チームが目指すべき指標を掲げる意義

自己紹介

西岡健人(にしおか けんと)
Twitter:@ashlaman
あだな:けんと
ホスティング事業部CXチーム サブマネージャー。趣味は、Googleマップの航空写真で海岸線を探って良さげな釣り場を見つけることです。釣りのメインはエギング、ライトジギングです。

はじめに

はじめまして、ホスティング事業部 CXチーム サブマネージャーの西岡です。僕が所属しているCXチームは、主にプロダクト開発を中心にお客様がロリポップなどのホスティングサービスの利用にあたって、顧客体験を向上させる役割を担っています。

チームのミッションは、「ユーザーが実現したいことに夢中になれるように、使いやすい環境を提供する。あわせて、サービス体験向上のために、常に改善し続ける」です。

CXの領域はとても広く、カスタマージャーニーのすべての領域に気を配る必要があります。また多くのステップにおいて、顧客の体験を向上させる手立てを講じるにはチームの目線をひとつに合わせることが大事です。

CXチーム領域における指標の模索

CXチーム発足当初、CXには直接的な事業の成長につながる達成すべきものとして継続率というKPIが設定されましたが、ユーザーがどのような状態になった時に継続率が高まるか、CXとして何を達成すれば顧客体験が向上したと判断できる指標がありませんでした。

「ロリポップ!」では多くのユーザーにご利用いただいており、施策の大小はありますが、CXチームの施策が、ユーザー体験にダイレクトに反映されるものだけではないため、ユーザーにとってメリットがあり、体験が良くなるとしても、その施策のやる意義をチームとして持てず、疑心暗鬼に陥ったまま進めることを避けたいと考えました。

そのようなこともあり、そもそも我々のチームはどのような状態を実現するのか判断できる1つの目標が必要でした。

当初はNPSという意見も出たのですが、NPSの調査には定性、定量分析をかけ合わせる必要があり、集計にもある程度の期間が必要になりますし、施策がどのような影響を与えることができたか定点観測することが難しいという問題もありました。

そこで、メンバーが自分ごととして捉え、どのような状態になればCXチームがサービス貢献できているのかという指標を定めるために North Star Metirics を参考に独自の指標を設定することにしました。

North Star Metricsとは

North Star Metiricsとは、企業の長期的な成功を最も予測することができる指標です。「北極星」と認定されるためには、「収益につながる」「顧客価値を反映する」「進捗を測定する」という3つのポイントを満たす必要があります。この3つのポイントを満たす指標があり、すべての部門がその指標の改善に貢献すれば、企業は持続的に成長することができる、という理論です。

https://mixpanel.com/topics/north-star-metric/


一例として、Facebookは毎月のアクティブユーザー数、Airbnbは宿泊予約数、Spotifyでは、リスニングに費やした時間がそれにあたります。

まず、North Star Metricsの3つのポイントをCXチームのスコープで再言語化しました。

  • ユーザーの状態が収益に結びついていると判断できる
  • ユーザーの体験と提供価値が繋がっている
  • ユーザーがどのくらいサービスに定着しているか進捗がわかる

そして、良いNorth Star Metiricsの条件である下記の条件も満たした指標を見つけることにしました。

  • 長期的には右肩上がりになる
  • 組織で理解してもらいやすい

チームで多くの議論や分析を重ね、「アクティブサイトを有するアカウント数」という指標を導き出しました。この指標をもう少し説明すると、”ある期間中に一定数のアクセスがあるサイトを運用しているユーザー数”となります。そして、この指標を条件と照らし合わせてみます。

収益に結びついている

  • 分析の結果、一定のアクセス数のあるサイトを有するユーザーの継続率が高いということがわかりました。提供しているサービスは、有料サービスであるため継続率が高いということは収益化ができていることになります。

ユーザーの体験と提供価値が繋がっている

  • レンタルサーバーを契約するユーザーにとって、サイト作成は集客の手段であり最終的な目的ではありません。情報発信をおこない、サイトへ集客し、情報を受け取ってもらえる状態になることで初めてサイトの存在価値がでてきます。

ユーザーがどのくらいサービスに定着しているか進捗がわかる

  • アクティブサイトを有するということはユーザーは利用し続けているということです。

長期的に右肩上がりになる

  • アカウント数=ユーザー様を増やすことは長期的に右肩上がりになります。ユーザーの継続率という案もありましたが、こちらは右肩上がりになることはなく、 最大は100%となるため、天井があり現実的に達成は不可能な指標となるため候補から外れました。

組織で理解してもらいやすい

  • アクティブサイトを有するアカウント数 は複雑な条件ではなく、誰もが理解しやすいものであるとCXチームでの認識は一致しました。

ユーザーのゴールを常にイメージする

CXチームの領域における指標を設定できたことで、直接的にはごく一部の数値にしか影響しない施策であっても、チームの指標を設定することでひとつひとつの施策に対して優先度を判断しやすくなり、チームが納得感をもって取り組むことが可能になりました。

また、日々の細かい施策の積み重ねは大事ですが、達成するためには何ができるかを広い視野で考えることが大切です。目標の達成に向けてひとっ飛びできるような革新的なアイデアを生み出すには、ユーザーのゴールをイメージして施策を考える必要があります。

課せられたKPIの改善に集中することも良いですが、どのようなビジョンを描いていくのか常に意識していることが大事です。

お客様にとって、サービスでホームページを作ることは、あくまでも目標達成やゴールに辿り着くための手段です。手段を使ったその先で、お客様が何を求めて、何を実現したいのかを意識してより良い体験を提供していきたいと思います。

最後に

ホスティング事業部では、一緒にサービスを盛り上げてくれる仲間を絶賛募集中ですのでお気軽にご連絡ください。

最後まで読んできただきありがとうございました!

CXチームの飲み会の一コマ(コロナ禍前)

現在募集中の求人