キーワードは「ユーザー視点」。
老舗サービスのデザイナーが目指す方向性とは? ~ホスティング事業部 職種別座談会・デザイナー編~

ロリポップ!レンタルサーバー(以下ロリポップ)、ムームードメインなど、長年多くのユーザーと共に歩み、レガシーと呼ばれるサービスを進化させ続けてきた「ホスティング事業部」。

前回エンジニア編より全3回でお送りしている、ホスティング事業部のパートナーによる職種別座談会での連載、第2回は「デザイナー編」です。

※弊社デザイナーの仕事内容等については「デザイナー向け会社紹介資料」でも詳しくご紹介しておりますのでご覧ください!

自己紹介

福島亮(ふくしま りょう)
あだな:ふっくぅ
Twitter: @ryo_f_0828
ホスティング事業部 ACチーム デザイナー
趣味は絵を描くこと、インテリア、観葉植物集め

新屋 鞠子(あらや まりこ)
あだな:あらやん
Twitter:@mrkmrk_
ホスティング事業部 ACチーム デザイナー
趣味は宝塚(宙組)、猫を吸うこと

渕上 春奈(ふちがみ はるな)
あだな:はあちゃん
Twitter: @har_439
ホスティング事業部 ACチーム デザイナー
趣味は食器を集めること、雑貨屋めぐり

川本 圭太(かわもと けいた)
あだな:かわもと
Twitter: @keita_kawamoto
ホスティング事業部 ACチーム デザイナー
趣味は、映画(Marvel Studios)、ゲーム(ACE COMBAT / Fallout)、将棋

- みなさんの今の業務について教えていただけますか。

かわもと:
僕はリサーチ専門のデザイナーで、新しいプロジェクトにおけるユーザーリサーチや成果物のユーザビリティ評価、現在公開中のサービスを利用するユーザーがどのような方々でどんな目的で利用されているのかなどを明らかにするため調査・分析を行っています。

リサーチ以外にも、より使いやすくわかりやすくするためにサービス内のユーザビリティの改良もしています。

あらやん:
より多くの方にサービスを使ってもらえるよう、サービス改善を行なっています。

デザイナーでざっくりと担当サービスを分けていて、私は主にムームドメインを担当しています。

ドメインを取得していただく方を増やすためのキャンペーンの設計や、こまかなサービス改善はもちろん、ムームードメインを入口にペパボのホスティングサービスに契約してもらえるような取り組みも行っています。

はあちゃん:
現在は主に「教えて!レンタルサーバーのこと」というオウンドメディアのデザインを担当しています。

チーム内で記事を書いてもらう機会が増えてきたので、執筆から公開までのフロー調整や記事のレビューなど、パートナーのサポートもしています。

その他には、サービスページの改善やキャンペーン対応、新卒入社のパートナーのオンボーディングなどにも携わっています。

ふっくー:
最近担当した業務は、ヘテムルを新規でご利用いただく際、オプションも同時に申し込みが出来る機能の開発です。

これはユーザーの利便性向上と、各オプション機能提案の導線を強化することが目的で、ディレクター、エンジニア、CSといろんな職種の方たちと共同で開発をしました。

具体的にはどんな仕様にするかを検討するところから作業箇所の洗い出しを行ない、ワイヤー作成、デザインを複数考えてチームメンバーと合意形成しつつ、コーディング・テストをしてリリース、という一通りの工程を行いました。

他にも、会社全体のデザインを管理するデザイン部としての業務も行っていました。

経験や等級を問わず挑戦できる環境

- ホスティング事業部での業務のやりがいはどのようなところにありますか。

かわもと:
基本的にウェブデザイナーはどういう業種であっても「ユーザーとサービスを繋ぐ」という構図が同じなので、そういうところでいうと「ホスティングだから」っていうところは絶対あるというわけではないです。ただ、ホスティングは基盤でインフラ系なので、老若男女問わず幅広いユーザーと向き合うことになるというのは特徴のひとつですね。

あと、単純に僕がウェブサイトが大好きでドメインも大好きなので、そこに関われてるっていうのが非常に嬉しいことです。

あらやん:
私はグラフィックデザインとコミュニケーションデザインをメインのスキルとして持っているのですが、ホスティング事業部の商材はサーバーやドメインになるので、モノで表すのがなかなか難しいんですよね。

抽象的な概念をグラフィックに落として、キャンペーンやLP(ランディングページ)で訴求するっていうのは一筋縄ではいかないので、そういった力がつきやすいのかなと思います。

あとは、ホスティング事業部のサービスはペパボの中でも古い老舗サービスが多いので、大規模なリニューアル(2017年「ロリポップ!のサイトをリニューアルしました!」)などに関わりやすいのもホスティング事業部のデザイナーで良かったと思うところのひとつです。

レンタルサーバー「ロリポップ!」がリブランディング 「すぐに使える、ずっと使える」ホスティングサービスへ より

はあちゃん:
未経験のことでも、積極的にチャレンジできるところです。

経験や等級に関わらず、「こういう改善をやってみたい」「こうするともっとサービスが良くなるかも」、という声に耳を傾けてくれる方が多くて、サービスや自分の成長の機会を得ることが出来る環境だなと思っています。

そういうチャレンジの結果、ユーザーに反応してもらったり、SNSなどで私がデザイナーとして関わった機能やLPに対してポジティブな反応をいただけたりすると、やって良かったなと思います。

ふっくー:
国内最大級のレンタルサーバーという規模感もあり、ひとつの施策であっても大きな影響力があるため貴重な経験をしていると感じています。

あとは、たとえば通っているお店のサイトがペパボのサービスを利用していたり、自分の周りの方たちが自分の担当しているサービスを利用していたりすると、とても嬉しいですね。

表立ってはペパボのサービスだっていうことはわからないんですけど、便利な情報社会を支える縁の下の力持ちな感じがしてやりがいがあります。

ホスティング事業部のデザイナーで良かったと思うことは、みんなの仲が良いというところですね。ペパボに入社してから人間関係で悩んだことがなくて、恵まれた環境にいるんだなと感じる日々です。

「何のため」「誰のため」を忘れないサービス運営を目指して

- 働くうえで気をつけていることや大切にしていることはありますか。

かわもと:
「何のため」にこの仕事を選んで、担当するサービスを「誰のため」に提供しているのかというところを常に意識していることです。

今期の目標を達成するにも、ペパボがどう歩んでいくのかというところを考える時にも、大前提として、いつも考えるべきは「ユーザーのため」であり、「よりよいサービスにするため」です。

そのために働いているというのが僕の根幹にあるので、競合のことを考えることも大切ですが、それに注目しすぎることでユーザーのことが視野から離れてしまうのは絶対に防がないといけません。

あらやん:
エンジニア、ディレクターなど様々な職種の方と同じチームで仕事をする上で、デザイナー目線で気になった点や、先ほど川本さんが言われていたユーザー視点の話って、プロジェクトがどんどん進んでいくと忘れてしまいがちなんですよね。そういうのを立ち返って積極的に指摘することを心掛けています。

あとは、デザイナーなので開発のことはわからないとそのままにしておくのではなく、臆せずにどんどん聞いていくようにしています。

はあちゃん:
謙虚さと自信のバランスを大切にしたいなと思っています。

「サービスを良くしよう」という大きな目的はみなさん同じだと思うので、デザイン案とか、働き方とか、いただいた意見はまずしっかりと受け入れる謙虚さが必要かなと思っています。

ただ謙虚さにはバランスが重要だと考えています。すべての意見をデザインに取り込もうとすると、かえってユーザーにとって親切な設計にならないことがあるからです。

みなさんの意見をまずは受け止め咀嚼して、「〇〇だから、自分は△△が適切だと考えます」と、最終的に自信を持って案を絞り込むことが大切だと思っています。

ふっくー:
私は社内でのコミュニケーションを大切にしていますね。

コロナ以降ペパボはリモートワークを基本とする働き方になって、Slackでのテキストコミュニケーションが多くを占めるようになりました。それもあって、丁寧なテキストコミュニケーションを心がけています。

たとえば、絵文字を入れてテキストに表情をつけてあげることで送り手の感情をより対面に近い形で伝えられるので、絵文字を普段より多めに使うように気をつけています。

Slackでの様子

個人のスキルアップにフォーカスした「Pepabo Designer Skill Area」

- ホスティング事業部以外の他部署とのつながりはありますか。

かわもと:
デザイナー個人のスキルアップのため、2019年から「Pepabo Designer Skill Area」という制度が始まりました。

具体的には、「Communication Design」、「Visual Design」、「Information Architecture」、「UI Design」、「UX Engineering」、「Research」、「Management」、「Marketing」といった8つの専門性のあるスキルエリアを選択できるというものです。

この制度が始まるまでは、デザイナーの職種の専門性っていうのは考え方としてあまりなくて、オールラウンダーな動きが多かったんです。コードも書くし、グラフィックもやるし、たまにリサーチもやるという感じでした。

「Pepabo Designer Skill Area」が始まってから、他部署とのつながりが増えましたね。

僕はResearchを選択しているので、「ホスティング事業部ではこんなことやってるよ」など、同じResearch専門の方とSlackのチャンネルで情報交換して、ペパボ全体にノウハウをシェアしていって効率化していくよう心掛けています。

-スキルエリアは自分で選べるのでしょうか。

4人:
(うなずく)選べます!

ふっくー:
「Fundamental Skill Area」という基礎となるスキルエリアがあって、デザイナーとしての土台を作った上で、それぞれが極めていきたいスキルエリアを選び、伸ばしていくことができます。複数のスキルエリアを選択することも可能です。

「ユーザーに寄り添うことができるデザイナー」になりたい

- 今後ホスティング事業部でどのようなデザイナーになっていきたいですか

かわもと:
僕の行動原理は、「作ったものに対して、使い方がわからないと言われるのがすごくイヤ」というエゴ的なものなんです。なので「どうしてわからないのか」っていうところを専門的に解析できる能力を身につけようとしています。

人間がどのように事象を知覚して、インタラクションによって意味を予測・理解しているのかなど、性質の多くを知るために、今は認知科学周りを勉強しているのですが、「人間について詳しいデザイナー」になりたいなと思っています。

あらやん:
プロダクトを通じて、ユーザーとうまくコミュニケーションを取っていくことができるようになりたいのはもちろんですが、チーム内でもコミュニケーションを円滑にできるデザイナーになっていけるといいなと思っています。

現状はプロジェクトごとにプロジェクトマネージャー(以下PM)っていう存在が必ずしもいるわけではないので、PMのような役割を担えるようになりたいですね。

サービスデザインの知識をもっとつけて、要件定義や設計、デザインを中心でやっていけるようなデザイナーになれたらいいな。

かわもと:
初めて聞いた、いいね!

はあちゃん:
要件定義やデザインのクオリティ、関わっているメンバーのサポートまで「この人に任せればきっとこのプロジェクトはうまくいく」って言ってもらえるようなデザイナーになりたいな、と思っています。

ふっくー:
デザイナーは誰しもが思っていることだと思うんですけど、「ユーザーに寄り添うことができるデザイナー」になりたいなって思います。やっぱりホスティングって、そのワードだけ聞くと難しいイメージがあるので、難しいイメージを嚙み砕いてわかりやすくして、ユーザーにホスティングの魅力っていうものを伝えられるようにしていきたいという気持ちが、最近より強くなりました。

- 最後になりますがこんな方と一緒に働きたい、という求める人物像はありますか。

かわもと:
いかなる状況においてもユーザーの視点を絶対に忘れない、合理的に建設的な設計をしていけるデザイナーにジョインして欲しいな。贅沢を言えば人間中心設計という分野に精通していると大歓迎!あと、マークアップに強い人だと嬉しいです。

あらやん:
ペパボのホスティングは、老舗サービスでリニューアルできてない部分や、改善できる場所がまだまだたくさんあるので、ひとつの大きいサービスに成長させていくことに興味のある方に、ぜひ来ていただきたいなと思っています。

はあちゃん:
ホスティング事業部のデザイナーは、ひとつの施策に対して関わる分野が広いんです。サービスの課題抽出からアウトプットまで、幅広い分野をこなす必要があるので、その過程を楽しみながら続けられる方と一緒に働きたいなと思っています。

ふっくー:
好奇心が旺盛で、知らないことや新しいことを吸収して、自分のものにできる方がいいかなと思っています。その上でサービスに自分が得た新しい知見をどんどん取り入れてくれる方だと、サービスも良くなるし、周りのデザイナーにもいい刺激になって、みんなハッピーかなと思います。

- みなさん、ありがとうございました!

長年続くサービスだからこそ慢心せず「ユーザーに寄り添う」精神を大切にしている姿勢が印象的だったホスティング事業部デザイナー座談会。

次回は連載最終回「ホスティング事業部 職種別座談会・ディレクター編」をお送りします。

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