EC作成サービス、14年目に生まれた新プロダクト。 チームコミュニケーションのポイントは?

2019年1月でサービス開始から14年目を迎えた「カラーミーショップ」。EC作成サービスとして全国4万以上のネットショップオーナーを支えています。
この度、5月13日にEC運営機能を拡張する新たなプロダクト「カラーミーショップ アプリストア」(https://app.shop-pro.jp/ )をリリースしました。今回は、チームのコミュニケーションと新プロダクトの今後の展望について、EC事業部部長のテリーさんとカラーミーショップグループ プロダクトチームのプロダクトマネージャーりんさんに伺います。

寺井 秀明(てらい ひであき)
Twitter:@hideack
あだ名:テリーさん
EC事業部部長。最近ハマっていることは、日曜日にTBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」を聴くことと野菜多めの餃子を作ってビールを飲むこと。ストレス解消方法は皿洗い。

山林 茜 (やまりん あかね)
Twitter:@getsukikyu
あだ名:りんちゃん
カラーミーショップグループ プロダクトチーム プロダクトマネージャー。最近ハマっていることは、一歳半の息子が話す謎の言葉を解読すること。好きなアベンジャーズはアイアンマン。

EC作成から運営支援の強化へ

ー 「カラーミーショップ アプリストア」はどんなサービスですか?

テリー:カラーミーショップを使っているオーナーさんたちが、ショップ運営にまつわる様々なアプリを購入できるプラットフォームです。ネットショップ運営に限らず実店舗運営まで、幅広いニーズに対応できるアプリを今後どんどん追加していきます。これらのアプリの開発は、私たちだけではなく、デベロッパーである他のwebサービス開発会社も担当しています。

ーアプリストア開発の背景を教えてください。

テリー:カラーミーショップは、12年続くEC作成サービスとして年間1,300億円以上の流通規模へと拡大してきました(2018年末時点)。しかし一方で、利用されているオーナーさんの業種や運営形態が多様化し、解決すべき課題も多様になってきたことが背景にありました。そうした課題すべてを自分たちの力で解決するよりも、外部のデベロッパーやエンジニアたちと一緒になって課題解決の体制を整えていくことで、EC運営をより強固に支援するサービスへと進化させていくことができると考え、ストアの開発に着手しました。

ー 複数のデベロッパーを巻き込みながら行ったプロダクト開発は過去にありましたか?

テリー:いえ。カラーミーショップでは、前例のない体制でした。コミュニケーションからドキュメントの制作まで、何もかも初めてのことだらけ。最初はとても苦労して…。PM(プロダクトマネージャー)であるりんちゃんを筆頭に、アライアンス担当のディレクターやエンジニア、デザイナーなどさまざまな職種の仲間の力を借りて、少しずつ体制を改善していきました。開発の終盤には、各デベロッパーさんも緊張感が高まり、ちょっとした会話からも本気度の高さが伝わってきて、とても心強かったです。

チームのコミュニケーションの工夫

ー アプリストアはどれくらいの期間、どんな体制で開発されたんですか?

りん:約1年かけて開発しました。先にテリーさんがお話した構想は、2016年くらいからありましたね。チームの体制ですが、現状関わっているメンバーは全部で11人。そのうちデザイナーが3人、エンジニアが7人、PMが1人です。

ー PMとしてチームコミュニケーションで苦労した点はありますか?

りん:11人全員の方向性を統一するのが、最初はとてもむずかしかったです。理由は2つあります。ひとつはカラーミーショップやカラーミーリピートなど、EC事業部内の他プロダクトを運営している仲間の力も借りながら、少しずつチームをつくっていったため、途中からチームに入った仲間がほとんどだったこと。もうひとつは、大きな構想のあるプロダクトにも関わらず、ミッションを共有するためのまとまった情報がなかったこと。

ー それらの課題に対して、どのように改善していったのですか?

りん:まず、アプリストアのミッションを全員と共有するために、チームメンバーが増えていくことを想定とした共有資料をつくりました。それから今は週1回の定例会と毎日昼会をして、全員のコミュニケーションをこまめにとっています。そうそう、昼会のやりかたが少し変わっていて、会社にいるメンバーもリモートワークのメンバーも、各自がビデオチャットで、進捗を報告・相談するんです。

ー リモートワークされている人と会社にいる人たちの2箇所を繋ぐのではなく?

りん:はい、みんなそれぞれのパソコンに向かって話すかんじです(笑)。これが意外とスムーズで、全員が同じ環境下なので話もフラットに進めやすいんです。私も子育て中なので在宅勤務をすることもたまにあるのですが、今のところこのスタイルで不自由していません。
こうやって情報共有の体制をそろえていくことで、ひとりひとりの認識が「途中からチームに入ったメンバー」という状態から、各自が自分のプロダクトとして責任感とやる気を持っていくチームへと、意識を変えていくことができたように感じます。

これから一緒に働きたい人は?

ーところで、EC事業部全体の雰囲気はどんなかんじでしょうか。

りん:職種に関わらず、仕様を決めるところから議論して盛り上がっていく空気があります。みんなが妥協せず良いものをユーザーさんへ届けようと考えているので、それぞれの熱量が高いです。あと、私のチームは週2回ランチに行くメンバーをくじびきで決めたり、仕事中だけでなく、ちょっとした雑談も楽しくコミュニケーションしています。

テリー:りんちゃんの言っている熱量の高さとか仲の良さは昔からあるEC事業部の雰囲気で、そこに加えて最近は、強い責任感みたいなものが事業部全体に育っているような気がします。カラーミーショップは個人の方の通販を支えてきたところから、10年以上経って多様な商売を支えるビジネスのプラットフォームへと進化してきた背景もあるので、それを支えている我々も「自分たちがオーナーさん1人1人の商売を支えている」という自負をしっかりもって課題解決に取り組むように変化しました。

ー 今後、どんな人と一緒にアプリストアを育てていきたいですか?

テリー:僕は「掛け算できる人」が必要と感じています。例えば、アライアンス担当やディレクターであれば、外部デベロッパーへ「カラーミーのこの機能とこんな店長さんの悩みを解決するために、あなたの力で助けてくれませんか?」と提案できるような発想力豊かな人。エンジニアであれば、これまで以上に外部とのコミュニケーション量が増えるので、技術力だけでなく外部のエンジニアへの提案やディスカッションすることを楽しめる人だと心強いです。

りん:発想力を生かして新しい提案ができる人は、一緒に働けたら心強いですね。これからオーナーさんへアプリをレコメンドしたり、マッチングするための機能を強化していくにあたり、提案力は不可欠ですから。テリーさんのイメージ以外だと、オーナーとアプリ開発者、それぞれの視点に立てるデザイナーに入ってもらって、プロダクトをガシガシ改善してもらえたら頼もしいです。

ー 最後に、今後のアプリストアの展望を教えてください。

りん:2つあります。ひとつはオーナーさんたちがどんな機能を必要としているか私たちがきちんとヒアリングして、オーナーさんとアプリの開発者を繋いでいくこと。そして最終的にはオーナーさん・アプリの開発者・私たち、3者のコミュニケーションの場を整えていきたいです。
もうひとつは、アプリの開発者として関わってくれる企業と人を増やすこと。リリース時点では外部デベロッパーにアプリを作ってもらいましたが、これからは、ネットショップを運営している会社のエンジニアやフリーランスのエンジニアなど、さまざまな人たちが関わりたくなるサービスへと育てていきます。

テリー:僕もりんちゃんのイメージと同じです。オーナーさんたちのストレスを減らして日々の業務を快適にするためにも、様々な分野で活躍されているエンジニアやデベロッパーがカラーミーショップのアプリ開発に興味を持つような取り組みが必要です。そのためにまずは、カラーミーショップのAPIや技術を使ってどんなものを開発できるか、きちんと公開したり、内外のエンジニアが互いにディスカッションできるような場所をつくったり。コミュニケーションの量を増やしていくための積極的な発信と「しかけ」づくりに注力していきます。

ー オーナーさんと開発者、そしてチームのみなさん。3者のコミュニケーションでどう進化していくか、「カラーミーショップ アプリストア」のこれからが楽しみです。今日はありがとうございました。