スキルピラミッドで考えるメンバーの成長支援

自己紹介

宮下 晃(みやした あきら)

Twitter:@akrmiya 

ホスティング事業部 マネージャー

おいしいものが好きです。最近、チリビーンズを作った翌日に 特製マサラを入れスパイスカレーへ変化させると2度おいしいことを覚えました。

こんにちは、ホスティング事業部でマネージャーをしている宮下です。2011年に入社、同事業部の技術職として配属、主にホスティングサービスにおいて新機能開発や運用に関わっていました。2017年より現職。ミドルマネジメントとして事業の予算計画策定や組織目標マネジメント、チームメンバーのピープルマネジメントに携わっています。

今回はピープルマネジメントについて、普段私が意識下において考えていることについてお話したいと思います。

メンバーの成長で事業成長を加速させる

マネージャーの責務は投資に対する事業成果を最大化することにあり、そのアプローチの1つとして「チームメンバーのエンパワーメント」があると考えています。これはペパボにおける「マネージャー要件」においても定義されており、ペパボでのそれは ”権限移譲” という意味合いに閉じず、成長機会の創出、心理的安全性の維持なども含まれています。

メンバー個々の成長が組織力を向上させ、組織のアウトプットが増え、結果事業目標の達成や成長の加速を生むとしたら… 簡単なことではないですが、マネジメントに携わる人であれば業種業界問わず実現したいことですよね。

私もメンバー個々の成長のため、日々1on1などのコミュニケーションを通じてひとりひとりの状態確認に努めています。「どんな機会があれば成長につながる?」「本人の感じる停滞感はどうすれば払拭できる?」そういった確認のため活用しているものの1つが、今回紹介するスキルピラミッドです。

スキルピラミッドとは

個のスキルを分類しピラミッド構造にしたものが通称「スキルピラミッド」です。構成は解釈によって変わるのですが、大きく3つのレイヤーに分かれているのが共通する特徴であると思います。

上段:専門スキル・・・職種ごとに異なる業務遂行に必要なスキル。

中段:ポータブルスキル・・・職種 部門 業界 問わず活用できるスキル。

下段:スタンス・・・働くことに対する姿勢や考え方。動機づけやそれを維持する意欲。

私はポータブルスキル領域を「コンセプチュアルスキル」「ヒューマンスキル」に分けています。

「テクニカルスキル」は業務遂行能力のことです。エンジニアであればプログラミング言語や設計についての知識など、デザイナーであればリサーチの知識やビジュアルデザインなどの能力。ホスティング事業においてはサーバーやドメインの知識など、その職種・業種において業務遂行するため必要な知識です。

「コンセプチュアルスキル」は概念化能力のことです。物事を概念化したり抽象化して本質を捉える能力です。主に論理思考力や課題発見能力などがこれにあたります。経営者などトップマネジメントほどこの能力が重要である、とされてきましたがAI化やオートメーション化が進む昨今ではあらゆるレイヤーにて重要度が増している能力だと思います。

「ヒューマンスキル」は対人関係能力のことです。チーム内外で人と関わり仕事をするためのコミュニケーション能力やファシリテーション力、プレゼンテーション力、リーダーシップなどが挙げられます。

スキルピラミッド拡大を個の成長と考える

では、個の成長はスキルピラミッドにおいてどのように考えることができるのか。私は以下の図にあるような「面積が拡大する展開」が成長であると考えています。

ヒューマンスキルだけ高い人、テクニカルスキルだけ高い人といった、ここでの分類において「1つだけどんどん大きくなるが他は低いまま」という人はあまりいないと思います。特に私は下段・中段の基盤がしっかりしている人、堅固なスタンス・より幅広いポータブルスキルを持つ人はより高く大きな専門スキルを築くと考えています。

皆さんの近くにいる「優秀で尊敬できる人」をイメージしてください。高い視座・継続した向上心(価値観・モチベーション)や論理的な思考力(コンセプチュアルスキル)、そして高い傾聴力やリーダーシップ(ヒューマンスキル)を持っていませんか?

スキルピラミッドでメンバーの今を捉える

個に当てはめたとき「どこを大きくするべきか?」を考えるようにしています。例えば成長が鈍化しているように感じられる場合「どこに課題があるか?」という問いをたてます。

もちろん、実際にこれらは相互関係をもっているため、完全に切り離して考えるのは難しいです。しかし「どこをより良くすると効果的か」という考え方はできると思います。野球におけるピッチングフォームやゴルフにおけるスウィングなど、全身を使う場合を考えてみてください。全体を最適化するために「手首の返し」「膝の使い方」などポイントを抑えることで改善することがありますよね。そのようなイメージで捉えています。

また、これらのスキルピラミッドの活用を通じて私が感じたことは、メンバーに同じ構造で言語化して共有するようにしています。スキルの言語化によりメンバー自身の自己認識の解像度を上げてもらいたいと考えているからです。停滞感があれば「やりようがある」と感じて欲しいし、バランスが良ければ自信を持って欲しい。何より今の自身の状況を自己認識することから、自発的なスキルアップへのアクションが生まれることを期待しています。

おわりに

今回は私がチームメンバーとのコミュニケーションで意識下に置いているものの1つ「メンバーの成長を図るモデル:スキルピラミッド」についてお話しました。

ペパボにはメンバーの成長を願うマネージャーが沢山いますし、何よりメンバー同士互いに成長を応援しあえる環境です。私の所属するホスティング事業部でも引き続き仲間を探しています。ペパボにご興味を持たれましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。

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