28歳、鹿児島で未経験からWEBエンジニアへ!元理学療法士のよしこが語る転職秘話

2020年6月に、エンジニアとして鹿児島オフィスチームに入社した吉本さん。前職は介護福祉施設に務められ、エンジニアとしての実務経験のない未経験の転職でした。今回は吉本さんの転職活動についてお話を聞きました。

自己紹介

吉本 康貴(よしもと こうき)
Twitter:@K2_Yoshiko
あだな:よしこ
CTO室 鹿児島オフィスチーム エンジニア。ペパボ入社前日に生まれた娘が宇宙一かわいい。

介護業界から、WEBエンジニアへ。一大決心の転職活動

ー現在はどんなお仕事を担当していますか。

よしこ:
ホスティング事業部で、「ロリポップ!」や「ヘテムル」などの開発・運用に携わっています。

今はお客様から届く不具合報告を受けて、根本原因をプログラマブルに解決するという、運用の仕事をメインで行っています。

ほかにも鹿児島オフィスチームには「形式知化する」というミッションがありまして、そのために必要なドキュメントを用意したり、さまざまな施策を他チームと連携して行っています。

現在鹿児島オフィスに所属して働くメンバーは6人

ー前職はどんなお仕事をされていたのですか。

よしこ:
従業員30名程度の介護福祉施設で経営・運営の仕事と、現場では理学療法士としてリハビリなどを行う仕事をしていました。

ー異業種から、WEBエンジニアへ転職しようと思ったきっかけは何だったのですか。

よしこ:
もともとインターネットゲームが好きでパソコンには少し詳しかったこともあり、前職ではIT機器の管理やHPの更新など、パソコン関係のなんでも屋みたいなことをやっていました。

当時エクセルで行っていた帳票管理の仕事を効率化したいと思って、FileMakerというデータベース関係のアプリを触り始めて、エンジニアリングの楽しさにどんどん惹かれていきました。

そんな中で退職するきっかけがあり、以前から憧れていたエンジニアへの転職にチャレンジしてみようと思いました。

ー一大決心ですね。

よしこ:
はい、大決心でしたね。

ーこの時、エンジニアになれる自信ってどのくらいあったのですか。

よしこ:
もともと適正はあるなと思っていたので、エンジニア自体には絶対なれると思っていました。

ただエンジニアと一口にいっても、さまざまなエンジニアがいます。

私はWEBアプリを扱っている企業のエンジニアになりたかったんですね。そこに入れるかどうかは、正直不安だったというか、難しいなと思っていました。

ー実際に転職しようと決めた時期は、いつ頃ですか。

よしこ:
2019年の9月頃なので、ちょうど1年前くらいですね。

ーその後、まず何からされたのですか。

よしこ:
鹿児島や熊本市内で行われている、研修やイベント、勉強会に片っ端から参加しました。異業種からの転職ということもあり、まずはIT業界の方との人脈を作って、情報収集を行いました。

ー実際にどのくらい参加されたのですか。

よしこ:
9月から2月初旬までの期間で、20回は参加したと思います。

私は土日休みだったのですが、休みの日は必ず鹿児島か熊本の研修に行っていました。

さくらじまハウス2020での登壇の様子

ーすごいですね。参加してみて、実際にどんなことを感じましたか。

よしこ:
やっぱり耳にする企業は、限られているなということを強く思いました。

イベントを主催している企業って、鹿児島だと3,4社くらいしかなくて、その中でも1番光っていたのがペパボでした。協力の仕方がすごかったです。

鹿児島Ruby会議01のときは、イベントの運営を全社を挙げて行っているんじゃないかと感じるくらいで、福岡・東京オフィスからの参加者が両手じゃ足りないくらいいたように記憶しています。その上運営にも全力で取り組んでいて、「この会社だと本気で鹿児島を盛り上げられるな」と思いました。

ー確かに2019年の秋は、HRブログでもお知らせを出すくらい、特に鹿児島でのイベントが盛んな時期でした。ペパボの印象はどうでしたか。

よしこ:1番は上場企業っぽくないなって思いました。笑

もちろん上場企業らしい部分もあるのですが、実際の行動を見ていて、すごく熱いなと思って。口先だけで「鹿児島を盛り上げたいです」って言っていないなということを強く感じました。

平日4時間、休日は8~10時間の勉強。とにかくプログラミングが楽しかった

ーエンジニアリングの勉強はどうやって進めていったのですか。

よしこ:
最初はプログラミングスクールに入ろうと思って、いろいろ調べていたのですが、エンジニアとして働く友人に反対されて、Twitterや研修会などで実際にエンジニアとして働く人のからの情報を集めるようになりました。

その中で「Railsチュートリアル」という素晴らしい教材の存在を知り、それを学習してから、自分のポートフォリオサイトやサービスを作って、転職をするのがいいという話をたくさん聞いたので、2019年の12月頃からRailsチュートリアルを始めました。

ー独学でプログラミングの勉強を始めたわけですね。わからなかった時や、躓いた時はどうしていたのですか。

よしこ:
躓いたらとにかく調べていました。ただ一方で、Railsチュートリアルはほとんど躓かないようにできているんですよね。躓くところってだいたい自分のtypoとか、ちゃんと手順通りに進めていなかったりします。

それでも2日間、同じエラーで躓くということがあったのですが、その時は参加した勉強会で現役エンジニアの人に教えてもらって助けられました。

ー実際に会社を辞められたのはいつ頃だったのですか。

よしこ:
退職したのが3月末で、会社にいかなくなったのは、3月の頭頃ですね。

ーRailsチュートリアルは働きながら進められていたのですね。どういうスケジュールで進めていたのですか。

よしこ:
朝6時に起きて、6時半から始業の8時まで職場で勉強します。そこから仕事をして、定時の5時半に帰って、夜ご飯を食べた後、2~3時間勉強という感じで、平日は1日4時間くらい勉強をしていました。あと土日はできるだけ進めて、1日8時間~10時間勉強している感じでした。

ーRailsチュートリアルは、やってみてどうでしたか。

よしこ:
すごく楽しかったですね。職場でコードは書けないですが、Railsチュートリアルを読むことはできたので、お昼休み時間などを使って読み進めて、帰ってコードを書いていました。

ーRailsチュートリアルを終えたあとは、何をされたのですか。

よしこ:
Railsチュートリアルが終わったら作りたいと思って書き留めたアイデアの中から、もともと興味のあった投資に関するアプリケーションを作ることにしました。

具体的に言うと、自分の気になる企業をフォローして、その企業がだす適時開示情報を一覧で表示させるといったアプリケーションを作りました。

ーそのアプリケーションは、どのくらいの期間で作ったのですか。

よしこ:
1ヶ月半くらいで作りました。

ーすごい!けどそのアプリケーションって、Railsチュートリアルを学習しただけでは作れない気がしていて…

よしこ:
おっしゃる通りです。そもそもRailsチュートリアルをやっただけでは企業は絶対に採用してくれないと思っていたし、自分でも「これだけでは業務は無理だな」と思っていました。

Railsチュートリアル+αで自分の色を出したいと思って、より業務に近い技術であるAPI取得や、Docker、CI/CDなどを使ってアプリケーションを作ろうと考えました。

28歳という年齢を強みに変える転職戦略

ーなるほど、それでより業務に近い知識も習得していったのですね。

よしこ:
転職活動の戦略として「業務に近い技術を独学で身に着けることができました。」というのは、自分のアピールポイントの一つになるかなと考えていました。

ー転職活動の戦略を立てていたのですね。

よしこ:
はい。当時28歳だった私は第二新卒枠にはぎりぎり引っかからないかもという状況で、かつ未経験転職である、という二つの弱点であったんですね。

その二つの弱点を抱えたまま転職活動をするとなると、おそらくライバルは新卒やもう少し若い未経験転職者になります。

ライバルに勝つためにはどうすればいいかと考えていた時、おそらく「言われたことをやります」ではだめだろうと思いました。

私の強みは、28歳で社会経験もあって、マネージャー経験もあったので、強みを活かした自己マネジメント力をアピールしないといけないと思って、「独学でこれだけのことをやりました」と言えるようになるのが、一つ筋の通るやり方かなと思いました。

あと「自走能力が高い」というのをアピールしたかったです。

具体的には、解決したい課題があって、それに対してどういう風にその課題を分析して、どうアプローチしたかというのを説明して実装まで一人でできることが重要だと考えました。

それを証明するために、Railsチュートリアルを一人で進めた終えたこと、その後新たな技術を付け加えてアプリケーションを作成することができれば自分の強みをアピールできるかなと思いました。

ーペパボを受けたのはいつ頃ですか。

よしこ:
作っていたアプリケーションが人前に出せるなと思ったのが3月中頃だったので、その時にエントリーシートを書きました。

今の話で全部抜けていたんですけど、2020年の2月頃から新型コロナウイルスが流行していました。当時はまだ混乱していた時期なのですが、私は絶対経済が崩れるなと思っていて、そうなったら私のような、将来に対する投資、未経験転職者の採用が1番最初になくなると思って、すごく焦っていました。

ー転職活動では、どのくらいの会社を受けたのですか。

よしこ:
結局ペパボしかエントリーシートを出さなかったんですよね。

もともとペパボが第一志望で、イベントの懇親会の二次会で、CTOであるあんちぽさんのテーブルに座って「ペパボの選考を受けたいと思っているので、話聞きたいです」って言ったりもしました。笑

ただ、落ちたらどうしようというのは、ずっと考えていました。落ちたらいよいよ介護業界に戻らないといけないじゃないかと、すごく不安でした。

ー面接はどうでしたか。

よしこ:
ブログに書いてあった通りだなと思いました。

面接の前にテックブログやHRブログを見ていて、ペパボはカルチャーマッチを重視している印象を受けました。

実際の面接でも、カルチャーマッチに関する質問がすごく多いんですよね。

例えば「私たちが大切にしている3つのことについて、今の自分ができることはなんですか」とか。

最終面接だけでなく、あんちぽさんの技術面接でもそこまで多くはなかったのですが、カルチャーに関する質問があって「あー本当に文化を大切にされている会社なんだな」と強く思いました。

憧れのWEBエンジニアは、想像していた何倍も楽しくて刺激的な日々

ー無事に内定となり、6月に入社されて、まずはどんなことをしたのですか。

よしこ:
2ヶ月間フィヨルドブートキャンプの研修に参加しました。

ー研修は、どうでしたか。

よしこ:
楽しかったですね。これまで独学で勉強してきたので、例えば「ターミナルの動かし方」とか「コマンドが動く原理」とか、前提知識を体系的に勉強していくというのができていなかったので、基礎を知れて、すごく楽しかったです。

ー研修後、ホスティング事業部に配属されて実際の業務をやってみてどうですか。

よしこ:
勉強することばかりで、とても丁寧に教えてくれる先輩パートナーの方々に頭が上がらないというのが正直なところです。

あとホスティング事業部のサービスは歴史が長く、レガシーな技術に触れることも多いのですが、それが思った以上に面白いなと思っています。

ーレガシーな技術と聞くと、私は少しネガティブイメージを持つのですが、面白いんですね。

よしこ:
はい。そこにあるコードはサービスや技術の成長に併せて試行錯誤を続けてきたものですので、そのコードに触れることで十数年分のノウハウや技術を効率よく吸収できます。また仕事で学んだことを活かして、自分の作っている独自のサービスにアウトプットして技術を自分のものにしていくというのは、すごく刺激的で面白いです。

それと、レガシーとは関係ないですが、ペパボで働くというのがすごく面白いですね。

ー具体的に教えてもらってもいいですか。

よしこ:
ペパボは一言で言うとすごくフラットなんですよね。

「よいサービスを作ろう」という前提があるので、対等な関係でレビューが行えるし、入社したばかりの私にも、「思ったことはどんどん言ってほしい」と言われるので、すごいなと思いましたね。

あと質問もしやすくて、「こんなこと聞いていいのかな」という時も、「聞いてもらった方が効率がいいんで」とペパボではしょっちゅう言われて驚きました。

本当に働いていて楽しいなと思いますね。

ーよしこさんは、入社当初からリモートワークだと思うのですが、やってみてどうですか。

よしこ:
控えめに言って最高です。

理由が2つあって、1つ目は自分の自由な時間もちやすいということです。

通勤がないので、自分の自由な時間が確保できるという点がすごく素敵だと思います。

プラス休憩時間も自分の家で過ごせるので、その時間で趣味のことをやってもいいですし、私の場合は娘が生まれたばかりなので、娘と一緒に過ごせる時間が増えるのは、ものすごくQOLが上がります。

2つ目は、全社的にリモートワークを行っているので、鹿児島で働いていても、ほかのメンバーと同じ条件で働けるという点です。今までは東京の人たち、福岡の人たちと区切りがある中で、そこに入っていかないといけないという難しさがあったのですが、今は区切りがないので、鹿児島にいながら、東京や福岡にいる優秀なエンジニアから直で指導を受けられて最高だと思っています。

ー最後に、ペパボで働きたい方やエンジニアを目指す方にメッセージがあればお願いします。

よしこ:
一部の意見で、リモートワークやフレックスタイムへの憧れだけでエンジニアにならないほうがいいと言われています。

確かに、エンジニアは一生勉強し続ける仕事ですので、憧れだけでエンジニアになってしまうと後悔する人がいると私も思います。

その一方で私自身エンジニアリングが楽しくて、自分で手を動かして作ったものが、社会に価値を提供していくエンジニアの仕事はすごく魅力的だと思っています。実際にエンジニアになってから、そういう魅力に惹き込まれる人も多いのではないでしょうか。

なので、最初の動機がどうであれ、エンジニアになりたいという思いや憧れがあるのなら、ぜひチャレンジしてみてほしいと思います。

少なくとも今の私から言えることは、ペパボのエンジニアになることができると、想像していた何倍も刺激的で楽しい日々と送れますよということです。