2001年のサービス開始以降、200万以上のサイトで利用されているレンタルサーバーサービス「ロリポップ!」。月額100円から始められる手軽な個人向けからビジネスでの利用に最適な「エンタープライズプラン」などの多数のプランを展開し、個人から法人まで幅広いユーザーに利用されています。
そんな中「ロリポップ!」から新プランとなる『ハイスピードプラン』が9月にリリースされました。今回は「ロリポップ!」を率いるマネージャーの渕野航介さんにお話を伺い、実に5年ぶりとなる新プラン提供の裏側に迫ります。
渕野 航介(ふちの こうすけ)
Twitter:@fuchino
あだな:ふっちー
ホスティング事業部ホスティンググループ マネージャー。最近ハマっているものはスーパー銭湯。
こだわりを一つ作るなら、スピードしかないと思った
ーこの度は『ハイスピードプラン』のリリース、おめでとうございます! リリース後の反響はいかがですか?
ふっちー:おかげさまで当初想定した数値を上回る数のお申し込みをいただいています。好調なスタートを切れたことで手応えを感じていますね。
ーそれは嬉しいニュースですね! 好調な滑り出しの背景には、どんな理由があるんでしょうか。
ふっちー:やはりスピードというところだと思います。近年レンタルサーバー市場においては、ユーザーさんの求めるものが ‘落ちない’、‘安定している’から‘より高速に表示したい’ というニーズに変化していて、特にアフィリエイターさんやブロガーさんなどWebサイトでビジネスをされている方にとっては「Webサイトを高速に表示できるかどうか」がビジネスに左右するんです。Webサイトの表示に時間がかかるということは、それを見に来てくれているお客さんが離脱してしまうリスクがあるということですし、Webサイトの表示スピードはGoogle検索評価にも影響すると言われています。なので、速さを求めるユーザーさんに今回の新プランがマッチした事が、その理由なんじゃないかと思います。
ー なるほど、アフィリエイターさんやブロガーさんが、まさに求めるプランだったというわけですね。
ふっちー:はい。今回新プランを開発する上で一つこだわりを作るのであれば、もうスピードだろうと思い、とにかくそこにこだわって開発しました。おかげでWebサーバーソフトウェアの選定の際も「LiteSpeed」を迷いなく採用することができました。あとは、プラン名ですね。「ロリポップ!」のプラン名は「エコノミー」「ライト」「スタンダード」と続き、最上位に「エンタープライズ」と設定しているのですが、「スタンダード」と「エンタープライズ」の間に新プランを置こうと考えたときに、「ビジネス」としちゃうと、ぱっと見どっちがどうなのか区別しづらいと思ったんです。それで「スピードプラン」という名前がでてきたんですが、僕としてはインパクトが足りない! 勢いがない!と思ってしまって。それで“ハイ”をつけて『ハイスピードプラン』としたんです。
ー ふっちーのこだわりが、『ハイスピードプラン』命名のきっかけだったんですね。
ふっちー:そうです。 “ ハイ ” をつけたことで、チームメンバーが「普通のスピードじゃあダメだ、“ハイスピード”じゃなきゃ」というように意思がまとまったんです。そこからこのプラン名を実現できるよう、開発やプロモーション準備をすすめてきた感じですね。
ロリポおじさんを復活したのは正解だった
ー プロモーションといえば、「爆速でゴメンなさい」のプロモーション動画や「ロリポをなめるな!」のツッパリ風ロリポおじさんなども話題になりました。
ふっちー:プロモーションは他社さんと同じことをやっても埋もれちゃうんですよね。レンタルサーバーってどうしても各社サイトの雰囲気も横並びになりがちなので、目立つ事も大事だと考えています。あとは「ロリポップ!」のDNA。「ロリポップだったら面白いことをやってくる」って期待してくれているユーザーさんも多いので、サービス担当としてはそこに応えたい!って思いがあります。「ロリポップ!」は「面白さを提供する」という部分で長年培ってきたものもあるし、そこはある意味伝統芸能とすら思うんです。実際「ロリポップ!」がリリースされて18年になりますが、サービスに携わるパートナーが入れ替わってっても、「ロリポっぽさ」は失われない。それは「もっとおもしろくできる」の想いが受け継がれているからなのだと思います。
ー 受け継ぐ、ということで言えば、2017年1月にロリポおじさんが溶鉱炉に消え、「ロリポップ!」のWebサイトからロリポおじさんの姿が消えてしまったことは大きな出来事だったのではないでしょうか。
ふっちー:ロリポおじさんを溶鉱炉に沈めようと決めたのは、実は僕なんです。2017年の「ロリポップ!」リニューアルプロジェクトがその理由だったんですが、正直ロリポおじさんを沈めたことは失敗でした。もちろんこの出来事はネットでかなりバズったのでプロモーションという観点からは成功したんですが、逆にそのバズっている様子を見て、ロリポおじさんが皆さんにとても愛されていたのを改めて知ったんです。お客様からも「ロリポおじさん、どうしてるんですか?」と聞かれることも多かった。でも、僕としてはすぐ復活っていうのも違うと思って、沈めた張本人として半ば意地のようなものなのかもしれませんが、しばらく沈めたままにしていました。
ふっちー:そんな中、今回の『ハイスピードプラン』のリリースが決まったので、これはもう復活させるしかないと。そこで「ロリポをなめるな!」プロジェクトでロリポおじさんを復活させ、今回の『ハイスピードプラン』でも華々しく登場させようと決めました。点ではなく線になるよう意識してロリポおじさんに復活いただいた感じですね。
ロリポおじさんの復活は、おかげさまで100%ポジな反応です。先日はペパボがスポンサードしている鹿児島ユナイテッドのスペシャルマッチにも登場し、サポーターの皆さんにも喜んでいただけました。僕の中では、世界で一番愛されているおじさんの一人だと思っています(笑)
新卒時代の法務経験が、マネージャーのキャリアにつながった
ー ここまでサービスのことをお伺いしてきましたが、ここからふっちーのキャリアについてお聞かせ願えませんか。
ふっちー:はい、2012年に新卒で入社して、最初の配属先は法務でした。法務に配属されたものの、入社時から「いつかはホスティング事業にかかわりたい」という思いがあったので、異動できるチャンスがあれば手をあげようと考えていました。そんな中、2015年にホスティングのディレクター職の社内公募があり、これは応募するしかない! と手を上げそのチャンスを掴んだ感じです。福岡に転勤してからは「ロリポップ!」というペパボの主力サービスに関われることにやりがいをもって仕事をしていました。
ーホスティング事業部のマネージャーになった経緯はどのようなものですか?
ふっちー:2017年に行われたホスティング事業部のマネージャー公募がきっかけでした。実は公募された時は立候補すべきか迷っていたんです。けど周りから「ふっちーは立候補したんでしょ?」って声をかけられたことで、「もしかしたら、期待されてんのかな?」という気持ちが沸き起こってきて。結果、締切日にすべりこみ応募しました。立候補者については、役員と事業部長との面談があって、ペパボのホスティングとしてどうしていきたいか、どう戦っていきたいかということを話しました。後に上司にマネージャーになれた理由を聞いたんですが「ふっちーが、事業部単体だけでなく、会社としてどうしていきたいのかというビジョンをもって話をしていたことが決め手の一つになった」と伺いました。そういう意味では、新卒時代の法務経験は大きかったですね。法務は会社全体を見るポジションですし、経営判断につながることも相談される部署なので、業務を通じて視野を広くもって会社のことを考えられるようになったのだろうと思います。
ふっちー:あと、マネージャーのやりがいというところでいくと、事業に関する裁量がすごくでかいですね。事業をひっぱって、サービスをひっぱって、予実管理もして、それはまるで会社を1個任されているような感じです。そこが事業部制の面白さでもあるんじゃないでしょうか。やっていることが大きくて幅広いので、僕は若い方こそマネージャーをやったほうがいいって思います。インターネットサービスの会社だと、やっぱりエンジニアをはじめとする専門職は光があたりやすいのかなとは思うけど、マネージャーって自分の意思でサービスを動かし、ダイレクトに会社に影響を及ぼすことができるので、そこは大きな魅力だと思っています。
ー最後に、これからどんな方と一緒に働きたいかを教えて下さい。
ふっちー:攻めていける方ですね! ホスティングサービスはレガシーなイメージがありますが、2020年に向けて「生まれ変わる」くらいのインパクトのあることをやっていきたいと考えています。なので今までのレンタルサーバーの概念をぶっ壊していただける人に参画いただけるとすごく嬉しいです。ぜひ、面接で「ぼくの考えた最強のレンタルサーバー」について熱く語ってください!