GMOペパボでは6月からリモートワークが基本勤務体制となりましたが、それ以前には、新型コロナウイルス感染拡大防止のため1月下旬より緊急措置としてGMOインターネットグループ一斉在宅勤務体制がとられていました。実際に長期の在宅勤務を経験して気付くことのできた「在宅勤務に必要なこと」などを、これまでの在宅勤務期間を振り返りながら、福岡管理チームの視点で書いてみたいと思います。
福岡管理チーム
ペパボ福岡オフィスにて、事務手続きをはじめ社内環境整備に関わる様々なバックオフィス業務を行っています。東京オフィスとパートナーとの架け橋になったり、鹿児島オフィスのお手伝いをすることも。
自己紹介
西嶋 (にしじまだよ)
福岡管理チームに所属しています。
クラシック音楽を聴きながら小城羊羹を食べるのが好きです。
感染症拡大防止のため急遽始まった全員一斉在宅勤務
1月26日日曜の夜、突然在宅勤務指示の連絡がきました。「感染拡大防止のため、明日から渋谷・大阪・福岡のパートナーは在宅勤務となります」という趣旨のGMOグループ全パートナーに送られた緊急のメールでした。
日本国内で初めて新型コロナウイルス感染者が確認されてから2週間足らずの国内企業としてはいち早い対応でした。
後にたくさんの陽性者が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」が横浜に入港したのが2月3日。今振り返っても感染拡大が懸念されるかなり早期のことでしたので、突然の指示に戸惑いや驚きを覚えたパートナーも多かったと思います。
急な在宅勤務指示ではありましたが、GMOインターネットグループでは、災害等で出社が困難な場合などを想定した年に1回の在宅勤務訓練を通じて、在宅からのサーバーへの接続、セキュリティー等の根本的な問題はクリアしており、会社支給のパソコンさえあれば各人在宅にて業務を行うことに大きな支障がないことは確認できていました。
しかし、それはあくまで在宅にて会社と同じように業務が行えるかの確認に過ぎなかったことに気付くこととなります。
全員一斉在宅勤務=オフィスが無人になる
今回の一斉在宅勤務が、これまでと大きく異なる点は「オフィスの無人期間」です。
過去の在宅勤務訓練で一斉在宅勤務になるのは年に1回、期間は1日のみでした。
また夏季休暇や冬期休暇期間においても、福岡オフィスでは、実際にはシフト制で出勤体制にある部署もあり、完全にオフィスが空っぽになることはほとんどありませんでした。
そういった意味では、コロナ禍前は管理チームが不在の場合でも些細なことなら出社するパートナーにお願いすることもできましたし、定期的な納入業者さんの来社なども、期日をずらしてもらうなどの少しの調整で対応できていたのです。
しかしながら、今回の新型コロナウイルス感染症防止に伴う一斉在宅勤務はこちらの想定をはるかに超える期間において続いたため、長期間一斉在宅勤務になった場合の社内のオフィス管理業務をどうするのか、というところについては想定しきれなかったことも多くありました。
誰もいないオフィスを維持する
在宅勤務指示が出された翌朝、ほとんどのパートナーがパソコンをピックアップするためにのみ出社し、早々に在宅勤務に就かれましたが、バックオフィス部門では社内での対応・調整が必要でした。
在宅勤務期間がどのくらいになるのか全く先が見えない状況でしたので、当面オフィスを不在にしても問題のないように、その時点ではまず対処的な対応をとりました。
福岡管理チームでは、東京オフィスからの指示対応をはじめ、入居しているビル管理会社さん、郵便物・宅配業者さんや各納入業者さん等への連絡、他部署との事務処理方法についての段取りや調整、ウォーターサーバー、コーヒーサーバー、給湯室の清掃やゴミ箱の管理といった社内衛生管理対策等々の最低限必要な対応を慌ただしく済ませ帰宅しました。
在宅勤務開始当初は、感染の拡大もまだ大きくなく九州では感染の確認はありませんでしたが、福岡オフィスにやむを得ず出社するパートナーや来客者もいらっしゃいましたので、後日出社し社内の感染防止策をとりました。
消毒液、体温計、マスク、グローブの準備・設置など、通常であれば簡単に手配できるようなものでも、極端な品薄状態で入手困難となり苦労することもありました。また、同時期には書類申請などの事務処理のオンライン対応もあわせて進めていきました。
快適な在宅勤務に必要な環境とは
在宅勤務体制に移行して1~2週間が経つ頃には、在宅勤務によるパートナーのストレスなども聞こえてくるようになりました。
家の中で業務スペースがとれない、ワンルームで息が詰まるなどの住居環境問題、仕事用の机や椅子がない問題、家族への負担・家族からの負担、光熱費のこと、運動不足、オンオフの切り替えの難しさ等々、パソコンや通信機器等の設備環境が整っているだけでは在宅での勤務は快適には行えないということが分かってきました。
コロナ禍における不安や、安易にストレス解消ができないという状況も多分に影響していると思われますが、これらの問題も在宅勤務を長期経験しなければ、具体的な実例としては知り得ることができなかったと思います。
1日限りの避難訓練としての在宅勤務では気付けなかったことです。
感染拡大の深刻化と緊張感
その後も徐々に新型コロナウイルスの感染者は全国的な広がりを見せ、福岡では、ゴールデンウィークに行われる「博多どんたく」、7月の「博多祇園山笠」の中止も決まりました。どちらも、国内外問わず毎年たくさんの来場者と長い歴史を誇る、福岡にとってはなくてはならない盛大なお祭りです。
福岡の街も自粛ムード一色で、繁華街もすっかり人出がなくなり閑散としていました。いつもは賑やかな街も、重たく暗い静寂に飲み込まれているようでした。
不自由な状況でもできることはないか
社会の状況の深刻さと延長されていく慣れない在宅勤務での問題や、高まるストレスを解消するため、社内アンケートの実施、検温の報告によるパートナーの健康状態の把握、積極的な meet や zoom の利用、在宅勤務に有用な情報の提供など、部署を問わず様々な試みがなされました。
5月には「リモートワーク快適化支援制度」がスタートし、机・椅子・モニター購入の補助、光熱費・通信費の一定額の支給、オフィスデスク・オフィスチェアの無償貸し出しが行われることとなりました。
福岡管理チームでは、福岡と鹿児島に拠点を置くパートナーへのオフィスデスク・オフィスチェアの無償貸し出しの実業務(手配、発送)を行うことになりましたが、緊急事態宣言中出社不可の体制がとられていたため、すぐに発送することはできませんでした。
緊急事態宣言解除後早々の発送に向け、オフィスチェアのクリーニング業者と配送業者の選定、手配、発送日の調整等の準備を進めました。
在宅にてできることをする、できないことはどうすればできるのか… 現状を乗り切るための歯痒い日々が続きました。
緊急事態宣言解除直後はやむを得ない場合を除いては、引き続き在宅勤務の指示が出されていましたが、福岡管理チームは、希望者へのオフィスチェアの発送を行うと同時に、いつパートナーが出社することになっても安心して業務を行ってもらえるよう、感染防止策の強化に加え、座席数を減らすなど「with コロナ」な「新しい生活様式」に備えました。
新しい勤務体制と求められる変化
新型コロナウイルス感染拡大防止をきっかけに始まった在宅勤務期間を経て、6月1日からはリモートワークを基本とする勤務体制に移行しました。
一次措置として急遽始まった在宅勤務ですが、その最中のバックオフィス業務の対応は、結果的に6月1日からの新しい勤務体制にも役立つことになりました。
もちろん暫定的に行ったものの中には改善が必要なものもありますし、既に新たに準備を進めている案件もあります。
新型コロナウイルスの収束はいつになるのかわかりません。予想できないことが起こるかもしれません。また、ここ九州は豪雨や台風のなどの自然災害にも影響を受けやすい場所でもあります。今年も「令和二年七月豪雨」に見舞われたばかりです。
そういったことから、今後安全性を求めてさらに変化していくことも考えられますし、オフィスの在り方自体も変わっていくでしょう。
変化に対応できる柔軟性ももちろんですが、どんな変化にも耐えうるバックオフィス体制を先手先手で作っておくことがより求められているように思います。
福岡オフィスの可能性を広げていきたい
福岡バックオフィス体制の強化は、福岡以外を拠点とするパートナーやグループ会社のパートナーさんにも福岡オフィスを不自由なく使っていただけることにもつながると思います。
将来的には、業種問わず社外の方も気軽に立ち寄り、様々なアイデアを持ち寄り形にしていく「福岡のリアルな交流の場」としての役割も果たしていければと思っています。
少しでも早く新型コロナウイルス感染症が収束し、現在一同に会することができないパートナーやたくさんの方々と福岡オフィスでお会いできることを願っています。