国内オンデマンドプリントサービス初!SUZURIの「AR機能」を新卒2年目のエンジニアが実装した話

今年5月、「SUZURI」の人気アイテムサーモタンブラーに、国内オンデマンドプリントサービス初(※)!となるAR機能を実装、7月には新アイテムのクッションとスタンダードTシャツにも対応しました。AR(拡張現実)とは、現実世界にデジタルコンテンツを重ねてスマートフォン越しにCGで作られたデータを表示することで、存在しないものがまるで存在するかのように見ることができる技術のこと。この技術を使い、「SUZURI」に新たな機能を提案〜追加まで行った新卒2年目!のエンジニア yukunにお話を聞きました。


(※)オンデマンドプリントサービス主要4社の商品詳細ページにおけるAR機能によるプレビュー機能の有無を比較。2022年7月13日時点。自社調べ。

自己紹介
林 優太(はやし ゆうた)
あだ名:yukun
Twitter:@hyuta555
SUZURI事業部 エンジニア。
好きな食べ物は寿司とカレーです。 

「ものづくりが好き」からはじまったエンジニアとしてのキャリア

- 自己紹介をお願いします

yukun
2021年4月に新卒でエンジニアとして入社しました。研修期間を経て、8月から「SUZURI」に配属となって、Webアプリケーションの開発を行っています。

主にクリエイターさんやユーザーさんがサービスを使いやすくなるような改善を行っていますが、去年の11月に追加されたボアフリースジャケットなど新アイテムの追加も担当しました。

ペパボに入社したいと思ったきっかけは何ですか?

yukun
昔からものづくりが好きだったんですが、プログラミングを始めた時に、Webアプリケーションを作るのがすごい楽しいなと思って。それで、将来的にはWebサービスを作ってみたいと思うようになりました。就活の時もエンジニア以外の選択肢は考えていなくて、できればtoCのサービスを提供している会社に入りたいと思っていました。その中でも、ペパボのものづくりを支援する取り組みや「わたしたちが大切にしている3つのこと」などの文化に共感したのと、テックブログやTwitterなどペパボで働くエンジニアのみなさんのアウトプットを見て、いいな、と思ったのがきっかけです。

AR機能でSUZURIならではの購入体験を提供

- AR機能をSUZURIに実装しようというのはyukun自身が提案したんですか?

yukun
はい。自分で提案しました。普段からARに限らず、新しい技術をキャッチアップするようにしていて、その中でもAR機能は「SUZURI」のように画面上で商品を見て購入するサービスにぴったりだと思ったんです。

ARは、画面上で見ていた商品と実際に届いた商品で「思ってたのと違う」という失敗を防止することができる技術として注目されてるんです。
実際に、ARを導入したサービスが、ARを利用しないユーザーに比べてCVRが高くなったり、返品率が低下したというデータもあります。

あと、すでにTシャツをはじめとしたいくつかのアイテムで実装されている「遊んでみる」機能は、クリエイターさんが自身の作成したグッズをSNSでPRするときに画像を活用されています。AR機能も同じようにクリエイターさんに活用いただくことで、SNSからの流入増加に繋がると考えたのも理由の一つです。

アイテムがさまざまなシチュエーションの画像と合成される人気機能「遊んでみる」

- そうなんですね!必要性の中に遊び心もあって「SUZURIらしい機能だなと思いました

yukun
確かに。
「遊んでみる」もそうですが、大々的にPRをしているわけではないけど、クリエイターさんだけじゃなく、購入者の方もおもしろがって使ってみるような仕掛けが「SUZURI」にはありますよね。クリエイターさんへの訴求だけじゃなくて、「SUZURI」ならではの購入体験の提供にもつながっていたら嬉しいです。

-  AR機能の実装に際して、どうやって上長のGOを獲得したんですか?

yukun
まず、プロトタイプを作って、去年の10月に開催されたPMF(※)で発表したんです。それで、いろんな人からポジティブな反応をいただいて、上長にアイディアを提案したんですが「いいじゃん、やってみたら」という感じでした(笑)
ただ、実際に取り掛かってみたら、意外と難しいぞってなって。業務の優先順位を考えて、一旦保留にしました。

(※)「Pepabo Maker Festival」(通称 PMF):当社内で行っている有志のパートナーによる自由な作品展示会

「難しいぞ」ってなった原因はなんですか?

yukun
まだ発展途上の分野なので、どうしても技術的に解決できていないことがあって、それが原因です。その後、いろいろなドキュメントやGitHubを見たりして個人的に勉強や研究を重ねて、実装の目処を立てることができました。

その後、まずはスモールスタートではありますが正式にタンブラーでの実装が決まりました。そのタイミングで改めて企画書をまとめて、コストやリスクの洗い出しに加え、効果検証のための計測数値の設定を行いました。それが今年の4月です。そこから、5月のリリースに向けて本格的に開発に取り掛かりました。

チームとの連携はどのように行っていましたか?

yukun
プロダクトチームのメンバーは、期限やスケジュールの設定、リリース後の認知を広めるためにジャーナルへの記事を作成したり、SNSでの投稿を調整してくれました。機能をリリースしても使ってもらえなければ意味がないので、PRに関するフォローはとても心強かったです。

プロダクトチーム
「チームAR」! 左から、ディレクターのはーマン、エンジニア yukun、プロダクトマネージャー みるてぃ。

- 実際に使っている方の反応などはどうでしたか?

yukun
エゴサして(笑)チェックしているのですが、早速ご自身のグッズのPRに活用してくださっているクリエイターさんや、お買い物の際にAR体験を楽しんでくださっているユーザーさんのツイートを見てすごく嬉しかったです!to Cのサービスを運営する会社でエンジニアをやってる醍醐味を実感しました。

3D画像を使ってPR画像を作成されているクリエイターさんがいらっしゃったのですが、その使い方は想定していませんでした。そういう使い方もあるのか!と思いましたね。

- 7月にはスタンダードTシャツや新アイテムのクッションにも実装されましたね。

yukun
はい。クッションは自分の家のソファなどに置いたイメージができるようになったので、グッズのPRはもちろん、お買い物の際に活用していただきたいです。

Tシャツは、今回はまず、部屋の壁に掛かっている状態が見えるような形でのリリースとなりました。今後もアップデートを重ねて、個人的には最終的に試着しているような状態まで持っていけたらいいなと思っています。

どっちが本物!?新アイテムのクッションにも対応(右が本物)

新しいテクノロジーにいち早く対応したい

- 今回、提案から実装までを一人でやってみて、新たに身についた技術があると思います。今後、サービスにどう活かしたいですか?

yukun
例えばARグラスみたいなものが台頭してきたとき、いち早く対応できるようになりたいですね。あとは、VR空間で「SUZURI」のショップがあったらおもしろいなと思っています。SUZURI VR支店みたいな。「SUZURI」はオンデマンドプリントサービスなので、在庫を持つ必要があるリアル店舗は難しいと思うのですが、VRショップなら可能かな、と…。

- ふと思ったのですが、新卒2年目ではありますが、「SUZURI」に配属が決まってからは1年経ってないですよね?1年目で、って言ってもいいのでは!?

yukun
確かに!(笑)
2021年8月に配属が決まって、AR機能を実装したのが2022年5月なので1年経ってないですね。1年目って言ってもいいのかもしれないです(笑)

- 今後、最新のテクノロジーを活用して「SUZURI」というサービスをもっとおもしろくしていくために、どんな人と一緒に働きたいですか?

yukun:
僕自身も幅広い知識を持ちたくて日頃から興味を持ってインプットしているので、ARみたいな新しい技術だけじゃなく、幅広い技術に興味、関心、知見があるエンジニアと働きたいです。

あと、「SUZURI」は「やってみたい」と声をあげれば挑戦させてくれて、周りもサポートしてくれます。でも、それなりに自走できることも大切かなと思います。
そういう方が仲間に加わって「SUZURI」の成長を一緒に加速させることができたらいいなと思います。

プロダクトマネージャー みるてぃからのコメント

ARのような少し思い切った取り組みというのは、なかなかプロダクトマネージャーとして取り組みの優先順位をあげることが難しい領域ではありました。
しかし、今回yukunが「なぜやるのか」「この取り組みによってサービスや事業部にどのようなメリットがあるのか」ということを事前にまとめてから提案してくれたため、リリースの決断ができました。
ただ「やりたい」というのではなく、自ら企画書とセットでエンジニアから提案されるというのは初めての体験だったので、とても感動したことを覚えています。
AR機能の展開も含め、今後もyukunと一緒に「もっとおもしろくできる」という視点で「SUZURI」をより多くの人々に愛されるサービスにしていきたいです!

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