど、特にプロ意識が高いかなと思います。課題解決のスピード、技術的な知見についてレベルの高いエンジニアが揃っているので、「課題解決のプロ集団」だなと思っています。

りょっぴ:
「守りながら攻めてる集団」だと思います。
「ロリポップ」は、僕が小学生の時からずっとある、歴史の長いサービスなんですけど、その運用を続けていくだけではなく、そこであった古い資産を新しくしていて、挑戦しつづけているようなイメージがあるような気がしているんですよね。

競合が何か新しい手を打ってきたら必ず対策を考えますし、なにかおもしろい技術があったらすぐ取り入れてみようといったフットワークが軽いところもあるので、決して今あるサービスを守っているだけではない、アグレッシブな部分もあるところがおもしろいと思っています。

なかむー:
僕は一言で表せられなかったのですが……(笑)

これまで20年続いているサービスにあるレガシーな部分と新しい部分を繋いでいる「架け橋」のような存在なんじゃないかなと考えています。今はちょうどどっちも体験できるというか。貴重な時期だと思っています。

- 今が一番美味しい時期、ということですね。
 みなさんのホスティング事業部への思いが伝わってきました。貴重なお話ありがとうございました!

レガシーなサービスを時代やユーザーのニーズにあわせて改善し、進化させているホスティング事業部。次回は「ホスティング事業部 職種別座談会~デザイナ編~」をお送りします。

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