9月29日「デザイン思考ワークショップ@福岡オフィス」実施しました
こんにちは!GMOペパボ人事の船橋です。今回はデザイン思考ワークショップ第二弾の開催レポートをお送りします。
ペパボ福岡をもっとおもしろく!
今年の8月に東京本社マネージャーを対象に実施しましたが(その時のエントリー)、今回は福岡支社で勤務するリーダー以上のチーム責任者を参加対象としてやってきました。
イノベーティブなソリューションを見つけるための思考法の1つのフレームワークとしてデザイン思考を体験してもらう目的
ワークショップでの体験から、今後デザイン思考を用いて事業運営や組織運営をより良くすることを目指し、ペパボ福岡を最高(事業成長・組織活性化)にする。
タイムスケジュール
開始時間 9:30
終了時間 13:00
なぜリーダー以上なのか?
チームを担い、ペパボの仕事を通してのチームメンバーであるパートナーの自己成長と、事業成長の実現を合わせていくために重要な役割を担っているため。
今回の参加メンバーの中には既にデザインスプリントの経験者もいましたが、改めて「デザイン思考とは?」という根本的なところからスタートしました。しっかり伝えようとすると冗長になってしまうので、下記点をシュパッと明示。
- 人間の共感から問題解決を行う
ユーザーの共感から気づきを得て、問題解決を行う一連のプロセス - 越境型チームによる共創
様々な背景を持つ人たちと協力し、チームで問題の核心に迫る
- 反復的なプロセス
デザインプロセスを行き来して学習する
ワークショップおもしろかったね!で終わらせない
研修やワークショップなどの取り組みはそもそも目的があって実施されているはず。
単に交流すること、インプットから何かの理解を深めること、学びや気付きを提供し仕事に転移させること。実施する毎に目的や目標は様々ですが、今回は先述したとおり最終的にはペパボ福岡を最高(事業成長・組織活性化)にする
ことが私たちの目指すところです。
そのため、その場だけのやって満足だと不足がある。そこで、アクションプランを出すことをワークショップに組み込み、予め用意したSlackのチャンネル(#design-thinking-ws)で後日、実践したこと・そのアウトプットを報告してもらうことをワークショップのゴールに設定しました。
デザイン思考ワークショップ
- ワークショップを通してデザイン思考のプロセスを体験
- ワークショップでの成果物は後日実践してみること
- ワークショップ直後に実践できるものを生み出す
- 後日、Slackチャンネルで報告
ざっと上記のような概要を数分で説明し、アイスブレイクで場を温めてからワークショップを早速始めていきました。
ちなみに、アイスブレイクではみんなの絵心を発揮してもらうべく、描けそうで描けないお題を全員に30秒で描いてもらいました。名誉のために名は伏せますが、某女性副部長の画伯っぷりに全身の毛穴が開いちゃったので、こっそり共有します。
テーマ決め
職種や役職をMIXした4チームのそれぞれに、まずはワークショップで取り組むテーマを決めてもらいました。用意したフレームはこちらです。
私たちのチームは福岡支社の[◯◯事業部・◯◯チーム]を
もっとおもしろくする[◯◯]体験をデザインする!
- 「私たちのチームは福岡支社のパートナーをもっとおもしろくする休憩体験をデザインする!」
- 「私たちのチームは福岡支社の歓迎会をもっとおもしろくする幹事体験をデザインする!」
このようなテーマが挙げられました。様々な部署のリーダー、マネージャーが集まったため、固定の部署ではなく、福岡支社全体の改善案が皆さんから出されたような印象を持ちました。個々人が自分ごととして支社を良くしてきたい!という気持ちが感じられました。
ここから、共感[Empathize]→ 問題定義[Define]→ 創造[Ideate]→ プロトタイプ[Prototyping]→ 検証[Test]の5つのプロセスで展開していきます。
インタビュー
共感[Empathize]
ターゲットとなるユーザーを見つけ、行動観察やユーザーの場所が訪れるような場所に赴い調査を行うようなフィールドワーク、インタビューなどからユーザーが抱える課題やニーズを引き出します。
今回は、15分間でチームの中からユーザーを1名決めて、他のメンバーからインタビューを行ってもらいました。ここで重要なことは、表面化されている課題にばかりフォーカスするのではなく、インサイトを探ることにあります。ユーザー自身も「これが欲しい!」と明確になっていないニーズを探っていくことがイノベーティブなソリューションを生み出すヒントになります。
15分間のインタビューの後は、10分間でカスタマージャーニーマップを作成してもらいました。ユーザーの行動を時系列にまとめて、ユーザーがテーマで決めた体験をするまでの行動から思考や感情を探っていきます。カスタマージャーニーマップを作ることで、ユーザーの行動についてチームメンバーの認識にズレが起こらず、ユーザー目線で行動を追っていくことができます。カスタマージャーニーマップはフレームのテンプレが沢山ネット上にあるので、事前にテンプレートを紙で用意しておくと、チーム内で考える時間が短縮できます。
POV(Point Of View:着眼点)・HMW(How Might We Question)
問題定義[Define]
問題定義では、観察から見えてきたユーザーの実態からユーザーにとっての課題やニーズを探っていきます。ワークショップではユーザーインタビューとカスタマージャーニーマップから徐々に明らかになったユーザーのお困りポイント、言語化できていなかった実現したら嬉しいことなどを発見していき、ソリューションに向かうべき方向性を設定します。
POV
[◯◯(状況)]にある[◯◯(ユーザー)]は、[◯◯(行動)]する必要がある。
なぜなら[◯◯(建前)]だからだ。
とはいえ、本当は[◯◯(インサイト)]である。
上記のフレームでインサイトを抽出していきました。良い例を提示し、まずは個人ワークとしてポストイットに書き出していってもらい、その後チーム内で見せ合い、一つに絞ってもらいました。
POVに対して、チームで取り組むべき問題を定義します。
HMW
どうすれば私たちは[◯◯]できるだろうか?
この後アイデアの創出をしていくため、適切に問題を定義する必要があります。広すぎて解決できなかったり、視点が狭すぎてしまわないように解くべき問題を明確にここで定義します。ヒントとしては、ポジティブな部分を伸ばす、ネガティブを排除する、そもそもの前提を疑う、などがあります。
クレイジーエイト
創造[Ideate]
HMWが出たら、それに対するソリューションアイデアを出していきます。まずは精度を考えずに量を出していくことを重視するため、今回は各人が8つのアイデアを5分間で書き出します。A4用紙を8等分になるよう、折り目を付けて8つのアイデアを絵や字で書いていきます。
その後、一番自分がおもしろいな!と思うものを選んで丸をつけ、そのアイデアについて具体的にチーム内のメンバーがわかるように絵コンテを作成します。描いた絵コンテをホワイトボードや壁に貼り付けて、チーム内でどれにするか決めていきます。
寸劇づくり
プロトタイプ[Prototyping]
ワークショップではプロトタイプのアウトプットとして「寸劇」を採用して行いました。チームで選んだ絵コンテをメンバーで役割を決め、台本作成、練習を15分間で取り組みました。
劇で表現することで、実際のシーンに近いイメージが当事者だけではなく他者にも想像することができ、具体的に「いいね!」と思うところや「もっとこうしたら良くなりそう!」という発想が生まれます。実現可能性が高そうなら実装していけばよし、低そうなら次へ向かいやすくなります。
劇を演じてフィードバックを得る
検証[Test]
ソリューションアイデアが活用されているシーンを1チーム毎に3分間で演じてもらい、他のチームメンバーからフィードバックを受けます。当初設定した課題に対する目的が達成できているか、ユーザーの行動から想定していたことが機能しているかなどを見ていくフェーズです。
寸劇では、アイデアからプロトタイプを作ったチーム自体が演じているので、ユーザーの声は他のチームが客観的な視点からの意見や感想からのヒントとなります。下記のパターンでフィードバックマップを使って演じたメンバーに対して、他のチームから付箋に書いた内容をコメントを述べていきながらマッピングしていきました。
フィードバック
- + I Like(良い点)
- △ I Wish(改善案)
- ? Question(疑問点)
- ! Idea(アイデア)
Action Plan
ワークショップや研修にありがちなこととして、終わった後はインプットに満足して「明日からがんばるぞ!」という気分になって、お風呂上がりのようなホクホク感が出てきます。運営する側としてはその場の“満足度”は、成果を測る一つの指標ではありますが、いくつか段階がある中での最初のレベルの指標だと思っています。
このワークショップの目的は冒頭にもある通り「ワークショップを通じて体験し、身につけたデザイン思考を用いて、事業運営や組織運営をより良くすることを目指し、ペパボ福岡を最高(事業成長・組織活性化)にする。」です。
抽象的ではありますが、インプットに満足するだけでは“より良く”していくことは叶いません。
ただ、宿題や課題となるとみんなの気が重くなってしまうので、今回のワークショップでは「ワークショップで出したソリューションアイデアを実践してみた報告をSlackチャンネルで投下する」としました。ゆるふわですね。この期限が間もなくなので、楽しみだな〜〜〜という純粋な気持ちとプレッシャーの意を込めて今回のエントリーと相成りました。
まとめ
これまで社内でこのワークショップを数回(新卒研修、マネージャー対象、福岡支社)実施しました。大事なのは、手法を有効活用して、サービスを良くしたり、会社を良くしたりすることが目的であること。デザイン思考という手法に固執しては本末転倒です。運営側も参加者側も「やって満足」の温泉にのぼせてしまわないよう、“モノにして”いかなければならないなと改めて感じている昨今です。
今回も講師を担当してくれた @kurotaky の資料はこちらです!こちらです!
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