コロナ禍の中、サービスにできることとは。ホームページ上での商いを支援する「グーペ」の取り組み

コロナ禍でインターネットの利用や活用が増加する中、リアル店舗のネット活用にも変化が起きています。ペパボにおいても、コロナ禍のショップ運営支援として、ホームページ作成サービスを運営している「グーペ」より、ホームページ内で予約受付が完結できる「イベント予約」機能を2020年11月にリリースしました。今回は、コロナ禍においてサービス需要が高まっている「グーペ」の開発チームにスポットを当て、リリース後のユーザー反響や、新機能の開発の様子、チームの雰囲気や今後の展開などについてお話を伺いました。

自己紹介

鹿島 恵実(かしま めぐみ)
Twitter:@takidev
あだな:かしめぐ
EC事業部ECグループGCXチーム ディレクターです。プロレスや格闘技の観戦が趣味です。

山川 暁子(やまかわ あきこ)
あだな:やまき
EC事業部ECグループGCXチーム デザイナー。最近ハマっていることは「A列車で行こう(ゲーム)」での街づくりです。

コロナ禍のユーザーニーズをいち早く捉えて実現した「イベント予約」機能

-「グーペ」といえば、2009年に飲食店向けのホームページ作成サービスとしてリリースされましたが、現在はどのようなユーザーにご利用いただいているのでしょうか。

かしめぐ:

はい。前述の飲食店はもちろん、美容、教室や塾、病院、企業のサイトや個人のホームページなど、様々な業種から個人の方まで幅広くご利用いただいています。サービスの特徴として、とにかく簡単にホームページの作成ができること、さまざまな業種にお使いいただける豊富な機能がそろっていること、高品質なテンプレートがあること、電話での問い合わせ受付やWebメディアでのお役立ち記事の発信などのサポート体制が充実していることなどが、個人から店舗や企業まで幅広いユーザーに支持されている理由だと思います。

-2020年11月にリリースされた「イベント予約」機能が好調とお伺いいたしましたが、どのような機能なのでしょうか。

かしめぐ:

予め時間・内容などが決まっているイベントやセミナー、スクール、テイクアウトの事前予約など、設定次第で様々な予約受付を自身のホームページ上で簡単に行うことができる機能です。

セミナーやスクールなどのように時間・定員・内容などが固定化された予約枠への予約を簡単に行うことができ、設定項目がシンプルで始めやすいこと、どんな業種・サービスでも使えるというのが特長ですね。

利用アカウント数としても、当初の想定よりも3ヶ月も早く目標数字を達成し、手応えを感じています。

「イベント予約」機能を掲載したショップ画面のイメージ

-2020年11月に「イベント予約」機能をリリースした狙いは何でしょうか。

かしめぐ:

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、店舗・施設には「3つの密(密閉・密集・密接)」の回避やソーシャルディスタンスを確保するなどの感染防止対策が求められており、来店人数や来店時間を制限する予約制を取り入れる店舗が増加していました。

また、ワークショップやセミナーなど店舗や施設で行っていたサービスも、特定の時間帯に人数を制限してオンラインで提供するといった動きも多くみられ、これまで以上にオンラインで予約を行う機会が増えてきていました。

このようなユーザーニーズの高まりを受け、グーペでも、コロナ禍におけるショップ運営支援となる「イベント予約」機能をなるべく早いタイミングでリリースしたいと思い、昨年11月にリリースを行いました。

-リリース後のユーザーの反響で印象的だったものはありますか?

かしめぐ:

コロナ禍におけるリリースだったため、オフラインでの集客に課題を感じていたお客様から多くのポジティブな反応をいただけました。

今回、リリースが昨年11月だったこともあり、洋菓子店を運営されている事業者様より「クリスマスケーキの店頭販売の予約を承るのに大変便利だった」「予約を受けてからお渡しするまでに日にちを頂戴する洋菓子店においてぴったりの機能だった」といった喜びのコメントや、今後への期待をよせていただいたのが印象的でしたね。

- すごく嬉しいお言葉ですね! ちなみに、他業種のユーザーはどのようにこの機能をご活用されているのでしょうか。

かしめぐ:

「イベント予約」機能を導入したお客様のうち、およそ45%は、サービス業や美容関係の事業者様です。内容は多岐にわたっており、例えば、フラワーアレジメントのワークショップやオンラインヨガ、エステなどさまざまな事前予約にご利用いただいています。

また、インターネットサービスをご利用いただくユーザーは首都圏エリアにお住まいの方が一般的には多いのですが、地方の事業者様のご利用も多いです。その他、サロンや飲食店の来店予約は我々が想定していたよりも活用いただいており、幅広い形でお使いいただいていることが、今回の結果につながっていると感じています。

リリーススピードと機能充実の狭間で考えた、ユーザーに意味のある価値とは

-多様なユーザーに活用されている 「イベント予約」機能ですが、リリースするにあたって大事にされていたことはありますか。

やまき:

「イベント予約」機能開発のきっかけの1つに「コロナ禍で苦しむユーザーの助けになりたい」という思いがあったので、「ユーザーの負担にならない機能」を提供したいと考えました。すなわち、既存の機能と変わらなく使えるようにすることですね。

「コロナ禍」という今まで経験したことの無い苦しい状況下だからこそ、それを解決するツールである「イベント予約」機能は、できる限りユーザーのコストを少なくした状態、かつ、早くリリースしたいと思ったんです。

-ユーザーの負担にならない機能を実現するために、意識されたことはありますか?

やまき:

1点目は、「ユーザーが再ダウンロードすることなく、全テンプレートでイベント予約の利用を可能にする」ということです。これは、過去の実装経験からエンジニアさんに提案をいただきました。

実装においては、テンプレートのカスタマイズに制限がかかるなど、ある程度ユーザーの自由度を減らすことで、今までは必須だった機能反映のためのテンプレートの再ダウンロードを無くし、かつ、全テンプレートで「イベント予約」機能が使えるようにしました。

2点目は、「イベント予約の初回リリースは、最低限の機能に絞る」ということです。ユーザーの使い勝手を良くしたいという思いから、気がつくと機能が盛りだくさんになってしまい、開発期間が長引きそうになるということがありました。しかし、その都度チームメンバーでユーザーに意味のある価値を早く届けるために、機能の中で「何が必要で、何が不要なのか」を話し合いながら、決めていきました。

3点目は、「管理画面上のイベント予約機能のデザインは、既存機能の見せ方や使い方から大きく外れないように設計する」ということです。ここは、最小限の学習コストにすることで、多くのユーザーに使っていただけるものにしたいと考えました。

管理画面のイメージ


-機能の実装において、苦労した点はどの部分だったのでしょうか。

やまき:

苦労という点では、テンプレートのデザイン毎にcssの設計が異なるので、最適なcss設計にすることが難しかったですね。あとは、機能の中で「何が必要で、何が不要なのか」を開発メンバーですり合わせることですね。今回はリリースのタイミングも重要でしたので、その取捨選択を適宜行うことは苦労しました。

職種を超えたコミュニケーションがチームの良好な雰囲気を作る

-メンバーと密にコミュニケーションしながら、ユーザーにとって価値ある機能を提供しようというメンバーの想いが伝わるエピソードですね。普段のチームの様子についてもお伺いしたいです。

やまき:

現在グーペはミッション毎にチームが分かれており、ディレクター3名、エンジニア3名、デザイナー3名、その他お問い合わせ対応をいただくメンバーで構成されています。

チーム・職種関係なくグーペに携わるメンバー同士のコミュニケーションは良好で、普段は、月・水・金曜日の昼休み前にみんなで集まり、自分が携わっている仕事やプライベートなことなどざっくばらんに話しています。そのため「誰が何をやっているかが分からない」というような不透明感を入社してから感じたことはないですね。

サービス全体のコミュニケーションだけではなく、チーム内のコミュニケーションも良好で、誰かが何かを行った時にすぐにアイコンなどで反応があるなどSlack上のコミュニケーションがとても活発です。開発中に困ったことや疑問に思うことがあった場合、Slack上で呟くとすぐにメンバーが駆けつけてくれて対話を通じたサポートをしてくれるので、すごく助かっています。

特に、今回の「イベント予約」機能開発は、私にとって初めての機能開発だったので、チームメンバーのかしめぐさんやエンジニアさんと気軽に意見交換ができる環境が整っていたのはすごくありがたかったですね。

かしめぐ:

「イベント予約」機能開発のコアメンバーはエンジニア、デザイナー、ディレクターである自分の3名ですが、ステークホルダーの存在も心強いです。CSメンバーでいうと、イベント予約に関わる問い合わせを issue に集めてもらったり、ユーザーテストに参加いただいたり、その後の開発に対してアイディアをだしていただくなど、積極的にサービス開発に関わってくれるので私自身、とても楽しい気持ちで開発ができています。

実はやまきさんも私もSlack 上では積極的なのですが、引っ込み思案なところがありまして… このような場が苦手なのですが、「がんばろう!」と2人で言い合って出演しています(笑)そうやっていろんな方に支えられながらお仕事ができてます。

ユーザーの商いをあらゆる形でサポートしたい

-グーペグループは2月からECグループへ統合となりましたが、今後どんなポジティブな変化がありそうでしょうか。

やまき:

ビジネス面においては、「グーペ」と「カラーミーショップ」の住み分けが明確となったことで、お互いのサービスが良い状態でサポートしあうようになりそうだと思っています。

また、隔週で実施しているECデザイナー定例に参加するようになり、カラーミーショップの知見を知る機会が今まで以上に増えたというのもポジティブな変化の一つです。サービスの課題に対してどのようにデザインで解決していったのかという部分を見られるのが、自分が仕事する上ですごく参考になっています。

あと「カラーミーショップ」は「グーペ」に比べてユーザーテストを多く実施しているということも新たに得られた情報です。「カラーミーショップ」での取り組みを見て、ユーザーにとって良いサービスを作るにはユーザーテスト必要だという思いが強くなっています。「カラーミーショップ」の知見を「グーペ」に取り入れつつ実施の強化をしたいですね。

-最後に、今後「グーペ」において、どのようなことに力をいれていきたいかを教えて下さい。

やまき:

まずはイベント予約機能を中心に、機能拡充を行っていき、管理画面全体の使い勝手を良くしていきたいと思っています。今回はユーザーの負荷を最小限にするということもあり、デザインを設計部分で既存の仕様に合わせるところもありましたが、今後はゼロベースで管理画面の全体の最適化に繋がるような開発を少しずつ行っていきたいです。

かしめぐ:

ホームページ作成サービスとして生まれた「グーペ」ですが、ホームページの作成にとどまらないサービスに進化していきたいです。昨年リリースしたオンライン決済やイベント予約機能はこちらが想定していたよりも多くの反響がありました。コロナ禍を経て、ホームページ上で商いを行うことはスタンダードになっていくと思うので、ユーザーの商いをあらゆる形でサポートできるようなサービスにしていきたいですね。

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