【ペパボ マネージャーコラム/HR統括部 HR統括グループ 間浦 剛】キラキラしていないマネージャー

みなさんにとって”マネージャー”とはどんな存在ですか? 業務や面談を通じて話はするけど、マネージャーが今考えていることを知っている人は少ないかもしれません。そこで、本コラムでは、ペパボのマネージャーが書き手となり、個性溢れるマネージャーの”今”を発信します。

自己紹介

間浦 剛(まうら つよし)
Twitter:@mau_rin
あだ名:まうりん
HR統括部門でマネジメントしているつもりが、よく「あなたが居なくても大丈夫ですよ!」と言われるようになり、マネージャーとしての存在感が薄れていくことを不安視している。最近の日課は、最寄り駅の途中にある公園で、ハトに「おはよぅ!」と声をかけることです。とにかく、笑いの絶えない組織づくりをモットーに頑張っている。

リーダー能力ある前提で、チームメンバーから怒られることが日常茶飯事

 まずは、ペパボのマネージャーが、僕のような人ばかりだとは思わないでほしい。僕は現在ペパボのHR統括部のマネージャーをしている。特別意識をしたわけではないが、HR統括部(人事チーム)は、12名中、10名が女性で構成されている。

 女性メインのチームのマネージャーだからこそ見えてきたことや、マネジメントしていくなかでの“揺らぎ”について、ここで勝手に語らせてもらおうと思う。ちなみに僕はチームメンバーから怒られるマネージャーだ。怒られるマネージャーが、ペパボの人事を任されている事実を伝えたい。

 特にそう狙ったわけではなく、結果的にペパボの人事チームはほぼ女性で構成されている。今年、新卒入社で人事チームへ配属になる方も女性だ。僕を知っている人達からは『間浦の趣味でしょ?』とか『意図してやってるんでしょ?』と言われ、最近では返すこともめんどくさくなり「ぼくの底なしの趣味であります!」と応えている(笑)。これ何の話??

  過去の自分が配属された組織を考えると、人事チームはほぼ男性で構成されている会社が多かった。そのため、コミュニケーションはいつも、マネージャーからの投げかけや1対1の指導対応が多かった。それに慣れてしまっている自分がおり、ペパボの、女性が中心となる人事チームでは、コミュニケーションの仕方やチームビルディングの方法など、試行錯誤の連続だ。そうしているうちに、メンバーから、ミーティングや普通に席で仕事している際にも、“怒られることが多いマネージャー”となっていった。

 言われたことを思い返してみると「メンバーがやっていることをもっと管理職として、しっかり見ないと!」や「そこはマネージャーとしてやるところじゃないの?」「それってマネージャーが居る意味ある?」とか、かなり言われた覚えがある(笑)。

 ただ、勘違いしないでほしい。マネージャーが怒られることが“ダメ”なのではないということ。もっと自信をもって!(と、自分にいつも言いきかせてますが)例えば、父親になる時って、子供が生まれてはじめて父親という場所に立たせられる。そこで急に父親能力が備わるなんてことはない。そんなのは、漫画やゲームでしか見たことない。どちらかというと、自分が子供の時、父親をどう見ていたかを思い出しながら、“自分はこうする”というものを決めていくことが重要だ。

 僕のマネージャー像も同じで、最近で言うところのサーバントリーダーシップが当てはまる。一緒に問題文をつくって、一緒に解決していくためにチャレンジを多くしていく。父親も時には間違うし、子供っぽいし、舌出している部分も見せていくことが良いと思っている。マネージャーも一緒だ。

まうりんの語録 ~その時、チームが動いた~

  • あのなぁ、そんなんスーパーマンでもずっとヒーローでおられへんで。スーパーマンじゃない時も見せることがチームには重要なんや。
  • マネージャー居なくてチームが前に進めるなら、最高やん!
  • ぼくが“歩くリスク”って、どういうこと?

停滞しないように、ずっとしゃべってコミュニケーションをはかる

 以前は、コンビニで女性雑誌を読んで、女性の関心どころを探って、そこから共通の話題につなげようとしていたこともあったが、自分で自分が“キモい!”となってやめた(笑)。男性で構成された人事チームとは違い、自分から一方的に話題づくりをするのではなく、話を聞くことの延長線上で、メンバーが持っている悩みや答えを引き出せることに気づいた。

だからぼくはチームの中で一番よくしゃべる。結構な頻度でしゃべる。会社の中でも一番しゃべる。

 一般的に、「チーム」は、メンバーが出入りする。それに、誰かしらが落ち込んでいたりもする。声を掛けやすいチーム体質が大事だ。僕がしゃべることによって、しゃべりやすい空気がうまれる。

 さらに、ペパボの“あだ名文化”の助けもあって、マネージャーから求めなくても、普段の何気ない会話発生しやすくなる。会話が増えることによってマネージャー側から働きかけずとも、相談や報告がうまく上がってくるようになった。ほんとうに一番うれしいこと。

 会話が増えることには他にも良い効果があり、世間話的に情報共有ができるのだ。自然と会社の情報や、今何が起こきているかの共有が、日常的に行われるようになり、そのことで構えたりせずに、意見交換も容易にできるチームとなった。

まうりんの語録 ~その時、チームは動いた~

  • メンバーから聞き出すから、あかん!引き出すんや。
  • ぼくは、みんなの踏み台やからね。
  • (目の前のことに専念している人に)近くだけ見て車を運転してみ?めっちゃ怖いで。遠くを見て運転すると景色も気持ちがええし、運転しやすいで。

MGRが全て評価するのではなく、周囲から声を届けてもらうこと

 前記のとおり、以前の会社では人事チームが男性で構成されており、さらに6名のチームだったため、、1対1で指導やコミュニケーションをはかることが多かった。今は10名超える女性で構成されており、メンバーひとりひとり、全員とコミュニケーションをとることは難しい。

 評価は特にそう思う。「ここ良かったね」というと、場当たり的に評価をしたような雰囲気になることもあった。多面的ではなく、一部の側面だけを見て言われたように感じるようだ。だから、格好の良い言葉で慰めるより、マネージャー自身が観察力を高め、しっかり見ていることをさりげなく伝えることが重要である。さらに、マネージャーが評価するだけではなく、日常的にチームメンバー同士からも評価や称賛を届けてもらうことをが重要だ。マネージャーと同じようにチームメンバーは他のメンバーについて考えている。それを直接伝えてもらうことがはとても大切だ。ペパボでは“オープンマインド”の文化がある、周囲のチームや個人から称賛を受けたり、評価を伝えてもらったりする機会が少なくないことに、とても感謝している。

まうりんの語録 ~その時、チームは動いた~

  • (自分が急に変な事をした後)意味なんかない!チームに笑いは必要や。
  • オフィスが急にフリーアドレスになって変化すんのと一緒で、意識の改革よりも働き方改革が先で、目の前に変化しなさいを仕組みで見せるでええやん。
  • 免許取る時に「事故しません」というのと一緒や。実際どうや、世の中に事故ないか?経営もマネージャーも事故することあるんや。

そんなオーラのないマネージャーでチームはどうなったか

 よく組織は「生き物」と言われるが、以前はそうなっていないと感じていた。チームメンバーが有機的に、自律的に動く「生き物」=組織を自覚して実践することに、みんな苦労している様にみえてた。「マネージャーが決めること」を期待しており、ひとつの仕事をするたびに、顔色をうかがう傾向があった。

 しかし、しゃべりつづけ、コミュニケーションが増えるにつれ、その傾向が薄くなってきている。そして、とにかくマネージャーの私には、めちゃくちゃ意見ぶつけてくるようになった。全員が全員。これは、僕にとって非常に健康的なチームだと思える。以前はマネージャーの反応や評価を意識したり、確かめる場面が多かったように思うが、今では、周囲の反応や評価に対して、誰かの顔色を伺うではなく、自ら考えるようになっている。

 いまの世の中、マネージャーが頑張って大きな成果をつくりだすことは、そんなに多くない。マネージャーだから成功法や必勝法を持っていることもほぼない。父親と同じでマネージャーだから全て備わっているわけではなく、舌を出すことだってある。だからこそ、それぞれが発生する事象を直視し、課題に対して、メンバー同士で相談したり、話し合っていく行くことが必要だ。そのためにはそういった土壌がづくりが重要となり、今後もそれをチームで形成していきたいと思っている。

 そして僕はというと、相変わらず「みんなのマネージャー像」に即していないため、怒られる日々を送っている。僕がパンチドランカーになる日も近い(笑)。女性中心の人事チームのおかげで、僕のマネジメントが変化できていることも事実で、怒ってくれるメンバーに感謝しかない。